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    【Go】副業はAPIの改修から|運用当番が付く案件と付かない案件の違い

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    夜の部屋の棚の上で、伏せたスマートフォンの縁が通知で光り、閉じたノートパソコンが並ぶ

    📘 この記事でわかること

    • APIの改修・新規開発・運用当番で、副業の時間の縛られ方がどう違うかと、Goの副業で受けやすい仕事の見分け方
    • デジタル庁のAPI仕様書が2026年に版を改めていることと、自治体システムの移行が2026年3月末時点でも続いていること
    • 運用当番の有無による連絡の時間帯・締切・翌日への影響の違いと、当番を受けるときに決めておく条件

    業務委託でGoの副業を始める打ち合わせで、APIの改修の話が一段落しました。そこで「ついでにアラートの通知先にも入ってもらえますか」と言われ、返事に詰まります。Goのコードは書けても、夜中の通知を受ける側になるかどうかで、本業の翌日の過ごし方が変わります。Goの副業は、書く量より、呼ばれる時間で決まります。

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    1. Goの副業で受けやすい仕事と受けにくい仕事

    改修と新規開発の時間の使い方

    Goの副業で受けやすいのは、APIの改修のように、作業の区切りが見える仕事だと見ています。これは資料から言えることではなく、書き手の見立てです。改修は、対象のエンドポイントと完了の条件が決まっていれば、本業の合間に稼働の時間を割り振れます。平日の夜に2時間、週末に半日、のように予定を組むと、依頼する側と進め方を協議しやすくなります。

    新規開発は、やや事情が変わります。設計、実装、試験と工程が進むにつれて、作業の山が締切の前に寄ります。その山が本業の繁忙期と重なると、稼働の時間を動かしにくくなります。受ける前に、どの工程にどのくらいの時間が必要かを、依頼する側と一緒に並べておく価値があります。

    ただし、新規開発が受けにくいと言いたいわけではありません。工程ごとに納品物が決まっていれば、改修と同じように区切って受けられます。分かれ目は、仕事の種類よりも、途中で稼働の時間を動かせる余地が残っているかどうかです。

    運用当番が決める縛りの強さ

    運用当番は、仕事の中身ではなく、時間の持ち方を変えます。一次対応の担当に入ると、障害の通知がいつ届くかを自分では決められません。通知が届く時間帯は、依頼する側のサービスの使われ方で決まります。こうした仕事は、予定を組んで進める改修とは、同じGoの仕事でも別の種類として考えたほうが判断しやすくなります。

    図1:副業で受ける仕事の時間の縛られ方
    副業で受ける仕事の時間の縛られ方 APIの改修 区切りで終わる 稼働を計画できる 新規開発 工程ごとに山 締切の前に集中 運用当番 呼ばれる時間は不定 夜間も対象になりうる 縛りが弱い 縛りが強い

    図の作成:Remogu編集部。書き手の見立てを整理したもので、統計データではありません

    3つの仕事を縛りの弱い順に並べると、改修、新規開発、運用当番の順になります。ただし、同じ名前の仕事でも契約によって中身は変わります。改修でも緊急の修正が前提なら、実質は当番に近くなります。

    では、改修の仕事は、そもそもどこから生まれるのでしょうか。公開されているAPI仕様書を手がかりに見ていきます。

    2. 版を重ねるAPI仕様書と改修の仕事

    付箋をはさんだ2冊の白い冊子の同じ位置を見比べる両手

    公開されている仕様書の版と日付

    デジタル庁は、地方公共団体の基幹業務システムの共通機能について標準仕様を作成しており、そのページの最終更新日は2026年9月30日でした1。そのなかで、住登外者宛名基本情報照会API仕様書は、2026年2月27日に第2.5版が公開されています1。OAuth2.0アクセストークン発行API仕様書は、2026年9月30日に第1.4版が公開されました1。

    仕様書版公開日
    住登外者宛名基本情報照会API仕様書第2.5版2026年2月27日
    OAuth2.0アクセストークン発行API仕様書第1.4版(変更箇所記載版も用意)2026年9月30日

    2つの仕様書は、版が公開された日付が異なります。2026年の2月と9月に、別々の仕様書で版が公開されています。

    変更箇所記載版が示すもの

    OAuth2.0アクセストークン発行API仕様書には、変更箇所記載版も用意されています1。名前のとおり、変更した箇所を書き添えた版と読めます。この資料に書かれているのは、用意されているという点までです。

    書き手の見立てでは、差分の範囲が分かる改修は、副業として区切りやすい仕事です。どこからどこまでを直すかが先に見えていれば、稼働の時間を見積もる材料になります。前の版との違いが読める仕様書は、依頼する側も受ける側も、作業の境界を確かめやすくなります。

    一方で、仕様書の版が改まることは、改修が続けて発生する可能性を示す程度にとどめて読みたいところです。資料から言えるのは、2026年にも版が公開されている事実です。頻度や今後の予定までは、資料に書かれていません。

    仕様の側が動くなら、それを使う自治体のシステムはどうなっているのでしょうか。次は、移行の状況を見ます。

    3. 2026年も続く自治体システムの移行

    移行対象と特定移行支援システムの割合

    デジタル庁の資料では、2026年3月末時点で、標準準拠システムへの移行対象となる全34,366システムのうち、10,013システム(29.1%)が特定移行支援システムとなっています2。割合の母数は、移行対象の全体です。

    図2:2026年3月末時点の内訳
    2026年3月末時点の内訳 移行対象の全体 34,366システム 特定移行支援 10,013(29.1%) それ以外のシステム 2026年3月末時点

    出典:デジタル庁「地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化」をもとに作成

    29.1%は、移行対象のうち特定移行支援システムとなっているものの割合です。この数字を、移行が遅れている割合として読むことはできません。

    特定移行支援となる理由と当初の目標

    特定移行支援システムとなる理由のうち、その他の要因として、資料には、現行システムがメインフレームや個別開発システムで運用されていることや、現行事業者が撤退して代替システムの調達の見込みが立たないことが挙げられています2。主な要因ではなく、その他に当たる要因です。

    また、地方公共団体は、原則2025年度(令和7年度)までに標準準拠システムへ円滑かつ安全に移行することを目指すこととされていました2。当初の目標が2025年度で、2026年3月末時点でも特定移行支援システムが残っています。2つを並べると、2026年になっても移行の作業が続いていることが分かります。間に合わなかったと断定する材料は、この資料にはありません。

    Goとの関係を読むときの注意

    ここで注意したいのは、これらの資料が自治体の基幹業務システムの話で、使われている言語には触れていないことです。Goで書かれているとは言えませんし、この記事でも書きません。

    書き手の見立てとして言えるのは、仕様が改まり、移行が続く環境では、APIの改修という形の仕事が生まれやすい、という点にとどまります。Goの経験がどこで生きるかは、案件ごとに確かめることになります。

    では、改修の仕事に運用当番が付くと、副業の中身はどう変わるのでしょうか。

    4. 運用当番が付いたときの副業の変化

    当番の有無で変わる3つの項目

    運用当番が付くかどうかで、副業の進め方は3つの点で変わると考えています。連絡の時間帯、締切の動かし方、翌日への影響です。これらは資料に書かれた事実ではなく、書き手が仕事の流れから整理した見立てです。具体的な条件は案件ごとに異なるため、受ける前に依頼する側と確かめる前提で読んでください。

    項目当番なし当番あり
    連絡の時間帯打ち合わせの時間帯が中心決めた時間帯の外にも連絡が入りうる
    締切納期に向けて自分で配分呼び出しが入ると予定が動く
    翌日への影響前日の夜の作業を調整できる夜間の対応が本業の朝まで続く場合がある

    当番なしの列では、予定を自分で組めるのに対し、当番ありの列では、予定を相手の状況が動かします。

    本業の翌日に影響する条件

    副業を受ける人にとって、いちばん影響が大きいのは、夜間の対応が本業の翌日に残るかどうかです。夜に通知が届き、対応が終わった時間が遅くなれば、翌日の本業に向ける時間と体力が変わります。

    ただし、当番が付いても、通知が届く時間帯が日中に限られていれば、影響は小さくなります。当番という名前が同じでも、時間帯の決まり方で中身は大きく違います。

    そのため、当番の有無だけで判断せず、どの時間帯に、どの範囲まで対応するのかを分けて考えます。この分け方は、後の節で整理します。

    では、副業の契約では、こうした条件はどこまで書面に残るのでしょうか。

    5. 業務委託で明示される取引の条件

    個室ブースでヘッドセットをつけ、無地のノートにメモを取るエンジニアの手元

    発注事業者に課される義務

    公正取引委員会のパンフレットによると、発注事業者は、フリーランスに業務委託をした場合、直ちに取引の条件を書面または電磁的方法により明示しなければならないとされています3。義務を負うのは、仕事を頼む側の事業者です。受ける側が自分から書面を求めて初めて動く仕組みではありません。

    この義務は、業務委託をした時点で生じます。「直ちに」と書かれているため、打ち合わせで口頭の合意を済ませたあとに、条件の提示だけが後回しになる進め方は、義務の趣旨に合いません。副業で受ける側も、いつ条件が届くのかを、契約の前の段階で尋ねておけます。

    図3:発注事業者に課される義務の流れ
    発注事業者に課される義務の流れ 業務委託をした 直ちに 書面か電磁的方法で明示

    出典:公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法」をもとに作成

    資料から言える範囲

    今回確かめた資料から言えるのは、取引の条件を書面または電磁的方法で明示する義務が、発注事業者にあるところまでです。明示される項目の中身は、この記事では取り上げません。運用当番の扱いが明示の対象に入るかどうかも、資料からは分かりません。

    そのため、当番に関する条件は、自分から確かめる前提で動くのが現実的です。連絡が入る時間帯や、対応の範囲を、契約の前に文面で尋ねておけば、あとで食い違いが起きにくくなります。これは書き手の見立てです。

    では、当番を受けると決めたとき、何を先に取り決めておけばよいのでしょうか。

    6. 当番を受けるときに決めておく条件

    取り決める4つの条件

    運用当番を受けるなら、呼び出しの時間帯、一次対応の範囲、報酬に含むかどうか、本業と重なる時間の扱いの4つを、先に取り決めておくと考えています。当番そのものを断るかどうかより、この4つが曖昧なまま始めることのほうが、あとで本業に響きます。書き手の見立てとして、次の表に整理します。

    決めること決め方の例
    呼び出しの時間帯平日の日中だけか、夜間も含むか
    一次対応の範囲通知の受け取りと状況の切り分けまでか、修正まで含むか
    報酬に含むかどうか待機の時間も稼働に含めるか、呼ばれたときだけ含めるか
    本業と重なる時間の扱い本業の時間帯に届いた通知に、いつまでに返すか

    4つのうち、本業への影響が最も直接に出るのは、呼び出しの時間帯です。夜間が含まれるかどうかで、翌日の過ごし方が変わります。

    決まらないときの考え方

    依頼する側が、4つの条件をまだ決めていない場合もあります。その場合は、こちらから案を出す方法があります。たとえば、一次対応は通知の切り分けまでにとどめ、修正は翌営業日に回す、といった形です。案を出したうえで、相手の事情と擦り合わせます。

    もっとも、案が通らないことも考えられます。夜間の呼び出しが外せない案件なら、その条件のまま受けるのか、見送るのかを、本業の状況と並べて決めることになります。副業は本業を続けながら受けるため、見送る選択肢を最初から持っておくと、判断がぶれにくくなります。

    では、こうした条件をどんな順番で確かめれば、本業と並べられる副業を選べるのでしょうか。

    7. 本業と並べるための選び方

    確かめる順番

    選ぶ順番は、仕事の区切り、当番の有無、連絡の時間帯、条件の明示の4つだと考えています。先に仕事の区切りを見るのは、改修のように終わりが見える仕事なら、稼働を本業の合間に割り振れるからです。区切りが見えない仕事は、当番の有無を確かめる前に、見送る候補になります。

    図4:副業を選ぶときの確認の流れ
    副業を選ぶときの確認の流れ 1 仕事の区切り 終わりの見え方 2 当番の有無 呼ばれうる範囲 3 連絡の時間帯 夜間の扱い 4 条件の明示 書面か電磁的方法

    図の作成:Remogu編集部。書き手の見立てを整理したもので、統計データではありません

    仕事の区切りが見えたら、次に当番の有無を尋ねます。当番が付く場合は、前の節の4つの条件を取り決められるかどうかが分かれ目です。条件の明示は、最後の確認にあたります。発注事業者には取引の条件を明示する義務があるため3、条件がいつ届くのかを尋ねるのは、ごく自然な問いです。

    打ち合わせの場面に戻って

    冒頭の場面に戻ります。改修の話が終わったあとに、アラートの通知先にも入ってほしいと言われたとき、その場で答えを出す必要はありません。通知が届く時間帯と、一次対応の範囲を尋ね、持ち帰って本業の予定と並べます。返事に詰まったのは、確かめる材料が手元になかったからです。

    改修の仕様書が版を改め、自治体システムの移行が2026年3月末時点でも続いていることは、前の節で見ました。ただし、そこから言えるのは、改修という形の仕事が生まれる環境がある、という見立てまでです。受けるかどうかを決めるのは、仕事の種類ではなく、自分の時間のどこに呼び出しが入るかです。

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    8. よくある質問

    Goの経験が本業だけでも副業の案件は受けられますか

    受けられるかどうかは、案件ごとに求められる経験によって変わります。書き手の見立てでは、本業でAPIの設計や改修を担当してきた経験は、改修の案件で説明しやすい材料になります。どの工程を担当したのかを、依頼する側に伝えられる形で整理しておくと、打ち合わせが進めやすくなります。

    土日だけの稼働でもGoの副業は回せますか

    運用当番の有無で、答えが変わります。当番が付かない改修なら、土日にまとめて稼働する形でも回しやすいと考えています。当番が付く場合は、平日の連絡にどう対応するかを取り決めない限り、土日だけの稼働とは両立しません。

    運用当番を断ると案件が減りますか

    案件の数については、この記事では言えません。当番を断る場合は、当番の付かない案件を条件に入れて探すことになります。探す条件を絞るほど、並ぶ案件は変わります。条件の合う案件を、時期を変えながら見比べるのが現実的です。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 デジタル庁「共通機能の標準仕様」(2026年9月30日・2026年10月確認)
    *2 デジタル庁「地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化」(2026年9月30日・2026年10月確認)
    *3 公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(2024年・2026年10月確認)