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    廃業届はいつまでに出す?フリーランスエンジニアが事業をやめるときに出す3つの届出と注意点

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    「やめるときの届出」を示す図です。青色申告、消費税の課税事業者。廃業届だけ/+事業廃止届出/+取りやめ届出/3つともを並べています。強調しているのは3つともです。3つとも出すと添えています。

    📘 この記事でわかること

    • 廃業届や青色申告の取りやめ届出書、消費税の事業廃止届出書など、事業をやめるときに出す届出と、それぞれの提出期限
    • 個人事業のすべてを法人に引き継いで法人化するときに法人設立ワンストップサービスが使えることと、法人設立届出書を出す期限
    • 届出書をe-Taxソフトで作成できることと、事業をやめる前に確かめておきたい3つの届出の期限

    法人化を決め、個人事業としての案件の受け方を終えることにしました。開業のときは、税務署に一枚の届出書を出すだけで済みました。今回もそれと同じだろうと思っていました。ところが調べてみると、事業をやめるときの届出は、1枚では終わらないことがあります。

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    1. 事業をやめるときの届出書

    国税庁の「廃業する場合」というページには、事業を廃止するときに提出が必要な主な届出書・申請書等がまとめられています1。

    そこに並ぶのは、個人事業の開業・廃業等届出書だけではありません。

    青色申告の承認を受けていた人は取りやめの届出を1、消費税の課税事業者は事業廃止届出書を1、それぞれ別に出します。

    主な届出の名称と対象、提出期限を一つの表にまとめました。

    主な届出の名称と期限

    対象になるのは、個人事業を廃業する人と、青色申告の承認を受けていた人、消費税の課税事業者です。届出の名称と提出期限は、それぞれ異なります。自分がどれに当てはまるかを、確かめながら見ていきます。

    届出書の名称対象提出期限
    個人事業の開業・廃業等届出書個人事業を廃業する人廃業した年分の所得税の確定申告期限1
    所得税の青色申告の取りやめ届出書青色申告の承認を受けていた人取りやめようとする年の所得税の確定申告期限1
    事業廃止届出書(消費税)消費税の課税事業者速やかに提出します1

    次の節から、届出ごとに期限を確認します。

    2. 廃業届の期限は廃業した年分の確定申告期限

    個人事業の開業・廃業等届出書は、廃業した年分の所得税の確定申告期限までに提出します1。

    起点は廃業した日

    「廃業した年分」は、事業をやめた日がふくまれる1年を指します。

    廃業した日が分かれば、その年分の所得税の確定申告期限が、届出の期限です1。

    廃業した日から提出期限までの流れを、図にまとめました。

    図1:廃業届の期限
    廃業した年 起点は廃業日 廃業した年分の 確定申告期限 提出の期限 →

    出典:国税庁「廃業する場合」をもとに作成

    これが、廃業届にあたる個人事業の開業・廃業等届出書の期限です。

    青色申告の承認を受けていた人や、消費税の課税事業者にあたる人は、この後の届出もあわせて確認します。

    3. 青色申告の取りやめ届出書

    まず、青色申告の承認を受けていた人が対象になる届出を確認します。ここでは所得税の青色申告の取りやめ届出書を取り上げます1。

    対象は青色申告の承認を受けていた人

    所得税の青色申告の取りやめ届出書の対象になるのは、青色申告の承認を受けていた人です1。承認を受けていなかった人には、この届出は関わりません。

    こうした届出は、先の表にある個人事業の開業・廃業等届出書とは別の書類です。届出書の名称を、提出のときにもう一度確かめておきます。

    提出期限は取りやめようとする年の確定申告期限

    提出期限は、青色申告を取りやめようとする年の所得税の確定申告期限までです1。

    前の節で確認した廃業届の期限は、廃業した年分が基準でした。この届出は、取りやめようとする年が基準になっている点が異なります1。

    4. 消費税の事業廃止届出書

    次に、消費税の課税事業者にあたる人が出す届出を確認します。ここでは事業廃止届出書を取り上げます1。

    対象は消費税の課税事業者

    事業廃止届出書の対象になるのは、消費税の課税事業者です1。課税事業者でない人には、この届出は関わりません。

    事業廃止届出書も、事業をやめるときに出す届出の一つです1。自分が消費税の課税事業者にあたるかどうかを、あわせて確かめます。

    提出期限は「速やかに」

    事業廃止届出書は、速やかに提出します1。

    一方、廃業届や青色申告の取りやめ届出書とは違い、確定申告期限のような決まった時期を指す言葉はありません。この届出の期限にあたるのは、「速やかに」です1。

    3つの届出の期限の違い

    確認した3つの届出を、期限を軸に並べ直します。

    個人事業の開業・廃業等届出書は廃業した年分の確定申告期限まで、所得税の青色申告の取りやめ届出書は取りやめようとする年の確定申告期限までです。事業廃止届出書の期限だけは、「速やかに」です。自分がどの届出の対象になるかを確かめながら、期限の違いを表で確認します。

    提出期限届出書の名称対象になる人
    廃業した年分の所得税の確定申告期限1個人事業の開業・廃業等届出書個人事業を廃業する人
    取りやめようとする年の所得税の確定申告期限1所得税の青色申告の取りやめ届出書青色申告の承認を受けていた人
    速やかに提出します1事業廃止届出書(消費税)消費税の課税事業者

    この3つが、この記事で取り上げる主な届出です1。では、法人化するときには、これとは別にどんな届出があるのでしょうか。

    5. 法人化するときの法人設立の届出

    ここでは、個人事業のすべてを新たに設立した法人に引き継ぐ場合の届出を確認します1。廃業する側の届出とは別に、設立した法人の届出もあります1。

    このとき、一部の届出書・申請書等は、マイナポータルを利用して法人設立に関連する手続きをオンラインで行う「法人設立ワンストップサービス」で提出できます1。対象は一部の届出書・申請書等なので、すべての届出がこのサービスで済むわけではありません。

    提出する人と添付するもの

    新たに法人を設立する人は、「法人設立届出書」を提出します1。個人事業を廃業する側の届出とは別に、新しくできた法人について出す届出です。

    提出のときは、定款等の写しを添付します1。届出書だけを先に出すのではなく、写しとそろえて出します。

    提出期限は法人設立の日以後2か月以内

    法人設立届出書の提出期限は、法人設立の日以後2か月以内です1。個人事業の開業・廃業等届出書が廃業した年分の確定申告期限までだったのに対し、こちらは法人を設立した日を起点に、2か月という期間で区切られています。

    図2:法人化するときの2つの届出
    法人化を決めたとき ↓ ↓ 個人事業の届出 廃業届 青色申告の取りやめ届出書 事業廃止届出書(消費税) 当てはまるものを提出 法人の届出 法人設立届出書 設立の日以後2か月以内 定款等の写しを添付 個人事業の全部を法人へ引き継ぐ場合は、一部の届出をワンストップサービスで提出

    出典:国税庁「廃業する場合」をもとに作成

    法人として出す届出のうち、この記事で扱うのは法人設立届出書までです。法人を設立したあとの細かな手続きは、ここでは扱いません。

    6. e-Taxソフトでの届出書の作成

    廃業のときの届出書・申請書等は、e-Taxソフトで作成することもできます1。どの届出書を作るかは、前の節までに確かめた、自分に当てはまる届出から決めます。

    ただし、事業者が亡くなった場合は、この方法から除かれています1。この記事で扱う、本人が事業をやめる場面であれば、e-Taxソフトで作る方法も選べます。

    マイナンバーの記載が必要な届出と本人確認書類

    届出書・申請書等にマイナンバー(個人番号)の記載が必要なときは、提出のときに本人確認書類の提示か、その写しの添付が必要です1。本人確認書類は、提出する届出書と一緒にそろえます。

    自分が出す届出書・申請書等にマイナンバーの記載が必要かどうかを、提出する前に様式で確かめます。

    届出書の作り方と添えるもの

    e-Taxソフトで作ることと、マイナンバーの記載が必要な届出で本人確認書類を添えることを、2段の図にまとめました。2つは順番ではなく、別々に確かめる点です。

    図3:届出書の作り方と、添えるもの
    作る 届出書・申請書等はe-Taxソフトでの作成も可能 ※事業者が亡くなった場合を除く 添える マイナンバーの記載が必要な届出は 提出の際に本人確認書類の提示か写しの添付が必要

    出典:国税庁「廃業する場合」をもとに作成

    最後に、事業をやめる前に確かめることを、期限の違いとあわせて見直します。

    7. 事業をやめる前に確かめる3つ

    冒頭の問いに戻ります。事業をやめるときの届出は、1枚で終わるのでしょうか。事業をやめる人は廃業届を出します。青色申告の承認を受けていたか、消費税の課税事業者かによって、出す届出が加わることがあります。事業をやめる前に、次の3つを確かめます。

    まず確かめるのは、廃業届にあたる個人事業の開業・廃業等届出書の期限です。提出期限は、廃業した年分の所得税の確定申告期限までです1。

    この届出の期限は、廃業した日そのものではなく、廃業した年分の確定申告期限で決まります1。自分が廃業した年はいつかを、ここで確かめます。

    次に確かめるのは、青色申告の承認を受けていたかどうかです。青色申告の承認を受けていた人は、所得税の青色申告の取りやめ届出書を提出します1。承認を受けていなかった人には、この届出は関わりません。

    提出期限は、青色申告を取りやめようとする年の所得税の確定申告期限までです1。基準になるのは、青色申告を取りやめようとする年です1。

    最後に確かめるのは、消費税の課税事業者にあたるかどうかです。消費税の課税事業者は、事業廃止届出書を提出します1。課税事業者でない人には、この届出は関わりません。

    この届出の期限にあたるのは、「速やかに」です1。廃業届や青色申告の取りやめ届出書のように、確定申告期限を基準にした期限ではありません。

    確かめる3つの一覧

    確かめた3つを、一つの表にまとめました。廃業届の期限は事業をやめる人に共通し、青色申告の取りやめ届出書と事業廃止届出書は、当てはまる人が出す届出です。自分がどれに当てはまるかを、表で確かめます。

    当てはまる人出す届出提出期限
    事業をやめる人個人事業の開業・廃業等届出書廃業した年分の所得税の確定申告期限まで1
    青色申告の承認を受けていた人所得税の青色申告の取りやめ届出書取りやめようとする年の所得税の確定申告期限まで1
    消費税の課税事業者事業廃止届出書(消費税)速やかに1

    確かめる順番

    廃業届、青色申告、消費税の3つを確かめる順番を、図にまとめました。

    図4:確かめる順番
    1 廃業届の期限 廃業した年分の確定申告期限まで 2 青色申告の承認の有無 受けていた人は取りやめ届出書 3 消費税の課税事業者か 該当なら事業廃止届出書を速やかに

    出典:国税庁「廃業する場合」をもとに作成

    廃業届にあたる個人事業の開業・廃業等届出書は、廃業した年分の所得税の確定申告期限までに提出します1。青色申告の承認を受けていたなら、青色申告の取りやめ届出書を、取りやめようとする年の確定申告期限までです1。消費税の課税事業者なら、事業廃止届出書を速やかに出します1。事業をやめるときの届出は、1枚では終わらないことがあります。青色申告と消費税の届出も、自分に当てはまるかを確かめてから出します。

    8. よくある質問

    法人設立届出書には何を添付しますか

    法人設立届出書には、定款等の写しを添付します1。提出期限は、法人設立の日以後2か月以内です1。

    法人設立ワンストップサービスは、どの届出でも使えますか

    使えるのは、個人事業の全てを新たに設立した法人に引き継ぐ場合の、一部の届出書・申請書等です1。すべての届出が対象になるわけではありません。

    マイナンバーの記載が必要な届出書に、本人確認書類は要りますか

    マイナンバー(個人番号)の記載が必要な場合は、提出の際に本人確認書類の提示か、写しの添付が必要です1。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 国税庁「廃業する場合」(2025年・2026年10月確認)