フルリモートの案件の探し方|条件の読み方と絞り込む順番を実データで整理
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

📘 この記事でわかること
- テレワークを受け入れている相手の見分け方と、企業規模によって差が開く取組状況の読み方
- 自社主導で開発を進める割合の日本と海外との違いと、外部に任せる前提がある相手の探し方
- 条件通知に何が示されるかという読み方と、指導・勧告の件数から見えてくる取引の実情
フルリモートで参画できる案件を探していると、選択肢の少なさに気づきます。条件を絞り込むほど「一部出社」の文字が混ざり、候補が目減りしていく感覚が残ります。実際に少ないのは案件の総数ではなく、社外の担い手を受け入れる体制を持つ相手の数です。総務省の調査と公正取引委員会の運用状況をもとに、相手を見分ける手がかりと条件通知の読み方を整理します。
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1. 数が少ないのではなく相手が偏っている
導入している企業の割合は増えていない
案件を探しても以前より数が少なく感じられる背景には、案件を出す側の変化があります。総務省の調査によると、テレワークを導入している企業の割合は47.3%となり、前年に続いて減少しました1。案件を発信する窓口そのものが、緩やかに縮んでいる段階だと分かります。母数が縮んでいる以上、以前と同じ探し方を続けても結果は変わりにくくなっています。
この47.3%は、フルリモートに限らず一部出社を含む形も合わせた導入割合です1。場所を選ばずに進められる案件だけに絞れば、対象になる企業はさらに限られます。数字を見るときは、どこまでの働き方を含んだ割合かを確かめる視点が要ります。同じ「テレワーク」という言葉でも、週に一度の在宅から場所を問わない形まで幅があることを踏まえておくと、条件を読み違えにくくなります。
つまり案件が少なく見える最初の理由は、外部の担い手を受け入れる窓口そのものが縮んでいることにあります。探し方を工夫する前に、まずこの前提を押さえておくと、後の絞り込みが進めやすくなります。窓口の数を追いかけるより、窓口の質——受け入れる前提があるかどうか——を見る方が、結果的に近道になります。
減少は一時的な波ではなく傾向として続いている
この動きは単年の変動ではありません。民間企業のテレワークは2022年以降、減少傾向が続いています3。一時期に広がった働き方から、出社を戻す判断をした企業が積み重なってきた結果だと読み取れます。数年単位の傾向である以上、来年には元に戻るという見立ては持ちにくく、探し方そのものを傾向に合わせて調整する方が現実的です。
傾向が続いているという事実は、探し方そのものを見直す合図になります。以前と同じやり方を繰り返しても、対象になる母集団が年々小さくなっているためです。同じ労力をかけるなら、狙う相手を先に絞り込む方が近道になります。毎回ゼロから探し直すのではなく、絞り込みの軸を先に持っておく進め方に切り替える段階に来ています。
では、どの相手を先に見るかを考えるとき、企業の規模による差が一つの手がかりになります。規模という切り口は、案件を探す最初の場面で使いやすい軸です。次の章では、デジタル化の取組状況を規模別に見ていきます。
出典:総務省「通信利用動向調査の結果」(2025年5月)をもとに作成
2. 未実施の割合と規模の差
未実施と答えた企業は全体のおよそ半数
デジタル化の取組状況を尋ねた調査では、「未実施」と答えた企業の割合が約50%に上りました4。フルリモートで受け入れる体制を検討する以前に、社内のデジタル化そのものが止まっている企業が相応の数含まれていることになります。取組の土台がない相手に声をかけても、話が前に進みにくいのはこのためです。
案件を探す側からすると、この約50%という数字は「相手を選ぶ余地がある」ことを意味します。取組が止まっている企業を毎回確かめてから声をかけるより、進んでいる側にあらかじめ狙いを定めておく方が近道になります。事前に絞り込む視点を持てるかどうかで、かかる時間が大きく変わります。
では、進んでいる企業とそうでない企業は、どんな属性で分かれるのでしょうか。次に、企業の規模による差を見ていきます。
大企業と中小企業では取組の状況が大きく違う
規模別に見ると、この差はより明確になります。未実施と回答した割合は、大企業で約25%、中小企業で約70%でした5。同じ「未実施」という言葉でも、規模によって重なる企業の比率がまったく違うことが分かります。案件を探す段階で規模を確かめるだけでも、見当違いの相手に時間を使う回数を減らせます。
| 区分 | 未実施の割合 | 読み取れる傾向 |
|---|---|---|
| 大企業 | 約25% | 体制はあっても外部に任せる前提は別途確かめる必要がある |
| 中小企業 | 約70% | 受け入れの土台がまだ整っていない先が相応にある |
中小企業の約70%が未実施という数字は、社外の担い手を受け入れる土台自体がまだ整っていない先が多いことを示します。声をかける相手を選ぶとき、規模も一つの判断材料になります。もちろん規模はあくまで目安であり、個別の状況を確かめる作業を省ける保証にはなりません。
ただし規模だけで判断すると見落としも出ます。大企業の約25%は、体制はあっても外部に任せる前提を持たない場合があるためです。次の章では、その「外に任せる前提」の有無を見分ける視点を扱います。
出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」(2025年7月)をもとに作成
3. 外に任せる前提がある相手を先に絞る
自社で作り切る前提の企業は限られている
システム開発を自社主導で行っていると回答した企業は35.7%でした6。この比率が示すのは、自社の中だけで開発を完結させる前提を持つ企業が多数派ではないということです。案件を探す立場からすれば、この構図そのものが追い風になります。
海外に目を向けると、自社主導で開発を行っている企業は80〜90%に上ります7。日本と比べると、内製を基本に据える企業の割合がはっきり高くなっています。国や地域によって開発の進め方の前提が違うことを、まず押さえておく必要があります。
この差は、外部の担い手を迎え入れる文化の違いとも読めます。日本では自社主導が少数派である分、外部に委ねる前提を最初から持つ企業を見つけやすい環境だとも言えます。狙う相手を選ぶときの土台として、この構図を頭に置いておくと動きやすくなります。
出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」(2025年7月)をもとに作成
「前提がある相手」を見分ける視点
案件を探す段階で確かめたいのは、その企業が外部の担い手を普段から迎える体制を持っているかどうかです。自社主導の比率が低い業界や職種ほど、この前提に当てはまる相手が多く含まれます。業界の傾向をあらかじめ知っておくだけでも、声をかける順番の目安になります。
逆に、内製を徹底している組織では、外部からフルリモートで加わる形自体が想定されていないことがあります。声をかける前に、案件情報の書きぶりから、外部への委託を前提にしているかどうかを確かめる視点が要ります。書きぶりに具体性があるかどうかは、体制の有無を映す手がかりになります。
次の章では、実際に声をかけたあとに交わされる条件通知の中身について見ていきます。
外部に任せる前提を持つ企業のリモート案件を見る →
4. 条件の読み方——何が書かれているか
示す事項の中身が改正で明確になった
公正取引委員会の運用状況では、取引条件を明示するときに何を示すかを定める内容の改正が行われました10。条件通知に書かれる項目そのものが、これまでより明確になっています。制度の側が具体化を進めている段階だと理解しておくと、書面を読むときの視点が定まります。
案件を受ける側としては、通知される書面にどの項目が並んでいるかを見れば、相手が改正後の内容を踏まえて運用しているかどうかの手がかりになります。項目の並びは、体制の整い方を映す鏡のようなものです。同じ書式を使い回しているだけの通知は、内容が薄くなりがちです。
項目が具体的に書かれているほど、後から「聞いていない」という食い違いが起きにくくなります。逆に、報酬や稼働の期間など基本的な項目が曖昧なままの通知は、注意して読む必要があります。曖昧さが目立つ通知は、その場で確認する一言を挟んでおくと後の行き違いを防げます。
違反の内訳から見える弱いところ
実際の運用では、勧告の内訳のうち取引条件の明示義務違反が10件と最も多く、期日における報酬支払義務違反が9件で続きました8。件数としては多くありませんが、内容を見ると通知の中身と支払いの時期に問題が集中しています。弱くなりやすい箇所があらかじめ分かっていれば、確認する優先順位も立てやすくなります。
| 確認する項目 | 書面での見え方 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 明示される事項の範囲 | 改正後に定められた項目が並んでいるか | 項目が少ない通知は運用が追いついていない場合がある |
| 支払いの時期 | 期日がいつと明記されているか | 明記がない通知は違反の多い項目と重なる |
条件を読むときに重点を置きたいのは、①何が明示されているか、②支払いの時期がいつと書かれているかの2点です。この2点を書面上で確かめられれば、体制が整っている相手かどうかをある程度見分けられます。細かな条項をすべて読み解こうとするより、この2点に絞る方が続けやすい確認の型になります。
次の章では、指導の件数も含めて全体の規模感を見ていきます。
5. 数字で見る全体像——指導と勧告の件数
指導は1,542件
令和7年度の運用状況では、指導の件数が1,542件に上りました9。勧告に至る前の段階で、相当数のやり取りが行われていることが分かります。この段階で改善が進む例が多いことも、あわせて読み取れます。
指導の件数が多いということは、取引条件や支払いに関する行き違いが特別な事例ではなく、一定の頻度で起きていることを示します。相手を選ぶ段階での確認が、後のやり取りを楽にします。最初の書面を丁寧に読む習慣が、結果として後の手間を減らします。
勧告に進んだ件数はそれよりずっと少なく、内訳は明示義務違反が10件、期日における報酬支払義務違反が9件でした8。指導の段階で改善する例が大半だと読み取れます。裏を返せば、条件通知を確認する習慣そのものが、行き違いを防ぐ最初の関門になっているとも言えます。
件数の多さをどう受け止めるか
1,542件という指導の件数は、業界全体でまだ運用が固まりきっていないことの表れでもあります。裏を返せば、条件通知を丁寧に確認する側にとっては、見るべき着眼点がはっきりしているということです。数字の大きさに身構えるより、着眼点を持って読む方が実利につながります。
勧告に至った10件・9件という内訳は少数ですが、いずれも通知の中身と支払いの時期という基本的な項目に集中しています。ここを押さえておけば、体制が整っている相手かどうかの見立てがしやすくなります。項目の抜けを見つけたら、契約前にその場で確かめる一手間が効きます。
次の章では、ここまでの数字を踏まえて、実際に案件を絞り込む順番を組み立てます。
条件を確かめながら自分に合う案件を見る →
6. 絞り込む順番をどう組み立てるか
規模と自社主導かどうかを先に見る
ここまでの数字を並べると、絞り込みの順番が見えてきます。未実施の割合は大企業で約25%、中小企業で約70%でした5。まず規模を一つの軸として、進んでいる側かどうかを大まかに見立てます。この段階では、細部を詰めるより方向づけを優先します。
次に、自社主導で開発を行っているかどうかも軸になります。自社主導と回答した企業は35.7%にとどまっています6。この比率が低い業界や職種ほど、外部に委ねる前提を持つ相手が多く含まれます。規模と組み合わせることで、見当をつけやすい相手の範囲がさらに狭まります。
| 絞り込みの軸 | 見る数値 | 優先したい相手 |
|---|---|---|
| 規模 | 未実施の割合は大企業約25%・中小企業約70% | 未実施の割合が低い側 |
| 自社主導かどうか | 自社主導は日本で35.7% | 自社主導ではない前提を持つ側 |
規模と自社主導かどうかの2つの軸を組み合わせると、声をかける優先順位がはっきりします。両方の条件に近い相手から確認していくのが、遠回りをしない進め方です。軸を先に決めておけば、候補が増えたときにも迷いにくくなります。
順番を書面確認につなげる
相手を絞り込んだあとは、これまで見てきた条件通知の中身を確認する段階に移ります。明示される事項と支払いの時期という2点を、書面で見比べます。ここまでの2軸で絞った相手であれば、確認そのものにかかる時間も抑えられます。
この順番——規模と自社主導かどうかで相手を絞り、そのあとに条件通知の中身を読む——を繰り返すことで、毎回一から探し直す負担が減ります。一度型を作ってしまえば、次の案件を探すときにも同じ手順を使い回せます。
絞り込みの型ができれば、あとは使う道具の話です。次の章では、今の環境がこの探し方にどれだけ噛み合っているかを見ていきます。
図の作成:Remogu編集部。案件を絞り込む考え方を整理したもので、統計データではありません
7. 使う道具の前提は揃っている
端末はスマートフォンが上回っている
通信利用動向調査では、端末別の保有状況でスマートフォンがパソコンを27.6ポイント上回っています2。連絡や確認の多くがスマートフォンで完結する環境は、すでに整っています。相手先とのやり取りが移動中でも滞りにくい状況が背景にあります。
一方で、開発や設計そのものの作業はパソコン中心で進めることに変わりはありません。道具の前提という意味では、確認や連絡の場面で身軽に動ける環境がすでにあるということです。作業と連絡それぞれに適した道具がすでにそろっている状態だと言えます。
この環境は、フルリモートで案件を進めるうえでの土台になります。移動中の連絡や急な確認にも対応しやすく、場所を選ばない働き方と相性が良い状況が整っています。土台がある分、残る課題は相手選びと条件の読み方に絞られます。
導入企業の割合が減っても環境自体は残っている
テレワークを導入している企業の割合は47.3%で、前年に続き減少しました1。ただしこれは企業側の運用の話であり、通信環境や端末といった土台が失われたわけではありません。整った環境をどの相手と組み合わせるかが、これからの探し方の要になります。
Remoguでは、こうした環境を前提に、案件の90%以上がフルリモート可能です。相手を選ぶ視点と条件の読み方さえ押さえておけば、道具の面でつまずく理由は減っています。あとは自分の経験に合う相手を見つけるところに集中できます。
ここまで見てきた見分け方と読み方は、案件を探すたびに繰り返し使える型です。まずは自分の経験に近い案件から、条件を確かめてみる進め方が現実的です。一度使ってみれば、次からの絞り込みにかかる時間はさらに短くなります。
フルリモートの案件は本当に減っているのですか
案件そのものの総数が減っているというより、受け入れる体制を持つ企業の割合が減っています。テレワークを導入している企業の割合は47.3%で、前年に続き減少しました1。この動きは単年ではなく、2022年以降続いている傾向です3。数を追うより、体制のある相手を先に見つける動き方が有効です。
自社主導で開発している企業は候補から外した方がよいのですか
自社主導で開発を行っている企業は、日本全体では35.7%です6。海外では80〜90%に上ります7。この比率が高い組織ほど、外部からフルリモートで加わる前提自体が薄い場合があります。避ける相手というより、声をかける前に確認しておきたい相手だと言えます。確認して前提が合わないと分かった時点で、次の候補に移れば十分です。
条件通知で最初に確認する項目は何ですか
公正取引委員会の運用状況では、勧告の内訳のうち取引条件の明示義務違反が10件、期日における報酬支払義務違反が9件でした8。まず確認したいのは、明示される事項の範囲と、支払いの期日がいつと書かれているかの2点です。この2点が具体的に書かれている通知ほど、運用が整っている印象になります。細部を読み込む前に、この2点だけでも先に確かめておくと安心です。
指導や勧告の件数が多いと、案件を受けても大丈夫ですか
令和7年度の運用状況では、指導の件数は1,542件でした9。この数字は指導の段階までを含んでおり、勧告に至った件数は明示義務違反10件、支払義務違反9件と限られています8。仕組みが整っている相手を選び、条件通知の中身を確認しておく進め方が、安心して案件を受けるための土台になります。書面を確認する習慣そのものが、最も手軽な備えになります。
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相手の体制から絞れば探し方は決まります。フルリモートの案件を見てみてください。
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※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 総務省「通信利用動向調査の結果」受け入れ側の事情(2025年5月・2026年8月確認)
*2 総務省「通信利用動向調査の結果」主戦場(2025年5月・2026年8月確認)
*3 総務省「令和7年版 情報通信白書(デジタル活用の動向)」受け入れ側の変化(2025年7月・2026年8月確認)
*4 総務省「令和7年版 情報通信白書(デジタル活用の動向)」着手前の企業(2025年7月・2026年8月確認)
*5 総務省「令和7年版 情報通信白書(デジタル活用の動向)」規模による差(2025年7月・2026年8月確認)
*6 総務省「令和7年版 情報通信白書(デジタル活用の動向)」内製の実際(2025年7月・2026年8月確認)
*7 総務省「令和7年版 情報通信白書(デジタル活用の動向)」外との差(2025年7月・2026年8月確認)
*8 公正取引委員会「令和7年度におけるフリーランス・事業者間取引適正化等法第2章の運用状況」違反の中身(2026年6月・2026年8月確認)
*9 公正取引委員会「令和7年度におけるフリーランス・事業者間取引適正化等法第2章の運用状況」指導の件数(2026年6月・2026年8月確認)
*10 公正取引委員会「令和7年度におけるフリーランス・事業者間取引適正化等法第2章の運用状況」示す項目(2026年6月・2026年8月確認)