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    Flutterの副業はどこから受ける?|パッケージ1つで両OSに入る改修の選び方

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    窓際の長机で、ノートパソコンの手前に形の違う2台のスマートフォンを両手で持つ

    📘 この記事でわかること

    • パッケージ1つの追加が両OSの検証と公開、公表の文面の更新にまで届く理由と、副業の時間に収めるための見方
    • 総務省が検討中のとりまとめ骨子(案)が整理する外部送信規律の対応と、ウェブサイトとアプリの遵守状況の違い
    • 副業で受けやすい改修の単位と、本業と並べるために依頼を受ける前に決めておくこと

    副業の依頼で「アクセス解析のパッケージを1つ入れてほしい」と頼まれ、設定ファイルに1行足すだけだと思って引き受けました。ところが、iOSとAndroidの両方のアプリから新しい送信先へ情報が出ることになり、アプリの公表の文面を誰が直すのかも決まっていません。Flutterは1つのコードで両OSのアプリを作るため、業務委託の小さな依頼でも、検証と公開と公表の更新が2つのアプリに広がります。Flutterの副業は、1行の追加が2つのアプリに届くところから考えます。

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    1. 小さな依頼が大きくなる理由

    1つのコードから2つのアプリができる

    Flutterは、1つのコードからiOSのアプリとAndroidのアプリの両方を作れるフレームワークです。画面や処理を2回書かずに済むのが利点で、本業でFlutterを書いている人なら実感があるはずです。一方、副業の依頼では、この利点が裏返る場面があります。パッケージを1つ足すと、その変更は両方のアプリに同時に入るからです。

    たとえば、アクセス解析のパッケージを追加したとします。設定ファイルへの追記は1行でも、ビルドされるiOSのアプリにもAndroidのアプリにも、そのパッケージが含まれます。どちらのアプリも、新しい送信先へ情報を送る可能性が出ます。ここは書き手の見立てです。実際に何を送るかはパッケージごとに異なるため、依頼を受けたら中身を確かめる前提で考えます。

    検証と公開と公表の更新が両OSに付く

    コードの変更が1行でも、確かめる作業は1回で終わりません。iOSの動作確認、Androidの端末ごとの確認、それぞれのストアへの提出と審査待ちが並びます。送信先が変われば、利用者向けに公表している文面も更新の対象になります。

    図1:1つの変更に付いてくる作業の広がり
    1つの変更に付いてくる作業の広がり Flutterのコード iOSのアプリ Androidのアプリ 検証 公開 公表の更新 検証 公開 公表の更新

    図の作成:Remogu編集部。Flutterの仕組みからの書き手の見立てを整理したもので、統計データではありません

    1つの変更から、検証・公開・公表の更新が両OSにそれぞれ付きます。本業の夜と週末で回すなら、この広がりを依頼の前に見積もれるかどうかが、受けられるかを分けます。両OSでどこまでを任されるかの見積りは、Flutter案件で任される範囲を扱った別の記事で詳しく書いています。

    では、両方のアプリに出す依頼はなぜ多いのでしょうか。国の統計から確かめます。

    2. スマートフォンを持つ世帯は9割を超える

    世帯のスマートフォン保有の結果

    総務省の令和7年通信利用動向調査の結果(2026年5月29日)では、スマートフォンを保有する世帯の割合は91.8%でした1。引き続き9割を上回っています。

    ただし、この数字は世帯の割合です。個人がスマートフォンを持つ割合ではなく、iOSとAndroidのどちらが多いかを示すものでもありません。OS別の数はこの資料から読み取れないため、本記事では書きません。

    調査結果の読み方

    表の左の列は調査のどの項目か、右の列はその結果です。数値が測っているのは、スマートフォンを1台以上持つ世帯がどのくらいあるかだけです。誰が使っているか、どのOSを使っているかは、この調査結果の数値には含まれていません。副業の依頼を読むときも、この数字から利用者の内訳まで読み取らないようにします。

    項目結果
    調査令和7年通信利用動向調査の結果(総務省、2026年5月29日)
    数値の対象スマートフォンを保有する世帯の割合
    結果91.8%
    推移引き続き9割を上回った
    この数値にないもの個人の保有率、iOSとAndroidの内訳

    両方のストアに出す依頼が多い背景

    これは書き手の見立てです。スマートフォンを持つ世帯が9割を超えるなかで、アプリを出す事業者は、iOSとAndroidのどちらか一方に利用者を絞りにくいと考えられます。両方のストアに出したい事業者にとって、1つのコードで両OSを作れるFlutterは選びやすい手段です。資料にOS別の利用者数は載っていないため、あくまで依頼の背景の読み方にとどまります。

    そのため、Flutterの副業の依頼は、両方のストアに出す前提で届くと見ておくのが無難です。小さな依頼でも、片方のOSだけで終わる前提で見積もると、あとから検証と公開の作業が追加で出てきます。

    3. パッケージを足したときの外部送信の扱い

    木の机の中央に小さな白い箱を置く手と、その左右でケーブルにつながった2台の端末

    外部送信規律が求める対応

    総務省が検討中のとりまとめ骨子(案)は、外部送信規律を、利用者情報の外部送信を行うウェブサイトとアプリに対し、送信する情報・利用目的・送信先などについて、通知・公表・同意・オプトアウトのいずれかの対応を義務付ける規制と整理しています2。

    4つすべての対応が要るわけではありません。いずれかの対応でよく、通知または公表が最低限求められると、同じ骨子(案)は整理しています2。外部送信規律の4つの形は、遵守の形を扱った別の記事でも詳しく取り上げています。

    図2:外部送信規律の対応の選択肢
    外部送信規律の対応の選択肢 最低限は通知か公表 通知 公表 同意 オプトアウト いずれかの対応でよい

    出典:総務省「利用者情報の外部送信規律の遵守に関するとりまとめ骨子(案)」(2026年5月26日)をもとに作成

    パッケージを足すと変わること

    対応を行う側は、ウェブサイトやアプリを提供する側です。副業で依頼を受けるエンジニアが提供する側に当たるかどうかは、この資料からは分かりません。書き手の見立てとしては、エンジニアの役割は、どのパッケージが何をどこへ送るかの一覧を、提供する側に渡すことだと考えます。

    これも書き手の見立てですが、パッケージを足すと送信先が変わることがあり、送信先が変わると、公表している内容と実際の送信が合わなくなる原因になります。Flutterでは同じ変更が両OSのアプリに同時に入るため、そのずれも2つのアプリで同時に起こり得ます。

    では、アプリとウェブサイトとでは、遵守の状況にどのような違いがあるのでしょうか。

    4. ウェブサイトとアプリで異なる遵守状況の整理

    骨子(案)が整理するウェブサイトとアプリの差

    総務省が検討中のとりまとめ骨子(案)は、総務省の調査を引いたうえで、ウェブサイトはモバイル端末用アプリと比べて、外部送信規律を十分に遵守できていない状況にあると整理しています2。

    同じ資料は、特にアプリによるサービス提供を行っていないウェブサイトで、遵守率が低いとしています2。遵守率の数値は、この記事では取り上げません。

    ただし、この整理はウェブサイトの遵守状況を述べたもので、アプリが十分に遵守していると言い切るものではありません。アプリの側は、比較の相手として出てくるだけです。

    対象ごとの整理

    表の左の列は、骨子(案)が取り上げている対象です。右の列は、その対象について骨子(案)がどう整理しているかを、資料の言い方に沿って短くまとめています。数値は載せていません。検討中の案の整理であり、確定した方針ではない点を押さえて読みます。

    対象骨子(案)の整理
    ウェブサイトモバイル端末用アプリと比べて、外部送信規律を十分に遵守できていない状況にあると整理
    アプリによるサービス提供を行っていないウェブサイト遵守率が低いと整理
    モバイル端末用アプリウェブサイトとの比較の対象として整理

    既にアプリを出している事業者の場合

    ここからは書き手の推論です。すでに公表の文面があるアプリほど、パッケージを足したときに、その文面の更新が要る場面が出やすいと考えます。公表の内容と実際の送信先が合っている状態から、送信先が1つ増えるためです。

    一方、公表の文面がまだ無いアプリでは、パッケージの追加がそのまま文面づくりの話になります。どちらの場合も、依頼を受ける側は、文面の更新が誰の仕事なのかを先に確かめておくと、あとからの手戻りを減らせます。

    次は、副業としてどの単位で改修を受ければ、この広がりを区切れるかです。

    5. 副業で受けやすい改修の単位

    更新・追加・置き換えの分け方

    副業の依頼は、パッケージに対する作業の種類で分けると、広がりを見積もりやすくなります。ここでは、すでに入っているパッケージのバージョンを上げる「更新」、新しいパッケージを入れる「追加」、いまのパッケージを別のものに替える「置き換え」の3つに分けます。この分け方は書き手の整理で、資料にあるものではありません。

    更新は、使っているパッケージが同じなので、送信先が変わらないことが多いと考えます。送信先が変わらなければ、公表の文面の更新までは届きません。両OSの検証で区切れる依頼になりやすい作業です。ただし、更新でパッケージの動きが変わる場合もあるため、断定はしません。更新の前に、送信先が変わらないかを一覧で確かめます。

    追加と置き換えが届く先

    追加と置き換えは、送信先が変わる可能性があります。骨子(案)は、通知または公表が最低限求められると整理しています2。この整理を踏まえると、送信先が増えたときは、その内容を文面へ反映する作業が付いてくると考えます。これも書き手の推論です。

    置き換えは、元のパッケージの送信先が減り、新しいパッケージの送信先が増えるため、送信先の一覧を見直す範囲がさらに広がります。両OSの検証も、置き換えた機能を使う画面の全体に及びます。そのため、置き換えは副業の1回の作業に収めにくい依頼と見ておくのが無難です。

    図3:パッケージに対する作業の種類と広がり
    パッケージに対する作業の種類と広がり 更新 両OSの検証 追加 両OSの検証 公表の更新 置き換え 両OSの検証 公表の更新 送信先の再確認

    図の作成:Remogu編集部。書き手の整理で、統計データではありません

    右へ長くなるほど、依頼の範囲が広がります。副業では、更新は区切りやすく、追加と置き換えは範囲を先に決めてから受けるほうが進めやすいと考えます。では、受ける前に何を決めておけばよいのでしょうか。

    6. 受ける前に決めておく項目

    夕方の打ち合わせ机で、1枚の白い紙を向かいの相手へ差し出し、相手の手が受け取ろうとする

    決める項目の一覧

    受ける前に決めておく項目を、表にまとめました。左の列が決める項目、中央の列がその例、右の列が確かめる相手です。どの項目も、依頼が届いた時点で決まっているとは限りません。決まっていない項目は、受ける前に委託元の事業者へ尋ねます。表の内容は書き手の推論をもとにした整理で、報酬の額と支払期日の行だけは、あとで取り上げる法律の明示事項に関わります。

    決める項目例確かめる相手
    作業の範囲更新だけか、追加や置き換えまで含むか委託元の事業者
    検証する端末とOSiOSとAndroidで確かめる端末とバージョンの範囲委託元の事業者
    ストアへの提出の担当審査への提出と、審査で指摘が出たときの対応委託元の事業者
    送信先の一覧の受け渡しパッケージごとの送信先を一覧にして渡す時期と形自分と委託元の事業者
    公表の文面の更新の担当文面を書き換える人と、送信先との照合委託元の事業者
    報酬の額と支払期日依頼の内容に対する報酬の額と、支払いの期日委託元の事業者との取り決め

    書面で明示される事項

    フリーランス法第3条は、業務委託事業者がフリーランスに業務委託をした場合、直ちに、給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項を、書面又は電磁的方法により明示しなければならないと定めています3。明示する義務を負うのは委託する側です。報酬の額や支払期日を、エンジニアが決めて書くわけではありません。

    副業の依頼がどのような形で届くかは、この資料からは分かりません。そのため、表の項目が文章で残っているかを、受ける前に確かめます。文章になっていない項目があれば、尋ねたうえで、やり取りに残しておきます。

    本業の時間に当てはめる

    表の項目を先に決めておくと、依頼の大きさを本業の夜と週末に当てはめて見積もれます。範囲が決まっていれば、更新だけで終わるのか、追加や置き換えまで広がるのかが分かり、受けるかどうかの判断材料になります。逆に、範囲が決まらないまま受けると、冒頭の場面のように、1行の追加があとから2つのアプリへの作業に広がります。

    では、これらの項目を、どの順番で確かめればよいのでしょうか。

    7. 本業と並べるための受け方

    確かめる順番

    本業と並べるなら、確かめる順番を決めておくと、小さな依頼が膨らみにくくなります。最初に確かめるのは送信先です。送信先が分かれば、更新で済むのか、追加や置き換えまで届くのかが見えるからです。次に両OSの検証の範囲、そのあとに公表の更新の担当、最後に契約の条件を確かめます。

    図4:依頼を受ける前の確認の流れ
    依頼を受ける前の確認の流れ 送信先の確認 両OSの検証の範囲 公表の更新の担当 契約の条件 一覧の受け取り 端末とOSの線引き 担当の決定 書面の確認

    図の作成:Remogu編集部。書き手の整理で、統計データではありません

    オプトアウトの一案

    総務省が検討中の骨子(案)は、法令より一歩進んだ対応として、外部サービス(サードパーティ)がオプトアウト手段を講じている場合に、その手段へ誘導することを推奨するのも一案としています2。義務として整理されているわけではなく、案の段階の一案です。

    パッケージを追加する依頼では、この一案をクライアントへの提案材料として添える程度にとどめます。実際に取り入れるかどうかは、アプリを提供する側が決めます。

    1行の追加を、2つのアプリから見る

    冒頭の依頼に戻ります。設定ファイルへの1行は、iOSのアプリにもAndroidのアプリにも入り、検証と公開と公表の更新が両方に付きます。それでも、送信先の確認から契約の条件までを受ける前に確かめておけば、その広がりは見積もりの中に入ります。広がりが見えている依頼なら、本業と並べて受けるかどうかを、自分で決められます。

    Remogu(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク案件特化のエンジニアマッチングで、案件の90%以上がフルリモート可能です。Flutterの経験を活かせる案件に登録して触れてみると、自分の経験に合う条件が分かり、副業の次の形も描きやすくなります。Flutterの副業は、1行の追加が2つのアプリに届くところから考えます。

    8. よくある質問

    Flutterの副業は週2日でも受けられますか

    更新のように区切れる依頼なら、週2日でも収まりやすいと考えます。送信先が変わらない更新は、両OSの検証が中心で、公表の更新まで届きにくいためです。これは書き手の推論で、依頼の中身によって変わります。

    一方、追加や置き換えは、公表の更新と送信先の再確認が付くため、週2日では広がりきらない場合があります。範囲を先に決め、更新と追加を別の依頼に分けてもらうと、時間を区切りやすくなります。

    SwiftやKotlinの経験だけでもFlutterの副業は受けられますか

    書き手の推論としては、受けられる場面があると考えます。Flutterの依頼でも、iOS側とAndroid側それぞれの設定や、ストアへの提出の作業は残ります。SwiftやKotlinの経験は、そうした各OSの場面で役に立ちます。

    ただし、Flutterのコードそのものを任されるかは依頼によって異なります。受ける前に、作業の範囲を表の項目として確かめます。

    アプリの公表の文面も副業で書く必要がありますか

    外部送信規律の対応を行う側は、ウェブサイトやアプリを提供する側です2。副業のエンジニアが文面を書く義務を負うかどうかは、この資料からは分かりません。書き手の見立てとしては、エンジニアの役割は、どのパッケージが何をどこへ送るかの一覧を渡すことです。

    依頼に文面づくりが含まれる場合は、作業の範囲として表の項目に入れ、担当を決めてから受けます。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」(2026年5月29日・2026年10月確認)
    *2 総務省「利用者情報の外部送信規律の遵守に関するとりまとめ骨子(案)」(2026年5月26日・2026年10月確認)
    *3 公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(2024年・2026年10月確認)