フリーランスエンジニアの障害年金は2級まで?初診日と保険料の納付要件、3級がない理由
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

📘 この記事でわかること
- 初診日にどの年金へ加入していたかで受けられる障害年金が分かれることと、障害基礎年金の等級は1級・2級であること
- 保険料の納付要件は原則3分の2以上であることと、初診日が令和18年3月末日までなら直近1年間に未納がなければよいこと
- 請求の種類によって年金を受け取れる時期が変わることと、請求前に初診日・保険料・障害の状態の3つを確かめる流れ
体調を崩し、受けていた案件をしばらく休みました。厚生年金に加入している人から障害年金の話を聞いたことはありましたが、国民年金だけで案件を受けてきた自分にも当てはまるのかが気になりました。受けられる障害年金は、初診日にどの年金に加入していたかで決まります。
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1. 国民年金に加入している間の初診日と障害基礎年金
障害年金には、国民年金の障害基礎年金と、厚生年金保険の障害厚生年金があります12。受けられる年金は、初診日にどの年金に加入していたかで決まります。国民年金に加入しているなら、まず障害基礎年金の要件を確かめます。
要件の3つ、初診日・障害の状態・保険料
障害基礎年金は、いくつかの要件をすべて満たしたときに支給されます1。その1つが、障害の原因となった病気やけがについて、初診日が国民年金の加入期間などにあることです1。
あわせて、障害の状態が障害認定日に障害等級表の1級または2級に該当していることも要件です1。この2つに加えて、保険料の納め方についての要件もあります1。
国民年金だけに加入して案件を続けてきたなら、初診日がその期間にあるかどうかが最初の分かれ目です。
| 年金の種類 | 初診日の加入先 | 等級 |
|---|---|---|
| 障害基礎年金 | 国民年金の加入期間など | 1級・2級 |
| 障害厚生年金 | 厚生年金保険の被保険者期間 | 1級から3級 |
厚生年金に加入している人の要件と等級
厚生年金に加入している人は、初診日の要件が異なります。厚生年金保険の被保険者である間に初診日があることなどを満たすと、障害厚生年金の対象になります2。
等級の決まり方も、障害基礎年金とは違います2。等級の違いは、次の節で確かめます。
国民年金だけに加入しているなら、この障害厚生年金ではなく、障害基礎年金の要件を確かめます。障害基礎年金でどの等級に当てはまるかは、次に確かめます。
2. 障害基礎年金の等級は1級と2級のみ
初診日がどちらの年金の加入期間にあったかを確かめたら、次は等級です。障害基礎年金は、障害認定日に障害等級表の1級または2級に該当していることが要件の1つです1。
1級か2級かの2段階
3級という区分は、障害基礎年金にはありません1。該当するかどうかは、1級か2級かの2段階で決まります1。
国民年金に加入しているなら、この2段階のどちらかに当てはまるかどうかも、障害基礎年金を受けられるかを左右する要件の1つです。初診日の要件、保険料の要件とあわせて確かめます1。
図の作成:Remogu編集部。障害基礎年金と障害厚生年金の要件を整理したもので、統計データではありません
3級がある障害厚生年金の側
一方、厚生年金に加入している人が対象になる障害厚生年金では、1級から3級まで3つの等級があります2。3級は、障害厚生年金だけにある区分です2。
初診日にどちらの年金へ加入していたかで、当てはまる等級の幅が変わります。国民年金に加入しているなら、1級か2級かの2段階で確かめます。
保険料をどう納めてきたかという、もう1つの要件は次に確かめます。
3. 保険料の納付要件「3分の2以上」
初診日がどちらの年金の加入期間にあったか、障害の状態がどの等級に当てはまるかを確かめたら、残る要件は保険料の納め方です。ここでは「3分の2以上」という基準を使います1。
数える期間、初診日がある月の前々月まで
保険料の納付要件は、初診日の前日の時点で判断します1。そのときに、初診日がある月の前々月までの被保険者期間を見ます1。
この期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間をあわせた長さが3分の2以上あることが、納付要件です1。
| 確かめる点 | 内容 |
|---|---|
| 判断する日 | 初診日の前日 |
| 数える期間の終点 | 初診日がある月の前々月まで |
| 期間に数えるもの | 保険料納付済期間、保険料免除期間 |
| 満たす基準 | あわせて3分の2以上 |
保険料納付済期間に含まれる厚生年金保険の期間
保険料納付済期間には、国民年金の保険料を納めた月だけでなく、厚生年金保険の被保険者期間や共済組合の組合員期間も含まれます1。
独立する前に厚生年金保険に加入していた期間があれば、その期間も保険料納付済期間として数えます1。
3分の2という基準に届いているかを確かめるときは、免除を受けた期間や厚生年金保険の被保険者期間まで含めて数えます1。
保険料の納め方を確かめる基準は、この3分の2の数え方だけではありません。もう1つの基準は、次に確かめます。
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4. 直近1年間に未納がなければよい特例
ただし、保険料の納付要件には、3分の2以上という基準のほかに、もう1つの数え方があります1。
直近1年間で数える条件、初診日の時期と年齢
初診日が令和18年3月末日までのときで、初診日に65歳未満であれば、直近1年間に保険料の未納がなければ足ります1。
見るのは、初診日の前日の時点で、初診日がある月の前々月までの直近1年間です1。この1年間に未納の月がなければ、3分の2の基準を確かめなくても要件を満たします。
図の作成:Remogu編集部。保険料の納付要件を整理したもので、統計データではありません
2つの数え方のどちらかを満たす場合
3分の2以上の数え方では、保険料免除期間を保険料納付済期間とあわせて数えます1。
免除の種類や申請の手続きは、ここでは扱いません。ここで確かめるのは、直近1年間に未納がないかどうかという基準です。
図で示したとおり、3分の2以上という基準と、直近1年間に未納がないという基準は、どちらか一方を満たせば足ります。
残るのは、いつ請求できるかという時期です。
5. 障害認定日による請求と事後重症による請求
初診日の要件と保険料の要件を確かめたら、次に請求の時期を確かめます。障害年金の請求には、障害認定日による請求と、事後重症による請求の2つがあります。どちらに当たるかによって、年金を受け取り始める時期が変わります。まず、認定日による請求から見ていきます。
障害認定日に該当している場合の受け取り時期
障害認定日に法令の定める障害の状態にあるときは、認定日による請求ができます1。この請求では、障害認定日の翌月分から年金を受け取れます1。
請求書は、障害認定日以降いつでも出せます1。ただし、さかのぼって受け取れる年金は、時効により5年分が限度です1。
図の作成:Remogu編集部。障害認定日による請求と事後重症による請求の違いを整理したもので、統計データではありません
事後重症による請求の提出期限
障害認定日には法令の障害の状態に該当しなかった人でも、その後に症状が重くなって法令の定める障害の状態になったときは、事後重症による請求ができます1。この請求では、請求日の翌月から年金を受け取れます。
気をつけるのは、提出の期限です。事後重症による請求の請求書は、65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があります1。
請求した日の翌月分からの受け取りになるため、請求が遅くなると、年金を受け取り始める時期も遅くなります1。
どちらの請求も、受け取れるかどうかは、これまで確かめてきた初診日と保険料の要件を満たしていることが前提です。請求の時期を確かめたら、次は気になる金額を見ていきます。
6. 令和8年4月分からの年金額、1級1,059,125円・2級847,300円
要件を満たしていれば、次に気になるのは金額です。障害基礎年金の年金額を確かめます。
1級1,059,125円・2級847,300円
障害基礎年金の年金額は、令和8年4月分から、1級が1,059,125円です1。これは、昭和31年4月2日以後生まれの人の年金額です1。
2級は847,300円です1。1級と2級のどちらも、令和8年4月分からの金額で、昭和31年4月2日以後生まれの人に当てはまります1。
| 区分 | 年金額(令和8年4月分から・昭和31年4月2日以後生まれの人) |
|---|---|
| 1級 | 1,059,125円 |
| 2級 | 847,300円 |
| 子の加算額(2人まで) | 1人につき243,800円 |
| 子の加算額(3人目以降) | 1人につき81,300円 |
生計を維持されている子の加算
その人に生計を維持されている子がいるときは、年金額に加算があります1。加算額は、子が2人までは1人につき243,800円、3人目以降は1人につき81,300円です1。
加算の対象になる子は、18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子です1。
年金額と加算額を確かめたら、あとは、これまで見てきた要件を実際に満たしているかどうかです。次の節で、請求の前に確かめる点を順番に見ていきます。
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7. 請求の前に確かめる3つの点
請求する前には、あらためて確かめる点が3つあります。
確かめる3つ、初診日・保険料の納め方・障害の状態
1つ目は、初診日と、その日にどの年金へ加入していたかです。国民年金の加入期間などに初診日があれば、当てはまるのは障害基礎年金です1。厚生年金保険の被保険者である間に初診日があれば、障害厚生年金の側です2。
国民年金だけに加入して案件を受けてきた期間に初診日があるなら、障害基礎年金の要件を確かめます。受診した記録を振り返り、初診日がいつで、そのときどちらの年金に加入していたかをたどります。
2つ目は、保険料の納め方です。初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの期間で、保険料納付済期間と保険料免除期間をあわせて3分の2以上あるかを確かめます1。
この基準に届いていなくても、初診日が令和18年3月末日までのときで、初診日に65歳未満であれば、直近1年間に保険料の未納がなければ足ります1。2つの数え方のどちらかに当てはまれば、保険料の要件を満たします。
3つ目は、障害の状態です。障害認定日に、障害等級表の1級または2級に該当しているかどうかを確かめます1。
この3つを確かめても、それだけで受給が決まるわけではありません。障害認定日に該当しているかどうかや、請求の時期も関わります。この3つは、請求の前に確かめる入口です。
図の作成:Remogu編集部。請求の前に確かめる3つの点を整理したもので、統計データではありません
税の扱いの確認先、年金の通知と税務署
国税庁が示す非課税所得の主なものの一覧には、傷病者や遺族などの受け取る恩給、年金等が挙がっています3。
非課税所得は、所得金額の計算から除かれるため、非課税の適用を受けるための手続は原則として必要ありません3。当てはまるかどうかは、年金の通知や税務署で確かめます。
国民年金に加入している間に初診日があれば、当てはまるのは障害基礎年金で、等級は1級または2級です1。3級の区分があるのは、厚生年金保険の被保険者である間に初診日がある障害厚生年金の側です2。保険料は、免除の期間を含めて3分の2以上あるか1、初診日が令和18年3月末日までで、初診日に65歳未満のときは、直近1年間に未納がないかを確かめます1。受けられる障害年金は、初診日にどの年金に加入していたかで決まります。初診日の日付と、その前の保険料の納め方を確かめます。
8. よくある質問
障害認定日には障害の状態に当たらなかった場合、請求はできませんか
障害認定日に法令の定める障害の状態に該当しなかった人でも、その後に症状が重くなって該当したときは、事後重症による請求ができます1。
子の加算の対象になる子はどのような子ですか
18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子で、その人に生計を維持されているときに加算されます1。
障害認定日による請求では、いつまでさかのぼって受け取れますか
請求書は障害認定日以降いつでも提出できますが、さかのぼって受けられる年金は、時効により5年分が限度です1。
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出典・参考情報
*1 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」更新日:2026年4月1日(2026年・2026年10月確認)
*2 日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」更新日:2026年4月1日(2026年・2026年10月確認)
*3 国税庁「No.2011 課税される所得と非課税所得」[令和8年4月1日現在法令等](2026年・2026年10月確認)