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    アナリティクスエンジニアの業務委託で担う役割は?データマネジメント類型の3ロールとの違い

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    「アナリティクスエンジニア」を示す図です。整備/仕組み/活用を並べています。強調しているのは整備です。誰が使うかと添えています。

    📘 この記事でわかること

    • 2026年4月公表のデジタルスキル標準ver.2.0でデータマネジメント類型が新設されたことと、そこに置かれた3つのロール
    • データエンジニアがデータサイエンティスト類型から移されたことと、アナリティクスエンジニアの仕事を資料のロールの説明に照らす見方
    • 発注側の呼び方とのずれを確かめる順番と、整えたデータを誰が使うかで自分の役割を説明するやり方

    アナリティクスエンジニアとして業務委託の案件を受けようとした面談で、「データエンジニアの方ですか、分析の方ですか」と聞かれ、どちらとも言い切れずに言葉に詰まることがあります。dbtなどで分析用のデータを整える仕事は、どちらの名前にもすっぽり収まらないからです。役割の名前を選べなくても、「役割の名前より、整えたデータを誰が使うかで説明します」と答えれば、話は前に進みます。この記事では、2026年4月に公表されたデジタルスキル標準ver.2.0の新しい類型を手がかりに、この一言を支える整理を進めます。

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    1. アナリティクスエンジニアの業務委託で役割を説明する理由

    業務委託では、参画の前に、担う仕事の範囲をクライアントと言葉にして確かめます。そのとき役割の名前が食い違うと、同じ仕事を指していても話がずれます。アナリティクスエンジニアは、データエンジニアにも分析担当にも近く、名前だけでは範囲を決めにくい呼び名です。

    手がかりになる資料はあります。2026年4月に公表されたデジタルスキル標準ver.2.01には、アナリティクスエンジニアという役割名は出てきません。代わりに、データの整備を担う類型が新しく置かれました。

    一方、IPAが2026年7月に公表したDX動向2026調査のポイントでは、AI関連人材の充足状況について、データマネジメントの知見があり社内で企画・推進できる人材なども、不足しているとの回答割合が高いままです2。データを整える仕事の担い手に手が回っていない状況は、資料の側にも表れています。

    ただし、この調査が示すのは人材の充足状況に関する回答です。業務委託の案件の数や報酬を測ったものではないので、案件の探しやすさの根拠としては使いません。

    そこでこの記事は、2つの順で進めます。まず資料の側から、新しい類型とロールの中身を確かめます。次に、自分の仕事をその説明に照らし、発注側へ伝える順番を決めます。

    2. デジタルスキル標準ver.2.0で新設されたデータマネジメント類型

    ver.2.0の公表と類型の並び

    経済産業省とIPAは、個人の学習と企業の人材確保・育成の指針として、デジタルスキル標準(DSS)を策定しています。2026年4月には、データマネジメントに関する改訂などを行ったver.2.0が公表されました1。

    今回の改訂で目を引くのは、類型の追加です。データ・AI活用を推進するためのデータ整備や、その仕組み化、企業内の推進を担う類型として、データマネジメント類型が新設されました1。

    ver.2.0では、新設された類型を加えて、6つの類型が定義されています1。

    図1:ver.2.0の類型の並び
    ver.2.0の類型の並び 新しい類型が加わった 既存の類型 既存の類型 既存の類型 既存の類型 既存の類型 データマネジメント類型 新設

    出典:情報処理推進機構「デジタルスキル標準ver.2.0を公開」(2026年4月)をもとに作成

    新設された類型の守備範囲

    データ・AI活用を進めるために、データを整備すること、それを仕組みにすること、企業内で推進することが、この類型の役目として挙げられています1。中心にあるのは、分析の結果ではなく、分析に使うデータの側です。

    dbtなどで分析用のデータを整える仕事には、この「データ整備」と重なる部分があります。ただし、資料はアナリティクスエンジニアを名指しして分類しているわけではありません。どこまで重なるかは、ロールの記述と照らして確かめます。

    役割の説明を整えたら、次は案件の側を見ます。Remogu(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク案件特化のエンジニアマッチングで、案件の90%以上がフルリモート可能です3。

    3. データマネジメント類型の3つのロール

    3つのロールの名前

    データマネジメント類型には、データスチュワード、データエンジニア、データアーキテクトの3つのロールが定義されました1。

    資料は、この3ロールを、データの安全性や信頼性を確保するためのデータの整備や流通の仕組みの構築、データ活用の促進などを担うものとして、まとめて説明しています1。ロールごとの担当範囲の線引きは、この発表の記述には出てきません。

    ロールと資料にある担う内容

    3ロールの担う内容は、資料では1つの記述にまとまっています。そのため表では、記述を3ロールにまたがる1つのセルに入れました。発注側の呼び名と照らすときは、ロールの名前を当てはめる前に、この共通の説明にある「整備」「仕組みの構築」「活用の促進」のどれに近い仕事かを見ます。

    ロール資料にある担う内容
    データスチュワードデータの安全性や信頼性を確保するためのデータの整備や流通の仕組みの構築、データ活用の促進などを担う
    データエンジニア
    データアーキテクト
    表1:データマネジメント類型の3ロール

    ロール同士の細かな違いは、資料からは読み取れません。そのため、ロールの名前を役割の答えにするのではなく、担う作業を添えて話す準備が要ります。

    次に、3ロールのうちデータエンジニアの位置づけが、今回の改訂でどう動いたかを見ます。

    4. データエンジニアの位置づけが変わった

    統合の中身

    ver.2.0では、データマネジメント類型の新設に伴い、既存のデータサイエンティスト類型の中にあったデータエンジニアが削除され、データマネジメント類型に統合されました1。

    図2:データエンジニアの移動
    データエンジニアの移動 別の類型へ統合 データサイエンティスト類型 データエンジニア データマネジメント類型 データエンジニア

    出典:情報処理推進機構「デジタルスキル標準ver.2.0を公開」(2026年4月)をもとに作成

    つまり、データエンジニアという名前が消えたわけではなく、置かれる場所が変わりました。前の節で見たとおり、データマネジメント類型にはデータエンジニアのロールがあります1。

    分析の類型から離れた意味と、呼び名のずれ

    改訂の前は、データエンジニアはデータサイエンティスト類型の中に置かれていました。分析する人の類型の一部としてではなく、データを整備して流通させる側として位置づけ直された、と読めます。資料の上では、分析そのものより、データの整備や流通の仕組みに近い呼び名です。

    ただし、案件を出す側の呼び方が資料の改訂にそろっているとは限りません。呼び名と中身のずれは、案件ごとに確かめます。

    では、自分の仕事を3ロールの説明に照らすと、どう見えるのでしょうか。

    5. アナリティクスエンジニアの仕事を3ロールの説明に照らす

    自分の作業を問いに置き換える

    資料が3ロールについて書いているのは、共通の1つの記述だけでした1。そこで、dbtなどで分析用のデータを整える仕事を作業ごとに分け、その記述のどこに近いかを問いの形にしてみます。表の中身は資料の分類ではなく、この記事の整理です。

    自分の作業近いロールを確かめる問い
    分析に使うデータを、使いやすい形に整えるデータの整備に当たる作業が、仕事の中心か
    データが届いて使われるまでの流れを組むデータの流通の仕組みを構築する作業に当たるか
    データの品質や扱いの決まりを整えるデータの安全性や信頼性を確保する作業に当たるか
    使う側に、データの意味や使い方を伝えるデータ活用の促進に当たるか
    表2:作業と照らす問い(記事の整理)

    「はい」が付く位置が、そのまま説明の中心になります。複数に付くときは、中心になる作業を1つ選び、残りは補足として添えます。ロールの名前を口にするのは、そのあとです。

    資料は、アナリティクスエンジニアという役割名を挙げていません1。そのため、どのロールに当たるかは断定せず、「この作業は、資料のこの説明に近い仕事です」と作業の側から話します。

    スキルの側にある手がかり

    同じ発表は、「データ活用」カテゴリーを「データ整備・活用」と改め、「データマネジメント」サブカテゴリーとして6個のスキルを新設しています1。スキル名は今回の資料に出てこないので、ここでは書きません。

    言えるのは、カテゴリーの名前に「整備」が入った点です。自分の経験を話すときも、分析の腕前とは別に、データを整えた経験を1つの項目として切り出せます。

    次は、データを整える仕事の担い手がどんな状況にあるかを、別の資料で見ます。

    6. データ整備を担う人材の状況

    調査が取り上げた人材

    IPAのDX動向2026調査のポイントは、AI関連人材の充足状況を取り上げています。その中で、データマネジメントの知見があり社内で企画・推進できる人材なども、不足しているとの回答割合が高いままとされています2。

    図3:データ整備を担う人材の状況
    データ整備を担う人材の状況 データ整備の人材に不足の回答 AI関連人材の 充足状況 データマネジメントの 知見がある人材など 不足との回答割合 高いまま

    出典:情報処理推進機構「DX 動向 2026」(2026年7月)をもとに作成。割合の数値は示していません

    資料の言葉を見ると、「データマネジメント」「企画・推進」は、前の節で見た類型の新設の説明にも出てきました1。データを整え、社内で進める役目を指す言葉が、類型の側と人材の側とで重なっています。

    この調査から言えることと言えないこと

    この調査が示すのは、人材の充足状況に関する回答です。業務委託の案件の数や、報酬の水準を測ったものではありません。そのため、「案件が増えている」「条件がよくなる」とまでは読めません。

    資料のこの箇所に、割合の数字は載っていません。この記事でも数字は書かず、「不足しているとの回答割合が高いまま」という資料の言い方のまま使います。

    役割を説明する側から見ると、使える材料は「データを整える担い手が求められている領域だ」という方向までです。自分が担う範囲を決めるのは、この資料ではなく、案件ごとの話し合いです。その順番を、次の節で組みます。

    7. 案件で役割を確かめる順番

    4つの確認と、その順番

    案件の説明を読んだり、面談で聞かれたりしたとき、確かめたいことは4つあります。順番にも意味があります。名前の話に入る前に、仕事の中身から先に決めます。

    順番確かめること手がかり
    1整えたデータを、誰が使うかデータ活用の促進に近いかを見る(資料の3ロールの説明1)
    2どのロールの説明に近いか整備・仕組みの構築・活用の促進のどれが中心かを見る1
    3発注側の呼び方との、ずれデータエンジニアは類型が移されている1。呼び名と中身は案件ごとに照らす
    4契約で担う範囲資料の外。契約書とクライアントとの協議で言葉にする
    表3:役割を確かめる4つの確認

    1つ目は、整えたデータの使い手です。分析の担当者なのか、事業部なのか、AIの開発側なのかを聞くと、仕事の向かう先が見えます。ここが答えられれば、冒頭の面談の問いにも、名前を選ばずに答えられます。

    2つ目は、表2の問いで整理した作業を、3ロールの共通の説明に当てる段階です。ロールの違いまでは資料からは読み取れないので、「整備」「仕組みの構築」「活用の促進」のどれが中心かまでで止めます。

    図4:確かめる順番
    確かめる順番 名前より先に使い手を聞く 1 整えたデータの利用者 2 近いロールの説明 3 発注側の呼び名 4 契約で担う範囲

    図の作成:Remogu編集部。確認の順番を整理したもので、統計データではありません

    3つ目は、発注側の呼び方とのずれです。資料の上でデータエンジニアは類型が移されました1が、案件の呼び名が改訂にそろっているとは限りません。案件の文面にある名前と、実際の作業の中身を並べて読みます。

    4つ目は契約です。資料は人材の不足を伝えていますが2、担う範囲の広がりまでは伝えていません。範囲は、クライアントと協議して言葉にし、契約書の文面で確かめます。

    面談で言葉に詰まったとき

    冒頭の面談に戻ります。「データエンジニアの方ですか、分析の方ですか」と聞かれたら、名前を選ばずに、整えたデータを誰が使うかを先に答えます。「役割の名前より、整えたデータを誰が使うかで説明します」と切り出し、そのあとで、近い作業と範囲を添えます。

    名前の選択に迷う必要はなくなり、話は仕事の中身へ進みます。リモートで参画できる案件を見ながら、自分の経験に合う条件を確かめたいときは、まず登録して案件の情報を見てみてください。気になる案件の説明を、この4つの確認に当てはめて読み直すと、問い合わせる点も決まります。

    8. よくある質問

    デジタルスキル標準にアナリティクスエンジニアは載っていますか

    今回の資料には、アナリティクスエンジニアという役割名は載っていません1。データマネジメント類型には、データスチュワード、データエンジニア、データアーキテクトの3ロールが定義されています1。自分の仕事を説明するときは、役割名の欄を探すより、作業を3ロールの共通の説明に照らします。

    データエンジニアとの違いは何ですか

    資料の上では、データエンジニアはデータマネジメント類型のロールの1つです1。以前はデータサイエンティスト類型にあり、今回データマネジメント類型に統合されました1。アナリティクスエンジニアとの違いを、資料は述べていません。案件ごとに、担う作業と範囲を比べて判断します。

    データマネジメントのスキルはどこで確かめられますか

    2026年4月に公表されたデジタルスキル標準ver.2.01で、「データ整備・活用」カテゴリーの中にデータマネジメントのサブカテゴリーが新設され、6個のスキルが置かれています1。スキルの名前と中身は、IPAの公開資料で確かめます。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 情報処理推進機構「デジタルスキル標準ver.2.0を公開」(2026年4月・2026年10月確認)
    *2 情報処理推進機構「DX 動向 2026」(2026年7月・2026年10月確認)
    *3 Remogu(株式会社LASSIC運営)公開情報:扱う案件の90%以上がフルリモート可能