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    UE5のフリーランスが3D都市モデルを扱う手順|PLATEAU SDKの始め方と注意点を解説

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    暗めの作業部屋で、大きなモニターに高層ビルが並ぶ3D都市モデルが映っている写真です。3Dの街並みを開発する場面を表しています。

    📘 この記事でわかること

    • CityGMLが情報交換の中間フォーマットであり、そのままゲームエンジンで使うのは一般的でないことと、その間をつなぐPLATEAUSDKforUnrealの役割
    • ローカルのファイルとサーバーのどちらから読み込むかの分かれ道と、手順書の画面が自分の画面と違って見えるときの考え方
    • データの3種と属性、地物の数と、変換先の形式を踏まえて、UE5で3D都市モデルを扱う前に確かめる順番

    UE5のフリーランスエンジニアとして、PLATEAUのポータルからCityGMLのファイルをダウンロードし、コンテンツブラウザへドラッグしようとして、拡張子.gmlの前で手が止まりました。ゲームのアセットなら迷わず取り込めるのに、国の3D都市モデルはどこから触ればよいのか分かりません。つまずく原因は、CityGMLが「渡すための形式」だからです。CityGMLは渡すための形式なので、SDKで読み込んでから使います。

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    1. UE5のフリーランスがPLATEAUを確かめる理由

    ゲームエンジンで直接扱える国の3Dデータ

    国土交通省のユースケース開発マニュアルによると、PLATEAU SDKを用いると、主要ゲームエンジンであるUnity及びUnreal Engineで、3D都市モデルを直接ダウンロードして変換し、利用できます1。UE5で制作してきた経験の延長に、国の3D都市モデルを扱う道が開かれていることになります。

    たとえば、景観まちづくりDXの事例では、都市の景観と開発を調和させるための検討支援ツールが、ゲームエンジンを用いて開発されています1。ゲームの外でもゲームエンジンが使われた例として、この記事の入口に置きます。

    この記事が頼る2つの資料

    頼る資料は、国土交通省が2026年3月に発行した2つのマニュアルです。データ変換マニュアルは、PLATEAU SDK for Unrealを利用してCityGMLを3Dファイル形式に変換する方法を、章として示しています2。

    もう一方のユースケース開発マニュアルは、データの構造や利用の考え方を扱い、データを大きく3種に分けて説明しています1。どちらの資料にも書かれていない操作や機能は、この記事でも取り上げません。では、最初の関門になるCityGMLとは何でしょうか。

    2. CityGMLは中間フォーマット

    そのままゲームエンジンに入れない理由

    ユースケース開発マニュアルは、CityGML 2.0形式を、情報交換のための中間フォーマットと説明しています。そのままゲームエンジンなど各種ソフトウェアで用いるのは一般的ではないとも書かれています1。

    そのため、.gmlのファイルをコンテンツブラウザへ運ぶ前に、間にSDKを置く流れを前提にします。冒頭の「渡すための形式」は、この中間フォーマットという位置づけを言い換えた表現です。

    ポータルから手に入る形式

    3D都市モデルは、G空間情報センターのPLATEAUポータルサイトから、CityGML形式のファイルをダウンロードして利用できます2。入口で手に入るのは、変換前の、渡すための形式です。

    一方、ユースケース開発マニュアルには、PLATEAU SDKを使うとUnreal Engineで直接ダウンロードし、変換して利用できると書かれています1。ダウンロードから変換までをSDKの中で進める道も、資料には示されています。

    図1:CityGMLからゲームエンジンへ届くまでの流れ
    CityGMLからゲームエンジンへ届くまでの流れ 間にSDKが入る CityGML 中間フォーマット PLATEAU SDK 読み込みと変換 ゲームエンジン Unreal Engine

    図の作成:Remogu編集部。国土交通省のマニュアルの記載を整理した概念図で、統計データではありません

    次は、そのSDKが資料でどう説明されているかです。

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    3. PLATEAU SDK for Unrealとは

    公開の経緯と利用料

    データ変換マニュアルによると、PLATEAU SDK for Unity/Unrealは、2022年度から開発・OSSとして公開されています2。UE5向けのSDKは、国土交通省の資料のなかに、手順つきで登場するツールです。

    利用料については、ユースケース開発マニュアルが、PLATEAU SDKを無料で利用できるOSSと説明しています1。有料のツールを探し回る必要はなく、資料が示すSDKをそのまま入口にできます。

    取り込める範囲と対応するゲームエンジン

    同じマニュアルは、3D都市モデルの全ての地物を、オブジェクトとしてゲームエンジンに取り込めると書いています1。特定の建物だけに限らない、という範囲の広さが示されています。

    対応するゲームエンジンについては、前の節でも触れたとおり、Unity及びUnreal Engineで直接ダウンロードし、変換して利用できるとされています1。UE5で使うときも、この記載の範囲で考えます。

    SDKについて資料が書いている内容

    表では、SDKについて資料が書いている内容を、項目ごとに並べています。公開の時期と利用料、対応するゲームエンジン、取り込める地物の4点です。どれも2026年3月発行のマニュアルの記載で、ここに書かれていない機能や条件は含めていません。UE5側の細かな操作は資料にないため、個別の手順は手順書で確かめます。

    項目資料の記載
    公開の時期2022年度から開発・OSSとして公開2
    利用料無料で利用できるOSS1
    対応するゲームエンジンUnity及びUnreal Engineで直接ダウンロードし、変換して利用1
    取り込める地物3D都市モデルの全ての地物をオブジェクトとして取り込める1

    SDKの位置づけが分かったところで、次は、SDKのウィンドウから何を選ぶのかです。

    4. ローカルとサーバーからの読み込み

    メニューバーから開くPLATEAU SDKのウィンドウ

    データ変換マニュアルによると、Unreal EngineではメニューバーからPLATEAU SDKのウィンドウを開き、ローカルまたはサーバーのどちらからインポートするかを選びます2。最初の分かれ道は、このウィンドウでの選択です。

    図2:インポートで選べる2つの入口
    インポートで選べる2つの入口 PLATEAU SDKのウィンドウ ローカル 取得済みのCityGML サーバー サーバーから取得

    図の作成:Remogu編集部。国土交通省のマニュアルの記載を整理した概念図で、統計データではありません

    ローカルを選ぶとき

    ローカルは、手元に置いたファイルを読み込む入口です。そのCityGMLは、G空間情報センターのPLATEAUポータルサイトからダウンロードして用意します2。

    冒頭の場面で手が止まったのは、このダウンロードしたファイルをコンテンツブラウザへ直接入れようとしたからでした。ローカルで読み込む場合も、入口はSDKのウィンドウです。

    サーバーを選ぶとき

    サーバーを選ぶ場合の細かな設定項目は、この記事の資料には書かれていません。選ぶ前に、データ変換マニュアルの該当の章で確かめます2。

    画面が手順書と違って見えるとき

    データ変換マニュアルは、利用するUnreal EngineとPLATEAU SDK for Unrealのバージョンによって、マニュアルの画像と実際のUIが異なる可能性があると書いています2。

    そのため、手順書の画像と違って見えたときは、操作を間違えたと決めつけず、自分のバージョンが手順書の想定と合っているかを先に確かめます。次は、取り込むデータの中身です。

    5. データの3種と属性、地物の数

    3D都市モデルを構成するデータの種類

    ゲームのアセットは、メッシュとテクスチャが中心です。一方、ユースケース開発マニュアルによると、3D都市モデルのデータは大きく分けて、ジオメトリデータ、セマンティクスデータ、テクスチャの3種です1。メッシュとテクスチャに加えて、意味を持つデータが別の種類として数えられています。

    この3種のうち、ゲームの制作では扱わなかった可能性があるのがセマンティクスデータです。国土交通省の資料では、地物の種類や、地物に与えられた用途・構造・築年数などの情報を、セマンティクスデータ(属性)と呼んでいます1。

    属性と地物の数

    建物1棟は、形と見た目だけでなく、用途や構造、築年数といった情報を一緒に持てます。UE5に取り込んだあと、これらの情報を画面の表現や検討の条件に使うかどうかは、案件の目的によって変わります。使う場合は、変換の前から属性の扱いを決めておきます。

    地物の数についても、資料に記載があります。ユースケース開発マニュアルによると、3D都市モデルの地物は全体として20あります1。さらにPLATEAU SDKは、3D都市モデルの全ての地物を、オブジェクトとしてゲームエンジンに取り込めます1。

    データの種類ごとの記載

    下の表は、3種のデータと属性、地物の数、LODの2つの段階について、資料の記載を並べたものです。LODは、案件の種類との関係を別の記事で扱っているため、ここでは形状の違いだけを示します。LOD1は建物図形を建物高さで押し出した形状で、LOD2は屋根の形状を詳細に表現し、側面の開口部は対象外です。

    項目資料の記載
    データの種類ジオメトリデータ、セマンティクスデータ、テクスチャの3種1
    属性セマンティクスデータ。地物の種類や、地物に与えられた用途・構造・築年数などの情報1
    地物の数全体として201
    LOD1建物図形を建物高さで押し出した形状1
    LOD2屋根の形状を詳細に表現し、側面の開口部は対象外1
    図3:3D都市モデルが持つ情報の分け方
    3D都市モデルが持つ情報の分け方 属性はセマンティクスに入る ジオメトリ 1種目 セマンティクス 2種目 用途・構造・築年数など テクスチャ 3種目

    図の作成:Remogu編集部。国土交通省のマニュアルの記載を整理した概念図で、統計データではありません

    Remogu(株式会社LASSIC運営)の案件は、90%以上がフルリモート可能です3。ゲームの外のデータを扱う経験を、どの案件で使えるかは、登録して条件を見ながら確かめられます。

    6. 変換先の形式とバージョンの注意

    資料が示す3つの変換先

    データ変換マニュアルは、PLATEAUのデータをゲームエンジンで活用できる形式として、OBJ、FBX、Unreal Engine datasmithの各形式への変換方法を示しています2。

    どの形式を選ぶと何が変わるのかについては、この記事の資料には書かれていません。選ぶ前に、データ変換マニュアルの該当の章で確かめます。

    SDK for Unrealによる変換の章

    同じマニュアルには、PLATEAU SDK for Unrealを利用してCityGMLを3Dファイル形式に変換する方法が、章として設けられています2。変換の手順を知りたいときは、この章を手順書として読みます。

    変換元は、ポータルサイトからダウンロードしたCityGMLです2。冒頭で触れた「渡すための形式」を、UE5で使う形に直す工程が、この章にあたります。

    手順書の画面とバージョンの差

    変換の章を読みながら作業するとき、注意したいのが、画面の食い違いです。利用するUnreal EngineとPLATEAU SDK for Unrealのバージョンによって、マニュアルの画像と実際のUIが異なる可能性があります2。

    案件で既存の環境を引き継ぐ場合は、その環境のバージョンが手順書の想定と同じとは限りません。では、これまでの内容を、確かめる順番に並べ直します。

    7. UE5で3D都市モデルを扱う前に確かめる順番

    5つの確認を並べた表

    確かめる順番は5つです。まずCityGMLの位置づけを押さえ、次にSDKを入れます。そのあと、ローカルかサーバーかを決め、属性を使うかどうかを考え、最後にバージョンを手順書と照らします。各行の根拠は、これまでに引いた2つのマニュアルの記載です。

    順番確かめる内容資料の記載
    1CityGMLの位置づけ情報交換の中間フォーマットで、そのままゲームエンジンで用いることは一般的ではない1
    2SDK for Unrealの導入無料で利用できるOSS1。2022年度から開発・OSSとして公開2
    3ローカルかサーバーかSDKのウィンドウで選ぶ2。ローカルはポータルサイトからCityGMLをダウンロードする2
    4属性を使うかデータは3種で、用途・構造・築年数などはセマンティクスデータ1
    5バージョンの照合UEとSDKのバージョンにより、マニュアルの画像と実際のUIが異なる可能性2
    図4:UE5で3D都市モデルを扱う前の確認の流れ
    UE5で3D都市モデルを扱う前の確認の流れ 最初は形式、最後は手順書 1 CityGMLは中間形式 2 SDKを入れる 3 ローカルかサーバーか 4 属性を使うか 5 バージョンを照らす

    図の作成:Remogu編集部。国土交通省のマニュアルの記載をもとに確認の順番を整理した概念図で、統計データではありません

    手が止まった場面に戻る

    冒頭の場面に戻ります。.gmlのファイルの前で手が止まったのは、操作を知らなかったからというより、CityGMLの位置づけを知らなかったからでした。情報交換の中間フォーマットだと分かれば、ドラッグではなくSDKのウィンドウへ向かう理由がつかめます。

    ゲームで培ったUE5の経験は、この入口を越えたあとに生きてきます。3D都市モデルの案件で、その経験がどう評価されるかは、Remoguに登録して案件の条件を見ながら確かめてみてください。CityGMLは渡すための形式なので、SDKで読み込んでから使います。

    8. よくある質問

    PLATEAUのCityGMLはそのままUE5に読み込めますか

    資料の記載では、CityGML 2.0形式は情報交換のための中間フォーマットで、そのままゲームエンジンなどで用いることは一般的ではありません1。読み込むときは、PLATEAU SDKを使います。

    PLATEAU SDKを用いると、UnityとUnreal Engineで、3D都市モデルを直接ダウンロードして変換し、利用できます1。

    PLATEAU SDK for Unrealは有料ですか

    ユースケース開発マニュアルは、PLATEAU SDKを無料で利用できるOSSと説明しています1。

    データ変換マニュアルによると、PLATEAU SDK for Unity/Unrealは、2022年度から開発・OSSとして公開されています2。

    手順書の画面と自分の画面が違うのはなぜですか

    データ変換マニュアルは、利用するUnreal EngineとPLATEAU SDK for Unrealのバージョンによって、マニュアルの画像と実際のUIが異なる可能性があると書いています2。違って見えたときは、手順書の想定するバージョンと、自分の環境のバージョンを照らします。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 国土交通省「3D都市モデルのユースケース開発マニュアル」(2026年3月・2026年10月確認)
    *2 国土交通省「3D都市モデルのデータ変換マニュアル」(2026年3月・2026年10月確認)
    *3 Remogu(株式会社LASSIC運営)公開情報:扱う案件の90%以上がフルリモート可能