Go言語の案件が生まれるのは3つの場所|選ばれる条件と見極め方を整理
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

📘 この記事でわかること
- Go言語の案件が、クラウドやAPIをめぐる取り組みの違いから、どの場所に集まりやすいかということ
- つなぎ目・動かし続ける・作る側という3つの仕事の中身と、それぞれで求められる経験の違い
- 外部サービスの活用が進む一方で方針の整備が追いついていない実態と、そこから見える案件の見極め方
Go言語を扱えるという経験は、案件情報を眺めるだけでは行き先が見えにくいものです。求められる場面は業種や職種の名前ではなく、開発の「進め方」の違いによって分かれています。IPAの調査は、クラウドやAPIをどれだけ使いこなしているかという観点で、企業の姿勢を大きく二つに分けています。その分かれ目を読み解くと、Go言語の案件が集まりやすい場所が見えてきます。
▶ あわせて読みたい
・Node.jsの案件は両側を任されるのか|つなぎ目で決まる範囲と条件の違いを整理
・サーバーサイドの案件でAPIの責任はどこで切る?つなぎ目で決める範囲と条件
・バックエンドの案件で非機能はどう詰める?止まる備えと計測から決める条件
1. 案件は3つの場所に集まる
Go言語の案件を探すと、業種や技術スタックの名前ばかりが目に入り、どこに向けて経験を伝えればよいのか分かりにくく感じられます。同じ「開発」という言葉でも、案件が生まれる背景は一様ではありません。
IPAの2024年度ソフトウェア動向調査は、企業を「システムを利用する側」と「システムを作る側」に分けて、クラウドやAPIへの取り組み状況を比較しています。クラウドやAPIの導入は、作る側の企業を中心に比較的進んでいます1。
この差は、案件が生まれる場所の手がかりになります。標準的なデータの形式をそろえることについても、作る側の企業のほうが意識が高いという結果が示されています2。
図の作成:Remogu編集部。IPAの調査結果をもとに整理したもので、統計データではありません。
つなぎ目・動かし続ける・作る側という3つの仕事
この記事では、Go言語の案件が集まりやすい場所を「つなぎ目の仕事」「動かし続ける仕事」「作る側の仕事」という3つに分けて見ていきます。いずれも、システムを作る側の企業に厚みが出やすい領域です。
業種名を手がかりに案件を探すよりも、企業がどちら側に立っているか、どんな取り組みを進めているかを手がかりにするほうが、経験の重なりを見つけやすくなります。
次の章からは、つなぎ目の仕事にあたる領域から順に見ていきます。
2. つなぎ目の仕事という場所
システムとシステムの間をつなぐ仕事は、単体の開発ほど目立ちませんが、規模の大きい現場ほど手が求められる領域です。
APIの活用や、標準的なデータの形式をそろえることについては、作る側の企業を中心に意識が高いという調査結果があります2。
一方で、モジュール性やデータモデルを意識した設計に取り組んでいる企業は、利用する側を中心に依然として少ない状態です7。
作る側と利用する側で、取り組みの厚みが違う
この差は、つなぎ目の仕事がどこに残っているかを示しています。データの形式やAPIの設計をそろえる作業は、利用する側の企業だけでは完結せず、作る側の企業が引き受ける場面が増えます。
個々の機能を追加してきた経験よりも、複数のシステムの間でデータの形式や呼び出し方をそろえてきた経験のほうが、つなぎ目の仕事では重みを持ちます。
作る側と利用する側、取り組みの厚みを並べて見る
下の表は、作る側の企業と利用する側の企業それぞれの取り組みの状況をまとめたものです。APIの活用や標準的なデータ形式をそろえる取り組みは、作る側の企業を中心に意識が高い状態です2。モジュール性やデータモデルを意識した設計に取り組む企業は、利用する側を中心に依然として少ない状態です7。2つの取り組みを並べると、つなぎ目の仕事がどちらの企業にとって重みを持つ作業かが見えてきます。
| 取り組み | 厚みが出ている側 | 調査からわかること |
|---|---|---|
| APIの活用・データ形式の統一 | 作る側の企業 | 作る側を中心に意識が高い状態です2 |
| モジュール性・データモデルを意識した設計 | 作る側の企業 | 利用する側を中心に依然として少ない状態です7 |
つなぎ目の仕事は、片方の企業だけでは完結しない領域に生まれます。次に、動かし続ける仕事という場所を見ていきます。
3. 動かし続ける仕事という場所
システムは作って終わりではなく、動かし続けるための仕組みが必要です。この仕組みづくりにも、企業ごとに取り組みの差があります。
DevOpsやモデルベース開発については、作る側の企業を除くと、導入している企業は少ない状態です3。
一方で、ITのリスク管理と業務継続計画については、全体の5〜6割程度の企業が整備している状態です8。
開発の仕組みと、危機への備えは別々に進む
開発を効率化する仕組みと、障害や災害に備える仕組みは、同じ「動かし続ける」という目的を持ちながら、進み方が異なります。DevOpsのような開発の仕組みは作る側の企業に厚みがある一方、リスク管理や業務継続計画は業種を問わず一定の水準まで広がっています。
新しい仕組みを作ってきた経験よりも、動いているものを止めずに運用してきた経験のほうが、動かし続ける仕事では評価される場面が増えます。
DevOpsのような開発の仕組みが根づいている現場では、コードを直してから本番環境に反映するまでの一連の流れが、あらかじめ整理されています3。動かし続ける仕事に関わるときは、この流れのどの部分を任されるのかによって、日々の作業の幅が変わってきます。
ITのリスク管理や業務継続計画が整っている現場では、障害が起きたときの対応手順や連絡の流れが、あらかじめ定められています8。動かし続ける仕事に携わるときは、その手順のどこを担当するのかを確認しておくと、稼働後の役割がはっきりしてきます。
開発の仕組みと危機対応、整備状況を並べて見る
下の表は、開発の仕組みと危機対応の仕組み、それぞれの整備状況をまとめたものです。DevOpsやモデルベース開発は、作る側の企業を除くと導入している企業は少ない状態です3。ITのリスク管理と業務継続計画は、全体の5〜6割程度の企業が整備を進めています8。整備の広がり方の違いから、動かし続ける仕事がどこに集まりやすいかが見えてきます。
| 仕組み | 整備の広がり | 調査からわかること |
|---|---|---|
| DevOps・モデルベース開発 | 作る側の企業に偏る | 作る側を除くと導入している企業は少ない状態です3 |
| ITリスク管理・業務継続計画 | 全体の5〜6割程度 | 業種を問わず一定の水準まで整備が進んでいます8 |
Go言語に関わるリモート案件を見てみる →
動かし続ける仕事は、開発の仕組みと危機対応の仕組みの両方にまたがっています。次に、外部のサービスとの境目を見ていきます。
4. 外部のサービスとの境目
自分たちで作るか、外部のサービスに任せるかという判断は、以前よりも複雑になっています。
外部のサービスや製品は、一部での利用を含めると6割強の企業が活用しています4。
しかし、その利用に関する方針を整備している企業は、全体の約半数にとどまります5。
出典:IPA「2024年度ソフトウェア動向調査 簡易分析レポート」(2025年4月)をもとに作成
使う判断と、使い方を決める判断は別の作業
外部のサービスを使うかどうかの判断と、使い方の線引きを決める判断は、別々の作業です。前者は6割強の企業まで進んでいますが、後者は約半数までしか届いていません。この差にあたる部分が、境目を整える仕事として残っています。
サービスを組み合わせて動かしてきた経験よりも、その組み合わせ方に線引きを設けて協議してきた経験のほうが、この境目の仕事では役に立ちます。
外部のサービスとの境目は、使う判断が先に進み、線引きの判断があとから追いつく形で生まれています。次に、作る側の仕事という場所を見ていきます。
5. 作る側の仕事という場所
開発を誰が担うかという体制も、企業によって差があります。
総務省の情報通信白書が収録する各国比較の調査では、日本でシステム開発を自社主導で行っていると答えた企業は35.7%です9。
開発でのAIの導入については、利用する側の企業で約2割、作る側の企業で約4割が意識している状況です10。
出典:IPA「2024年度ソフトウェア動向調査 簡易分析レポート」(2025年4月)をもとに作成
自社主導の開発は少数派、AIの意識は作る側が先行
自社主導で開発を進める企業が35.7%にとどまるということは、残りの企業では開発を外部に委ねる場面があることを示しています。AIの導入を意識する割合も、作る側の企業のほうが高く出ています。
自社の中だけで完結してきた経験よりも、外部から開発を引き受けてきた経験のほうが、作る側の仕事では厚みとして生きます。
クラウドやAPIの整備が進んでいる企業ほど、開発そのものを外部の担い手に任せる場面が生まれやすくなります1。作る側の仕事に関わるときは、依頼元がどこまでクラウドやAPIを使いこなしているかを見ておくと、求められる経験の幅がつかみやすくなります。
自社主導で開発を行っている企業が35.7%にとどまっているという結果は、それ以外の企業では開発の体制そのものを外部の担い手が支えている場面があることを示しています9。作る側の仕事では、単発の実装だけでなく、開発の進め方そのものに関わる機会も生まれやすくなります。
自社主導の開発とAI意識の広がりを並べて見る
下の表は、システム開発の体制とAI導入への意識について、調査結果をまとめたものです。各国比較の調査では、自社主導で開発を行っていると答えた企業は35.7%です9。AIの導入は、利用する側で約2割、作る側で約4割が意識している状況です10。体制とAI意識の両面から、作る側の仕事の広がりを確かめられます。
| 項目 | 割合 | 調査からわかること |
|---|---|---|
| システム開発を自社主導で行う企業 | 35.7% | 各国比較の調査における日本の割合です9 |
| AIの導入を意識する企業(利用する側) | 約2割 | 検討中・試行中を含めた割合です10 |
| AIの導入を意識する企業(作る側) | 約4割 | 利用する側よりも高い水準です10 |
自分の経験に近い案件を探してみる →
作る側の仕事は、自社主導では完結しない開発を外部から引き受ける形で生まれています。次に、品質が最優先という前提を見ていきます。
6. 品質が最優先という前提
どの場所の仕事であっても、共通して外せない前提があります。
利用する側の企業は、システムの品質を最も優先する事項として捉えています6。
ITのリスク管理と業務継続計画についても、全体の5〜6割程度の企業が整備を進めています8。
品質への意識は、依頼する側の判断基準になる
品質が最優先という前提は、つなぎ目の仕事でも、動かし続ける仕事でも、作る側の仕事でも変わりません。依頼する側が最終的に見ているのは、進め方の新しさよりも、動き続けるかどうかという結果です。
目新しい手法を取り入れてきた経験よりも、品質を保ちながら動かし続けてきた経験のほうが、どの場所の仕事でも評価の軸になります。
品質という前提を踏まえたうえで、次の章では、どの場所の案件かを見極める順番を整理します。
7. どの場所の案件かを見極める順番
ここまで見てきた3つの場所は、重なって存在しています。1つの案件情報だけでは、どの場所にあたるのか判断しにくいことがあります。
クラウドやAPIの導入は、作る側の企業を中心に比較的進んでいます1。
DevOpsやモデルベース開発についても、作る側の企業を除くと、導入している企業は少ない状態です3。
図の作成:Remogu編集部。IPAの調査結果をもとにした見極めの手順を整理したもので、統計データではありません。
まずクラウド・APIの状況、次に開発の仕組みを見る
案件がどの場所にあたるかを見極めるときは、まずクラウドやAPIへの取り組みの厚みを確かめ、次にDevOpsのような開発の仕組みがどこまで根づいているかを確かめる順番が有効です。この2つがどちらも厚い場所は、作る側の仕事にあたる可能性が高くなります。
場所によって案件の中身が異なる以上、実際にどんな案件があるかを確かめる場面も必要になります。Remoguはリモートワークの案件に特化したエンジニアマッチングで、案件の90%以上がフルリモート可能です。場所に縛られずに、つなぎ目・動かし続ける・作る側のどの仕事にも触れられる環境が広がっています。
自分が今関わっている仕事は、つなぎ目・動かし続ける・作る側のどこに近いでしょうか。
Go言語の経験がまだ少なくても、案件は見つかりますか
作る側の仕事は、クラウドやAPI、標準的なデータ形式への取り組みが厚い領域に生まれやすい傾向があります1。経験がまだ少ない場合は、つなぎ目の仕事のように、複数のシステムの間を扱う範囲から関わり方を広げていく進め方が向いています。
つなぎ目の仕事と作る側の仕事は、どちらから始めやすいですか
つなぎ目の仕事は、複数のシステムの間でデータの形式や呼び出し方をそろえる範囲から始めやすい面があります2。作る側の仕事は、開発の体制そのものを外部から引き受ける形になるため、まとまった経験が求められる場面が増えます9。
動かし続ける仕事に関わるには、何を確かめればよいですか
その現場でDevOpsのような開発の仕組みがどこまで根づいているかを確かめると、動かし続ける仕事の厚みが見えやすくなります3。あわせて、ITのリスク管理や業務継続計画の整備状況も手がかりになります8。
リモートワーク案件をお探しの方へ
Remoguは、株式会社LASSICが運営するITエンジニア・デザイナー専門のリモートワーク案件紹介サービスです。フルリモート・ハイブリッドの案件から、スキルに合うものを探せます。
どの場所の案件かが分かれば選べます。Go言語の案件を見てみてください。
会員登録無料 / 案件閲覧・相談は無料
※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 IPA「2024年度ソフトウェア動向調査 簡易分析レポート」進んでいる領域(2025年4月・2026年8月確認)
*2 IPA「2024年度ソフトウェア動向調査 簡易分析レポート」つなぎ目の意識(2025年4月・2026年8月確認)
*3 IPA「2024年度ソフトウェア動向調査 簡易分析レポート」確認の自動化(2025年4月・2026年8月確認)
*4 IPA「2024年度ソフトウェア動向調査 簡易分析レポート」利用の広さ(2025年4月・2026年8月確認)
*5 IPA「2024年度ソフトウェア動向調査 簡易分析レポート」方針の有無(2025年4月・2026年8月確認)
*6 IPA「2024年度ソフトウェア動向調査 簡易分析レポート」評価の軸(2025年4月・2026年8月確認)
*7 IPA「2024年度ソフトウェア動向調査 簡易分析レポート」境界の不在(2025年4月・2026年8月確認)
*8 IPA「2024年度ソフトウェア動向調査 簡易分析レポート」止まる備え(2025年4月・2026年8月確認)
*9 総務省「令和7年版 情報通信白書(デジタル活用の動向)」内製の実際(2025年7月・2026年8月確認)
*10 IPA「2024年度ソフトウェア動向調査 簡易分析レポート」道具の広がり(2025年4月・2026年8月確認)