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    二地域居住はフリーランスでも始められる?国の制度と拠点を持つ前に確かめる4つの準備

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    山の緑が見える古民家の縁側に、開いたノートパソコンとコーヒーが置かれた写真です。都市と地方の2つの拠点で働く場面を表しています。

    📘 この記事でわかること

    • 令和6年11月1日に施行された改正法が二地域居住者向けに何を整えるものかと、二地域居住そのものの定義
    • 地域と二地域居住者の橋渡しを担う特定居住支援法人と、官民のマッチングを行うプラットフォームの役割
    • 情報収集から短期の滞在、費用と移動手段、家族やパートナーとの合意、地域の決まりごとまで、拠点を持つ前に取る準備の順番

    案件のオンライン会議を終えた夕方、窓の外を見ながら、海の近くにもう一つ机を置く暮らしを考え始めました。移住ではなく、いまの拠点を残したままもう一つ拠点を持つ形ですが、何から手をつけ、どこに相談すればよいのかが分かりません。この記事は、二地域居住をフリーランスのエンジニアが考えるときの国の制度と準備を、国土交通省の資料から整理します。答えを一言にすると、拠点を決める前に、短く滞在して、その地域の決まりと支援を確かめます。

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    1. フリーランスが二地域居住を確かめる理由

    住む場所を考える手がかりの一つが、案件がリモートで進むかどうかです。Remogu(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク案件特化のエンジニアマッチングで、案件の90%以上がフルリモート可能です1。

    ただし、拠点を増やす準備は、案件の探し方とは別の話です。二地域居住とは、普段の生活拠点とは別の地域での住まいや生活拠点を持つ暮らしのスタイルで、複数の地域に生活の拠点がある暮らし方も含みます2。

    国も、二地域居住のための環境整備を内容とする法律の改正を行っています3。次は、その改正法が何を内容としているのかです。

    2. 二地域居住と令和6年の改正法

    改正法の施行日と内容

    国土交通省によると、二地域居住者向けの住まい・なりわい・地域住民との交流のための環境整備等を内容とする改正法が、令和6年11月1日から施行されました3。改正されたのは、広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律です。

    この内容は、二地域居住をする人のための環境を整える法律という位置づけです。国の令和8年度の二地域居住先導的プロジェクト実装事業も、地方公共団体と民間事業者・団体等のコンソーシアムの取組を支援するもので4、交通運賃や宿泊費等の二地域居住者への直接的な補助は除かれています4。国の事業で整うのは、二地域居住者が使う場の側です。

    二地域居住の定義

    国土交通省の一般向け資料は、二地域居住を、普段の生活拠点とは別の地域での住まいや生活拠点を持つ暮らしのスタイルと説明しています2。複数の地域に生活の拠点がある暮らし方も含むため、拠点は二つに限られません。

    図1:二地域居住の捉え方
    拠点は一つとは限らない 普段の生活拠点 これまでの拠点 + 別の地域の拠点 住まいや生活拠点

    図の作成:Remogu編集部。国土交通省の資料の内容を整理したもので、統計データではありません

    改正法の内容と定義が分かったところで、次は、拠点を考え始めた人が相談できる先を見ていきます。

    3. 相談先になる特定居住支援法人とプラットフォーム

    では、拠点を考え始めた人は、だれに相談できるのでしょうか。国の資料に出てくる枠組みが二つあります。

    特定居住支援法人

    国土交通省によると、特定居住支援法人は、地域と二地域居住者の橋渡しを担う中間支援組織です3。二地域居住をする人と地域の間に立つ組織として位置づけられています。

    全国二地域居住促進官民連携プラットフォーム

    もう一つは、優良事例の横展開や官民のマッチングなどを行う「全国二地域居住促進官民連携プラットフォーム」です。令和6年10月29日に設立されました3。

    窓口ごとの役割

    特定居住支援法人は地域と二地域居住者の橋渡しを担い、プラットフォームは優良事例の横展開や官民のマッチングなどを行います。候補地の自治体は、支援内容を知るための情報源として資料に出てきます。三つの役割を並べると次のとおりです。

    窓口役割
    特定居住支援法人地域と二地域居住者の橋渡しを担う中間支援組織3
    全国二地域居住促進官民連携プラットフォーム優良事例の横展開や官民のマッチングなどを行う組織3
    候補地の自治体支援内容等を知る先2

    個人がどの窓口に直接相談できるかは、この資料には書かれていません。候補地の自治体に確かめます。次は、候補地の情報をどう集め、どう滞在するかです。

    4. 候補地の情報を集め、短く滞在する

    情報を集める

    国土交通省の一般向け資料は、候補地となる地域の状況や自治体の支援内容等を知ることで可能性が広がるとして、情報収集を勧めています2。まず知るのは、地域の状況と、自治体の支援内容です。

    自治体の支援内容そのものは、この資料には書かれていません。候補地の自治体に確かめます。

    短期間の滞在で体験する

    同じ資料によると、短期間でも実際に訪問し居住してみることで、土地の雰囲気や暮らしぶりを体験できます2。情報を集めたあとに、実際に訪ねる段階です。

    たとえば、資料の実践者インタビューでは、フリーランスの実践者が、インターネット環境の整った市の「お試し住宅」に滞在した例が紹介されています2。同じ国の事業では、補助対象にお試し居住施設・コワーキングスペース等の整備や、インターネット環境の構築が含まれています4。候補地にこうした施設があるかどうかは、自治体の案内で確かめます。

    図2:準備の進め方
    知ってから訪ね、暮らしを描く 情報収集 自治体の支援内容 訪問・滞在 短期間の体験 構想 二地域の生活環境

    図の作成:Remogu編集部。国土交通省の資料の内容を整理したもので、統計データではありません

    次は、費用と移動手段、家族やパートナーとの合意です。

    5. 費用と移動手段、家族やパートナーとの合意

    国土交通省の資料が挙げる準備

    国土交通省の一般向け資料によると、二地域居住の実現に向けて、二地域双方での生活環境をイメージし、費用や移動手段を考え、家族やパートナーの合意を得ることが必要です2。情報収集と短期の滞在を終えたあとに、この三つを机の上に並べる段階がきます。

    資料が求めているのは、二つの拠点のどちらについても暮らしを思い描くことです。普段の拠点の暮らしを残したまま、もう一つの拠点の暮らしを重ねて考えます。

    書き出す項目

    費用の具体的な額や、移動手段ごとの比較は、この資料には書かれていません。そのため、金額を決めるのは候補地を決めたあとの仕事です。

    家族やパートナーの合意は、費用や移動手段と同じ並びで挙げられています。書き出した項目を、そのまま話し合いの材料にします。

    図3:二地域居住の準備項目
    四つを並べて書き出す 生活環境 二地域の双方 費用 考える項目 移動手段 考える項目 合意 家族・パートナー

    図の作成:Remogu編集部。国土交通省の資料の内容を整理したもので、統計データではありません

    次は、住まいの選び方と、地域の決まりごとです。

    6. 住まいの選び方と地域の決まりごと

    住宅を持たない拠点の形

    もう一つの拠点は、住宅とは限りません。国土交通省の一般向け資料によると、住宅ではなく、宿泊施設やワーケーション施設等を利用して中長期・断続的に暮らす方法もあります2。

    資料の実践者インタビューには、業務委託に切り替え、宿泊施設を併設するコワーキングスペースの月額会員になって、リモートでSEの仕事をしながら、月に1回程度行き来している例が紹介されています2。この例は、資料が紹介している一つの暮らし方です。

    先に見たフリーランスの実践者の例では、インターネット環境の整った市の「お試し住宅」に滞在しています2。拠点の形は一つに決まっておらず、資料が示す例を並べると次のとおりです。

    拠点の形資料での紹介
    宿泊施設・ワーケーション施設の利用住宅ではなく、中長期・断続的に暮らす方法2
    宿泊施設を併設するコワーキングスペースの月額会員リモートでSEの仕事をしながら、月に1回程度行き来している実践者の例2
    市の「お試し住宅」への滞在インターネット環境の整った市で滞在したフリーランスの実践者の例2

    地域の基本的なルール

    住まいの形が決まったら、次は暮らす地域の決まりごとです。国土交通省の一般向け資料は、ゴミ出し方法や集落の慣習・共同作業などの生活の基本的なルールを確認し、地域の方々の理解を得ることを勧めています2。

    ゴミ出しや共同作業は、案件の進め方とは別の、暮らしの側のルールです。拠点ごとのルールの中身は資料に書かれていないので、候補地の自治体に確かめます。

    次は、準備を拠点を持つ前に確かめる順番に並べます。

    7. 拠点を持つ前に確かめる順番

    四つの確認と資料の位置づけ

    資料の準備を、取りかかる順に並べると四つになります。自治体の支援内容を調べ、短期間滞在し、費用と移動手段を書き出し、最後に地域の決まりごとを確かめます。

    順番確かめること資料の位置づけ
    1候補地の自治体の支援内容地域の状況や自治体の支援内容等を知る情報収集2
    2短期間の滞在土地の雰囲気や暮らしぶりを体験する2
    3費用と移動手段家族やパートナーの合意とともに考える2
    4地域の決まりごとゴミ出し方法や集落の慣習・共同作業を確認する2

    資料が準備の順番を番号で示しているわけではありません。この並びは、国土交通省の資料の記述を取りかかる順に並べ直したものです。順番どおりに進めるかどうかは、候補地の状況によって変わります。

    図4:拠点を持つ前の確認
    上から順に一つずつ 1 自治体の支援内容 調べる 2 短期間の滞在 体験する 3 費用と移動手段 書き出す 4 地域の決まりごと 確かめる

    図の作成:Remogu編集部。国土交通省の資料の内容を整理したもので、統計データではありません

    拠点を決める前の一歩

    案件のオンライン会議を終えた夕方に思い描いた、海の近くのもう一つの机は、すぐに契約を決めなくても近づけます。国の資料が先に挙げているのは、地域の状況や自治体の支援内容を知ることと、短期間の訪問です。

    支援内容の中身や費用の額は、候補地の自治体に確かめる部分です。国の事業は場を整える側を支えるもので、交通運賃や宿泊費の直接の補助は除かれています4。国土交通省の資料が示すのは、確かめる項目までです。

    拠点をどこに置くかを考えるのと並べて、リモートで参画できる案件の条件も見ておくと、暮らし方を組み立てる材料が増えます。拠点を決める前に、短く滞在して、その地域の決まりと支援を確かめます。

    8. よくある質問

    二地域居住で国から補助金は出ますか

    国土交通省によると、令和6年11月1日に施行された改正法の内容は、二地域居住者向けの住まい・なりわい・地域住民との交流のための環境整備等です3。国の令和8年度の先導的プロジェクト実装事業では、交通運賃や宿泊費等の二地域居住者への直接的な補助は除かれています4。自治体が独自に設ける支援の有無は、候補地の自治体に確かめます。

    住宅を買わずに始められますか

    国土交通省の一般向け資料によると、住宅ではなく、宿泊施設やワーケーション施設等を利用して中長期・断続的に暮らす方法もあります2。住宅を買う以外の拠点の形が、資料に挙げられています。

    住民票はどちらに置きますか

    参照した国土交通省の資料には、住民票の扱いは書かれていません。国の事業の重点テーマには、ふるさと住民登録制度との連携に向けた取組が挙げられています4。税金や各種の手続きにも関わるため、候補地の自治体に確かめます。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 Remogu(株式会社LASSIC運営)公開情報:扱う案件の90%以上がフルリモート可能
    *2 国土交通省「二地域居住をはじめよう」(2025年・2026年10月確認)
    *3 国土交通省「二地域居住の推進」(2026年・2026年10月確認)
    *4 国土交通省「二地域居住先導的プロジェクト実装事業」(2026年・2026年10月確認)