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    個人事業主の12月の売上はどの年に入る|翌月入金の報酬と未収入金・前受金の扱いを解説

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    12月の卓上カレンダーと、クリップで留めた請求書の束、みかんが置かれた机の写真です。年末の売上と入金の時期を確かめる場面を表しています。

    📘 この記事でわかること

    • 代金をまだ受け取っていなくても、本年中に売り上げた分は本年の収入金額になることと、請求書を出していない分の扱い
    • 引き渡しの前に受け取る前受金が本年の収入金額から除かれることと、未払経費・前払経費が経費の側でどう扱われるか
    • 国税庁の資料にある20日締めの具体例を、自分の契約の締めに置き換えて、年末に確かめる順番

    大みそかの夜、会計ソフトを開くと、12月に稼働した分の報酬がまだ口座に届いていません。入金は1月の予定です。この分は今年の売上に入れるのか、来年の売上に入れるのか、手が止まったことはありませんか。答えは一つの基準にまとまります。入金の日ではなく、その年に売り上げたかどうかで売上の年を決めます。

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    1. 12月の売上の年を確かめる理由

    決算が見るのは1年間の区切り

    国税庁の資料によると、決算とは、1年間の損益である所得を計算するために、日々の取引を記録した帳簿を締め切り、必要な修正を加えた後、決算書を作成する一連の手続です1。年末は、この帳簿を締め切る時期にあたります。

    そのため、12月に稼働した分の報酬が翌年に入金される場合は、帳簿を締め切る前後のどちらに数えるかを決める作業が出てきます。月末締めで翌月払いの契約なら、12月分は毎年この場面を迎えます。

    帳簿に載った日付と本年分は一致しない

    同じ資料は、記帳したものの中には前受金や前払経費のように本年分にならないものがあり、記帳されていなくても未収入金や未払経費のように本年分になるものがあると説明しています1。帳簿に書いた日付や、口座に動きがあった日付だけでは、本年分かどうかは決まりません。

    ただし、確かめる順番は決めておくと迷いません。まず収入の側から見ます。次の節では、代金をまだ受け取っていない12月分の報酬を扱います。

    2. 代金を受け取っていなくても今年の売上

    本年中に売り上げたかどうかが基準

    国税庁の資料は、掛け売りなどのようにまだ代金を受け取っていなくても、本年中に売り上げたものは全て本年分の収入金額として計上する必要があると書いています1。条件になっているのは「本年中に売り上げたか」で、「代金を受け取ったか」は条件に入っていません。

    12月に売り上げた分が1月に入金される場合も、この文言に当てはまります。売上と入金は別々の日付を持つ出来事です。売上の年を決めるのは売上のほうの日付で、入金の日は決める材料になりません。

    図1:12月の売上と1月の入金の時間軸
    12月の売上と1月の入金の時間軸 入金が翌年でも売上の年は動かない 本年 翌年 12月に売り上げ 1月に入金 本年分の売上 売上の年を決めない

    図の作成:Remogu編集部。国税庁の資料の考え方を整理したもので、統計データではありません

    稼働した月の報酬がいつ売り上げたことになるか

    一方で、エンジニアの報酬には、納品物を引き渡す契約もあれば、稼働した期間に応じて支払われる契約もあります。稼働した月の報酬が「いつ売り上げたもの」になるかは、国税庁のこの資料には書かれていません。

    自分の契約でどの日を売上の日と見るかは、税務署か税理士に確かめる事柄です。確かめるときは、契約書の検収や締めの条文、請求書の日付、稼働を報告した日を手元に並べておくと、話が早く進みます。

    次の節では、請求書をまだ出していない12月の納品分が、帳簿でどう扱われるかを見ます。

    3. 未請求でも計上する未収入金

    年内に納品した分は請求書の有無を問わない

    国税庁の資料は、毎月20日締め、25日請求、翌月10日入金という具体例を挙げています。この例では、年内に納品している分について、未請求であっても売掛金(売上)を計上します1。

    請求書を出した日は、売上の年を決める条件に入っていません。20日の締めのあとに納品した分は、請求書がまだ存在しません。それでも年内の納品なら、その年の売上として帳簿に載せます。

    未収入金の位置づけも確かめておきます。資料は、記帳されていなくても本年分になるものの例に未収入金を挙げています1。請求も記帳も済んでいない分が、帳簿の外に残りやすいのはこのためです。

    12月31日付の記帳と、1月分での除き方

    具体例では、12月21日から12月31日までの納品分100,000円を、12月31日付で売掛金として記帳しています1。締めの日ではなく、年の最後の日付で区切る形です。

    この100,000円は、翌月に請求書を出すときに再び現れます。資料の例では、1月分の売掛金を記帳するときに、12月の納品額100,000円を除いた額を記帳します。翌年の決算時に調整してもよいとも書かれています1。同じ納品分を2年にわたって二重に載せないための手当てです。

    期間ごとの記帳の日付

    資料の具体例を、期間、納品分、記帳の日付の3つに分けて並べます。年内に納品した分は12月31日付で売掛金に載り、1月分を記帳するときは12月の納品額を除きます。年またぎの帳簿は、この2つの動きで読めます。

    期間納品分記帳の日付
    年内の納品分未請求でも対象売掛金(売上)を計上
    12月21日から12月31日100,000円12月31日付で売掛金として記帳
    1月分の記帳時12月の納品額100,000円を除いた額翌年の決算時に調整してもよい

    この表は資料の具体例そのものです。自分の締め日が20日と違う場合の置き換え方は、第6節で扱います。次の節では、受け取ったのに売上にならないお金を見ます。

    4. 前受金は今年の売上から除く

    引き渡しの前に受け取ったお金

    収入の側には、第2節と反対の向きの扱いもあります。国税庁の資料によると、引き渡しに先立って受け取っている前受金などは、本年中の収入金額とはならないため、収入金額から除きます1。

    代金を受け取っていなくても売上になる分があり、代金を受け取っていても売上にならない分があります。どちらも、売上の年を決めるのが入金の日ではないことを示しています。

    図2:前受金の位置
    前受金の位置 受け取っただけでは売上に入らない 引き渡し前の前受金 本年中に売り上げた分 収入金額から除く 本年分の収入金額

    図の作成:Remogu編集部。国税庁の資料の考え方を整理したもので、統計データではありません

    自分の入金に前受金が混ざっていないか

    12月の入金のうち、引き渡しの前に受け取った分がないかを、入金の明細と契約の内容で見比べます。同じ口座に入った12月の入金でも、売り上げた分の入金と前受金とでは、収入金額に入るかどうかが分かれます。

    自分の契約の支払いが「引き渡しの前」に当たるかどうかの線引きは、この資料には書かれていません。判断に迷う入金があるときは、税務署か税理士に契約の内容を見せて確かめます。

    収入の側の整理は以上です。次は、経費の側にも同じ年またぎがあることを見ます。

    5. 経費の側の未払経費と前払経費

    払っていなくても本年分になる未払経費

    国税庁の資料によると、本年分の地代家賃などで未払いのものは、未払経費として本年分の必要経費に計上します1。12月分の家賃を1月に払う場合でも、12月分は本年分の側で数えます。

    収入の側と向きは同じです。口座からお金が出た日ではなく、その費用が本年分かどうかで数えます。売上の年も経費の年も、現金が動いた日には左右されません。

    少額な経費は支払った額だけでも差し支えない

    ただし、未払いのものを全て整理しなければならないわけではありません。資料は、少額な経費については、未払いの整理をしないで、実際に支払った金額だけを必要経費にしても差し支えないとしています1。

    何円までが少額に当たるかは、この資料の文言からは決められません。自分の経費がこの扱いに当たるかどうかは、税務署か税理士に確かめます。

    翌年分以後は前払経費として分ける

    反対向きの扱いが前払経費です。資料によると、本年中に支払った経費のうち翌年分以後の期間に対応する部分は、前払経費として翌年分以後の経費に計上します1。年内に払い終えていても、使う期間が翌年にかかる部分は本年の経費から外れます。

    この扱いには例外が書かれています。支払った金額が1年以内の期間のものであるときは、その年分の必要経費にしても差し支えありません1。期間が1年以内かどうかは、利用の始まりと終わりを契約書や請求書で見て確かめます。

    図3:経費の年またぎ、未払いと前払い
    経費の年またぎ、未払いと前払い 払った日ではなく本年分かどうか 未払経費 前払経費 本年分の必要経費 翌年分以後の経費 少額なら支払った額だけでも可 1年以内の期間なら本年分でも可

    図の作成:Remogu編集部。国税庁の資料の考え方を整理したもので、統計データではありません

    収入の側で見た20日締めの具体例を、次の節では自分の契約の締めに置き換えます。

    6. 20日締めの具体例を自分の締めに置き換える

    資料の日付を自分の契約の日付に移す

    資料の具体例は、毎月20日締め、25日請求、翌月10日入金です1。自分の契約では、締め日と請求日と入金日がそれぞれ何日なのかを書き出し、資料の例の日付の位置に一つずつ移します。

    日付が変わっても動かない軸があります。年内に納品している分は、未請求であっても売掛金(売上)を計上する、という軸です1。締めが月末でも15日でも、12月31日が近づいたときに洗い出す対象は、年内に納品したのに請求書が出ていない分です。

    資料の例と自分の締めの対応

    下の表は、資料の例に出てくる日付と記帳を左に、自分の契約で書き出す項目を右に置いたものです。12月31日付の100,000円は資料の数字なので、自分の金額に読み替えて使います。

    項目資料の例自分の締め
    締め日毎月20日自分の契約の締め日
    請求日25日請求書を出す日
    入金日翌月10日入金の予定日
    年内の納品で未請求の分売掛金(売上)を計上年内に納品した分を洗い出す
    12月31日付の記帳12月21日から12月31日の納品分100,000円自分の締めの翌日から12月31日までの納品分
    1月分の記帳時12月の納品額100,000円を除いた額12月に計上した分を除く

    置き換えても資料が答えていない部分

    資料の具体例は、納品した分の扱いを述べています。稼働した月の報酬を、どの日に売り上げたものと見るかは、資料に書かれていません。自分の契約の検収や締めの扱いは、税務署か税理士に確かめます。

    では、年末にはどの順番で確かめれば迷わないのでしょうか。

    7. 年末に確かめる順番

    収入から経費へ、4つの項目

    収入の側から先に見て、経費の側に移り、最後に自分の契約の扱いを確かめます。下の表は、各項目で資料が言っていることを並べたものです。最後の項目だけは、資料に答えがなく、確かめる先が決まっています。

    順番確かめるもの資料の扱い
    112月中に売り上げて未入金の分代金を受け取っていなくても、本年中に売り上げた分は本年分の収入金額1
    2前受金引き渡しに先立って受け取った分は、収入金額から除く1
    3未払経費と前払経費未払経費は本年分の必要経費。前払経費は翌年分以後の経費で、1年以内の期間のものはその年分でも差し支えない1
    4自分の契約の締めと検収この資料には書かれていません。税務署か税理士に確かめる
    図4:年末に見る4つの項目
    年末に見る4つの項目 収入から経費へ、上から順に 12月中に売り上げて未入金の分 1 前受金 2 未払経費と前払経費 3 契約の締めと検収 4

    図の作成:Remogu編集部。国税庁の資料の考え方を整理したもので、統計データではありません

    大みそかの画面に戻ると

    1月に入金される12月分の報酬を前にして、手が止まる原因は、入金の日付を見ていたからでした。確かめる対象は日付ではなく、その分を本年中に売り上げたかどうかです。上の4つを順に見れば、この問いは資料の言葉に戻せます。

    年またぎの確認は、案件ごとに契約の締めと入金の日付を並べるところから始まります。Remogu(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク案件特化のエンジニアマッチングで、案件の90%以上がフルリモート可能です2。次の案件を探すときは、リモートで参画できる案件を見て、自分の経験に合う条件を確かめてみてください。

    口座を見て手が止まったときは、基準を一つだけ思い出します。入金の日ではなく、その年に売り上げたかどうかで売上の年を決めます。自分の契約の締めと検収の扱いだけは、税務署か税理士に確かめます。

    8. よくある質問

    1月に入金される12月分の報酬はどちらの年ですか

    国税庁の資料は、代金を受け取っていなくても、本年中に売り上げたものは全て本年分の収入金額として計上する必要があると書いています1。12月に売り上げた分なら、1月の入金でも本年分の側です。

    資料の具体例では、年内に納品している分は未請求でも売掛金(売上)を計上します1。自分の契約で稼働した月の報酬がいつ売り上げたものになるかは、税務署か税理士に確かめます。

    請求書をまだ出していない分も今年の売上ですか

    資料の具体例では、年内に納品している分は、未請求であっても売掛金(売上)を計上します1。12月21日から12月31日までの納品分100,000円は、12月31日付で売掛金として記帳されています1。

    請求書を出す日は条件に入っていません。年内の納品かどうかで見ます。

    年をまたぐ1年分のサービス利用料はどうしますか

    資料によると、本年中に支払った経費のうち翌年分以後の期間に対応する部分は、前払経費として翌年分以後の経費に計上します。ただし、支払った金額が1年以内の期間のものであるときは、その年分の必要経費にしても差し支えありません1。

    自分の利用料がこの1年以内の期間に当たるかどうかは、利用の始まりと終わりの日付で見ます。判断に迷うときは、税務署か税理士に契約の内容を見せて確かめます。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 国税庁「青色申告決算書(一般用)の書き方」(2025年10月・2026年10月確認)
    *2 Remogu(株式会社LASSIC運営)公開情報:扱う案件の90%以上がフルリモート可能