e-Taxの職業欄にフリーランスは何と書く?エンジニアの事業内容の書き方と屋号欄の違い
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

📘 この記事でわかること
- 国税庁が職業欄に示しているのは「事業の内容を具体的に」という方針と例2つで、決まった一覧は示されていないこと
- 「フリーランス」「エンジニア」との違いと、エンジニアの仕事を「〇〇業」の形に言い換える見立ての例
- 複数の事業をしているときの並べ方と、屋号欄・第二表・字数に収まらないときの扱い
確定申告の締め切りが近い夜、e-Taxの作成コーナーで住所と氏名を入れ終えると、職業欄が現れます。「フリーランス」と打ちかけて、指が止まりました。それは働き方の名前であって、仕事の中身ではないのでは、と気づいたからです。決まった書き方があって、違う言葉を書くと申告で困るのではないか。そんな不安を抱えたまま入力を進める人は少なくありません。この記事の答えは、職業欄に書くのは働き方ではなく、受けている仕事の中身です。
▶ あわせて読みたい
・フリーランスエンジニアの屋号は必要?確定申告と請求書での使い方、インボイスの公表の注意点
・確定申告はスマホでできる?フリーランスエンジニアが青色申告決算書まで作ってe-Taxで送る手順
・案件を受け始めたら開業届はいつまで?届出と期限の一覧を解説
1. 職業欄で手が止まる理由
「フリーランス」は働き方の名前
「フリーランス」は、組織に属さず、仕事ごとに契約して働く形を指す言葉です。システムを作る人も、文章を書く人も、写真を撮る人も、同じ「フリーランス」と名乗れます。つまりこの言葉からは、どんな仕事をしているのかが読み取れません。
職業欄に何を書くかは、申告書を見る人に何の事業をしているかが伝わるかどうかで考えると整理しやすくなります。以下は国税庁の資料の読み方を含めた書き手の見立てで、後の節で資料の内容を確かめます。
「エンジニア」は職種の名前
では「エンジニア」ならどうでしょうか。こちらは働き方ではなく職種の名前なので、フリーランスよりは仕事に近づきます。ただ、エンジニアと言っても、業務システムを作る人もいれば、クラウドの環境を整える人もいます。
職種の名前は、同じ名前の中に別々の仕事を含みます。職業欄は、その人の事業が何かを書く場所なので、職種名より一歩進めて、事業として何を請け負っているかまで言葉にできると、書いた本人にも読む側にも伝わりやすくなります。
事業の内容にあたる言葉
「ソフトウェア開発業」や「Webサイト制作業」のように、受けている仕事の中身を「〇〇業」の形で表した言葉が、事業の内容にあたります。働き方、職種、事業の内容は、指している範囲が段階的に違います。
図1は、3つの言葉がどの段階の名前なのかを並べたものです。次の節では、国税庁がこの欄にどんな書き方を示しているのかを見ていきます。
図の作成:Remogu編集部。言葉の指す範囲を整理した概念図で、公的な区分ではありません
2. 国税庁が示す「事業の内容を具体的に」の方針
確定申告の手引きの案内
国税庁の令和7年分の確定申告の手引きには、「手順1 住所、氏名などを記入する」という項目があります。ここで職業欄について、個人事業者は事業の内容を具体的に記入するとされています1。
例として挙がっているのは、青果小売業と自動車板金塗装業の2つです。どちらも、何を売っているのか、何の作業をしているのかが言葉から分かる形です。「小売業」や「塗装」だけで止めず、仕事の中身まで書いています。
一方で、この手引きの該当箇所には、職業名の一覧は載っていません。決まった名前の中から選ぶ形ではなく、事業の内容を自分の言葉で書く形です。
作成コーナーのよくある質問
e-Taxで申告書を作る確定申告書等作成コーナーにも、「職業の入力について」というよくある質問があります。令和7年分のこの質問でも、個人事業者は職業として事業の内容を具体的に入力するとしており、手引きと同じ例を挙げています2。
つまり、紙の手引きを見ながら書く場合も、作成コーナーの画面で入力する場合も、示されている方針は同じです。作成コーナーだけに別の書き方がある、という案内は、この質問のページには書かれていません。
資料ごとの案内の対応
手引きと作成コーナーのよくある質問は、別々の資料です。表1は、それぞれが職業欄についてどう案内しているかを並べています。どちらも「事業の内容を具体的に」という方針と、青果小売業・自動車板金塗装業という2つの例まで示しており、その先の職業名の一覧までは示していません。エンジニアの場合の書き方は、この方針から自分で言葉を選ぶことになります。
| 資料 | 職業欄の案内 | 示されている例 |
|---|---|---|
| 確定申告の手引き(手順1) | 個人事業者は事業の内容を具体的に記入 | 青果小売業・自動車板金塗装業 |
| 作成コーナーのよくある質問(職業の入力について) | 個人事業者は事業の内容を具体的に入力 | 手引きと同じ例 |
出典:国税庁「令和7年分 確定申告の手引き」および確定申告書等作成コーナー「よくある質問」をもとに作成
リモートで参画できる案件を見てみる →
3. エンジニアの仕事を「〇〇業」に言い換える

「システムエンジニア」と書く人もいる
職業欄に「システムエンジニア」と入れる人もいるでしょう。職種の名前としては通じる言葉です。ただ、国税庁が示している例は「青果小売業」のように「〇〇業」の形なので、その形に近づけたほうが、事業の内容が伝わりやすいと考えられます。
とはいえ、どちらを書けば正しい、と決まっているわけではありません。国税庁の資料が求めているのは事業の内容を具体的に書くことで、特定の言葉ではないからです。自分の仕事の中身が読み取れるかを、選ぶ基準にしたいところです。
受けている仕事ごとの言い換えの例
表2は、エンジニアの代表的な仕事を「〇〇業」の形にした例です。ここで挙げた言葉は国税庁が示したものではなく、青果小売業・自動車板金塗装業という例の形に寄せた書き手の見立てです。この表の言葉を書けば決まり、という意味ではありません。受けている仕事の中身が伝わるなら、別の言い方を選んでも構いません。
| 受けている仕事 | 書き方の例(見立て) |
|---|---|
| 業務システムの開発 | ソフトウェア開発業 |
| Webアプリの開発 | Webシステム開発業 |
| クラウドの構築・運用 | インフラ構築業 |
| Webサイト制作 | Webサイト制作業 |
図の作成:Remogu編集部。右の列は書き手の見立てによる例で、国税庁が示した職業名ではありません
言葉を選ぶときの手がかり
言い換えに迷うときは、手元の契約書や請求書にある業務内容の欄が手がかりになります。そこに書いてある仕事の呼び方を「〇〇業」の形に直すと、自分の事業を表す言葉が見つかりやすくなります。
ただし、受けている仕事が2種類以上に分かれる人もいます。その場合の扱いは、次の節で確かめます。
4. 複数の事業をしているときの書き方
手引きは全ての事業を書くと案内
先ほどの手引きには、複数の事業を兼業している場合の案内もあります。職業欄には、全ての事業について記入するとしています1。主な事業だけを選んで書く形ではありません。
エンジニアの仕事のほかに、別の事業もしている人は、この案内に沿って事業ごとに言葉を並べることになります。事業をいくつ手がけているかによって、職業欄に入れる言葉の数が変わります。
開発と執筆を並べる場合の例
たとえば、業務システムの開発の仕事を受けるかたわら、技術書の執筆もしている人を考えます。この場合、「ソフトウェア開発業」と「技術書の執筆業」のように、事業ごとに1つずつ言葉を用意して並べる書き方が考えられます。
この例も書き手の見立てで、「と書く人もいます」という程度のものです。手引きが示しているのは全ての事業について記入することまでで、並べ方や区切り方までは決まっていません。読んで事業の中身が分かる形かどうかを、基準にしてください。
図の作成:Remogu編集部。書き方は見立てによる例で、公的な書式ではありません
5. 屋号・雅号の欄は、あるときだけ書く
屋号欄は「ある場合」の欄
職業欄のすぐ近くには、屋号・雅号の欄があります。手引きでは、この欄を、事業に係る屋号や雅号がある場合に記入する欄としています1。屋号とは事業に付ける呼び名のことで、雅号は文筆や芸術の分野で使う名前です。
手引きの該当箇所には、屋号を持たない人に記入を求める記述はありません。そのため、屋号が無い場合は、この欄は空けておく形になります。空欄だと何かが欠けている、という扱いが書かれているわけではないので、無理に名前を考える必要はありません。
第一表と第二表で書く項目
申告書には第一表のほかに第二表があります。手引きは、第一表と同様に第二表にも、表題・住所・屋号・氏名を記入するとしています1。この記載の中に、職業は含まれていません。
つまり、職業欄の言葉を考える場面は第一表の入力で一度だけです。屋号がある人は、第二表にも同じ屋号が入ることになります。図3は、2つの表で書く項目がどう対応しているかを並べたものです。
図の作成:Remogu編集部。国税庁の確定申告の手引きの記載をもとに項目の対応を整理した図です
屋号を付けるか迷うとき
屋号は、付けるか付けないかを自分で決められる名前です。仕事の受け皿を分かりやすくしたくて付ける人もいれば、付けないまま続ける人もいます。
屋号そのものが必要かどうかは、フリーランスエンジニアに屋号は必要かで別に整理しています。申告書の入力としては、屋号があれば欄に書き、無ければ空けておく、という扱いで進められます。
リモートで参画できる案件を見てみる →
6. 字数に収まらないときの省略

入力欄には字数の制約がある
兼業で職業欄の言葉が長くなると、入力欄に収まるのかが気になります。作成コーナーのよくある質問には、入力する項目によっては、印刷するときの桁数の制約から、限られた文字数しか入力できないものがあるという案内があります3。
これは入力項目全般についての一般的な案内で、職業欄の具体的な字数は示されていません。そのため、この記事でも「何文字まで」とは書きません。長くなりそうなときは、入力画面で実際に入るかどうかを見て判断することになります。
提出の方法で変わる補い方
省略できない場合の案内は、提出の方法によって違います。e-Taxへ直接送信する人は、手書きで補完できないことから、できるだけ省略して入力するよう案内されています3。一方、印刷して提出する人は、入力できるだけ入力し、印刷後に手書きで補完する形です。
表3は、この2つの提出方法を並べたものです。同じ画面で入力していても、送信するのか、印刷して出すのかで、字数を超えたときの対応が分かれます。2つの方法の案内を混ぜて読まないよう、自分がどちらで出すのかを先に決めておくと迷いません。
| 提出の方法 | 字数に収まらないとき |
|---|---|
| e-Taxで直接送信 | 手書きで補えないので、できるだけ省略して入力 |
| 印刷して提出 | 入力できるだけ入力し、印刷後に手書きで補完 |
出典:国税庁 確定申告書等作成コーナー「よくある質問」(入力内容が文字数制限を超えるときの案内)をもとに作成
省略の仕方は書き手の見立て
では、職業欄の言葉をどう縮めるか。資料には省略の具体例が無いので、以下は書き手の見立てです。事業を2つ並べるなら「・」で区切る、「業」をまとめて「開発・執筆業」のようにする、といった形が考えられます。
なお、「(株)」のような省略の例は、住所や社名を入力する場面で使われるものです。職業欄に同じ形がそのまま当てはまるとは限らないので、縮めるときは、読んで事業の内容が分かる範囲にとどめたいところです。
e-Taxの送信そのものの流れが気になる人は、スマートフォンでe-Taxを使うときの進め方も参考になります。
7. 申告の前に自分の事業を一言にしておく
書く順番を決めておく
ここまでの資料の内容を、入力の順番に並べ直すと、迷いが減ります。最初に、いま受けている仕事を挙げます。次に、それぞれを「〇〇業」の形に言い換えます。兼業があれば全ての事業を並べ、屋号があれば屋号欄へ書き、最後に字数に合わせて省略します。
図4は、この順番を並べたものです。資料に書かれているのは、事業の内容を具体的に書くこと、全ての事業を書くこと、屋号は「ある場合」に書くこと、字数には制約があることです。言い換えと省略の仕方は、書き手の見立てです。
図の作成:Remogu編集部。入力の順番を整理した図で、公的な手順書ではありません
一言にした事業は他の場面でも使える
自分の事業を「〇〇業」の一言にしておくと、申告のためだけでなく、請求書の品目やプロフィールの肩書、案件の相談で自己紹介をする場面でも同じ言葉を使えます。これは書き手の見立てですが、受けている仕事を言葉にする作業は、実績を説明する軸づくりにもなります。
Remogu(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク案件特化のエンジニアマッチングで、案件の90%以上がフルリモート可能です。受けたい仕事の中身が言葉になっていれば、案件を選ぶときにも、自分の仕事と照らして見やすくなります。
締め切り前の夜に、職業欄で手が止まったら、思い出してほしい一言があります。職業欄に書くのは働き方ではなく、受けている仕事の中身です。「フリーランス」の4文字で止まったときは、自分が今月どんな仕事を受けたかを、思い浮かべるところから始めてみてください。
8. よくある質問
職業欄に「フリーランス」とだけ書いてもよいですか
国税庁の資料が示しているのは、事業の内容を具体的に書く、という方針です。「フリーランス」は働き方を表す言葉で、仕事の中身までは分かりません。書き手の見立てとしては、仕事の中身が分かる言葉を足し、「ソフトウェア開発業」のように書くほうが、資料の方針に沿うと考えられます。
前の年と違う書き方をしてもよいですか
前の年と同じ書き方にそろえるよう定めた記述は、今回確かめた資料にはありません。書き手の見立てとしては、受けている仕事の中身が変わったなら、それに合わせて書き直すのが自然です。仕事が変わっていないのに言葉だけ変えると、読む側が戸惑うかもしれないので、迷うときは前の年の言葉を土台にします。
開業届の職業欄と同じにする必要がありますか
同じにするよう定めた記述も、今回確かめた資料にはありません。書き手の見立てとしては、そろえておくと説明しやすい、という程度です。開業届の出し方や期限は、開業届の提出期限と手続きで整理しています。
リモートワーク案件をお探しの方へ
Remoguは、株式会社LASSICが運営するITエンジニア・デザイナー専門のリモートワーク案件紹介サービスです。フルリモート・ハイブリッドの案件から、スキルに合うものを探せます。
職業欄は、受けている仕事の中身が伝わる言葉で書けば迷いが減ります。申告を済ませたら、次の仕事はフルリモートのエンジニア案件から探してみてください。
会員登録無料 / 案件閲覧・相談は無料
※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 国税庁「手順1 住所、氏名などを記入する」(2026年1月1日・2026年10月確認)
*2 国税庁「職業の入力について」(2026年1月1日・2026年10月確認)
*3 国税庁「入力内容が文字数制限を超えるときはどうしたらいいですか」(2026年1月1日・2026年10月確認)