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    個人事業主の手取りが少ない理由は税金?節税しないと損する仕組みと200万円控除の方法【2026年版】

    個人事業主の税金完全ガイド2025-2026年版

    「確定申告の季節になると、また憂鬱になる」。そう感じているフリーランスエンジニアの方は少なくないはずです。でも少し立ち止まって考えてみてください。税金の仕組みを知らないまま申告している方と、正しく理解して節税している方では、同じ報酬でも手取りが年間数十万円変わることがあります。

    2025〜2026年は税制改正が重なる重要な年です。基礎控除の大幅引き上げ、インボイス2割特例の終了、AI確定申告ツールの登場。知っているかどうかで、手取りの結果が変わります。この記事で、個人事業主の税金を基礎から体系的に整理しましょう。

    この記事でわかること

    • 個人事業主が納める税金6種類(所得税・住民税・消費税・個人事業税・国民健康保険料・復興特別所得税)の仕組みと計算方法
    • 年収300〜900万円別の税金・国民健康保険料・手取りシミュレーション早見表
    • 令和7年度税制改正で基礎控除が最大95万円に引き上げられた仕組みと注意点
    • 2026年10月のインボイス変更(2割特例終了・3割特例移行)への具体的対応策
    • 青色申告・iDeCo・小規模企業共済など年間200万円超の控除を狙える節税7選と2026年AI活用術
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    目次

    1. 個人事業主が納める税金の種類と概要

    個人事業主が納める税金6種類の概要

    個人事業主が納める主な税金は、所得税・復興特別所得税・住民税・国民健康保険料・消費税・個人事業税の6種類です。国税庁の定める課税ルールに基づき、それぞれ計算方法と納付時期が異なります1。事業規模や業種によって発生する税目が変わるため、まず全体像を把握することが節税の第一歩になります。

    税目・保険料区分課税対象税率・料率の特徴主な納付時期
    所得税国税年間の課税所得5〜45%(7段階・累進)翌年3月15日まで
    復興特別所得税国税所得税額所得税額の2.1%(一律)※2037年まで所得税と同時
    住民税地方税前年の所得所得割10%+均等割5,000円翌年6〜翌々年5月(4回)
    国民健康保険料社会保険料前年所得(自治体ごとに算定)所得割+均等割(自治体別)。上限109万円/年2年10回(6月〜翌3月)
    消費税国税・地方税課税売上(原則1,000万円超)10%(軽減税率8%)翌年3月31日まで
    個人事業税地方税事業所得(業種による)3〜5%(業種別)。290万円控除あり8月・11月(2回)

    国民健康保険料:個人事業主が見落としやすい最大の負担

    会社員は健康保険料を会社と折半できますが、個人事業主は全額自己負担です。年収500万円・経費200万円のフリーランスエンジニアを例にすると、国民健康保険料は年間約35〜45万円(東京都千代田区の場合、40歳未満・独身)になります2。独立する前に必ず試算しておくことをおすすめします。

    個人事業税:エンジニアは対象になるのでしょうか

    プログラマーやシステムエンジニアは「技術士等」として第1種事業(税率5%)に区分されることが多く、年間290万円の事業主控除が認められています1。つまり事業所得が290万円以下なら個人事業税はかかりません。ただし業種区分は都道府県によって解釈が異なる場合があるため、管轄の都道府県に確認することをおすすめします。

    2. 所得税の計算方法と2025年税制改正のポイント

    所得税の計算方法と2025年税制改正基礎控除引き上げ

    所得税は累進課税です。課税所得が大きくなるほど税率が上がる仕組みで、フリーランスエンジニアの方が報酬を増やせば増やすほど税負担も増していきます。だからこそ「経費と控除を最大化して課税所得を下げる」ことが節税の核心になります。

    所得税の計算4ステップ

    • 年間の売上(収入)を集計します
    • 必要経費を差し引いて「事業所得」を算出します
    • 事業所得から各種所得控除(基礎控除・青色申告特別控除等)を差し引いて「課税所得」を算出します
    • 課税所得に税率を乗じ、控除額を差し引いて「所得税額」を算出します
    課税される所得金額税率速算控除額計算例(課税所得300万円の場合)
    195万円以下5%0円
    195万円超〜330万円以下10%97,500円300万円×10%−97,500円=202,500円
    330万円超〜695万円以下20%427,500円
    695万円超〜900万円以下23%636,000円
    900万円超〜1,800万円以下33%1,536,000円
    1,800万円超〜4,000万円以下40%2,796,000円
    4,000万円超45%4,796,000円

    出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm)

    令和7年度税制改正:基礎控除が最大95万円に

    2025年分(令和7年分)の所得税から、基礎控除が大幅に見直されました。従来は所得2,400万円以下なら一律48万円でしたが、改正後は所得額に応じて最大95万円まで控除を受けられます3

    ただし注意点があります。所得123万円超655万円以下の層に対する高額な基礎控除(95万円・88万円・68万円・63万円)は令和7年分および令和8年分のみの暫定措置です。令和9年分以降は所得2,350万円以下で一律58万円となる予定のため、この2年間の恩恵を最大限に活かす視点が重要です3

    3. 年収別・税金と手取りシミュレーション早見表(300〜900万円)

    「自分の年収だと税金はいくらになるの?」という疑問に、年収別早見表でお答えします。下記は以下の前提条件で算出した目安です。実際の金額はお住まいの自治体の国保料率や個別の控除によって変わります4

    年収(売上)経費(約30%)事業所得所得税+復興特別所得税(目安)住民税(目安)国民健康保険料(目安)国民年金保険料(2025年度)税等合計(目安)手取り(目安)
    300万円90万円210万円約4万円約13万円約21万円約21万円約59万円約241万円
    400万円120万円280万円約8万円約19万円約28万円約21万円約76万円約324万円
    500万円150万円350万円約17万円約26万円約35万円約21万円約99万円約401万円
    600万円180万円420万円約28万円約33万円約42万円約21万円約124万円約476万円
    700万円210万円490万円約41万円約40万円約49万円約21万円約151万円約549万円
    800万円240万円560万円約57万円約48万円約56万円約21万円約182万円約618万円
    900万円270万円630万円約78万円約57万円約63万円約21万円約219万円約681万円

    ※青色申告特別控除65万円・基礎控除58万円・国民年金保険料2025年度月額17,510円×12ヶ月=210,120円を差し引いた概算。個人事業税は290万円控除により低収入帯で非発生。国民健康保険料は東京都概算。

    手取りを増やすために最初に見るべき数字

    表を見ると、年収500万円のフリーランスでも税等の合計負担が約100万円に達することがわかります。同じ年収500万円でも、青色申告65万円控除を活用しているかどうかで所得税・住民税の合計が約15〜20万円変わります。節税対策の効果は「課税所得を下げる」という一点に集約されます。

    4. 消費税とインボイス制度・2026年10月変更への対応

    インボイス制度2026年10月変更2割特例終了3割特例移行

    消費税は、課税売上が1,000万円を超えた年の翌々年から納税義務が発生します。売上がそのラインに近づいてきたフリーランスの方にとって、インボイス(適格請求書)の扱いは報酬の手取りに直結する問題です。

    2割特例の終了と3割特例への移行

    2023年10月のインボイス制度開始に際し、免税事業者から課税事業者になった個人事業主の方を対象に「2割特例」が導入されました。これは「売上にかかる消費税の20%のみを納税すれば良い」という優遇措置です。

    この2割特例は2026年9月30日で終了します。個人事業主の場合、2026年分の確定申告(2027年提出)が最後の適用期間です5。2026年10月1日以降は、「3割特例(売上税額の30%を納税)」への移行が予定されており、2029年9月30日まで適用される見込みです5

    期間特例名納税額の計算対象者
    2023年10月〜2026年9月2割特例売上税額 × 20%免税→課税転換した個人事業主(売上1,000万円以下)
    2026年10月〜2029年9月(予定)3割特例売上税額 × 30%2割特例対象者と同等要件(予定)5
    2029年10月〜経過措置終了本則課税または簡易課税全課税事業者

    免税事業者の選択肢:登録するかしないか

    売上が1,000万円以下の免税事業者の方は、インボイス登録を「する」か「しない」かの判断を迫られています。法律上、登録しなくても取引は可能ですが、取引先が課税事業者の場合、2026年10月以降は仕入税額控除の割合が縮小するため、単価交渉や取引条件の見直しを求められる可能性があります5。主要クライアントがほぼ法人の場合は特に影響が大きくなりうるため、取引先の構成を踏まえて税理士に相談されることをおすすめします。

    5. 個人事業主が使える節税策7選

    節税の核心は「課税所得を下げること」です。所得控除と必要経費の2軸から攻めると、年間200万円超の控除を狙えます。ただし「節税のためだけの支出」は本末転倒です。事業実態に即した範囲で、正しく最大化することが重要です6

    節税策最大控除・節税額の目安手続き難易度即効性備考
    ①青色申告特別控除65万円(e-Tax申告の場合)◎(今年分から)複式簿記+e-Tax送信が条件6
    ②小規模企業共済最大84万円/年(月7万円×12)掛金全額所得控除。解約時の課税に注意
    ③iDeCo月68,000円(年81.6万円)60歳まで原則引き出し不可7
    ④必要経費の最大化実費による(上限なし)通信費・PC・書籍・家賃按分など
    ⑤ふるさと納税自己負担2,000円で返礼品を取得確定申告で寄附金控除を申告(ワンストップ制度は利用不可)
    ⑥家事按分実態比率次第(家賃・光熱費等)事業利用割合を証明できる記録が必要
    ⑦法人成り(マイクロ法人化)状況により数十〜百万円規模△(要準備期間)課税所得900〜1,200万円超から検討推奨

    ①青色申告特別控除:最初に必ず取り組むべきこと

    青色申告を届け出て、複式簿記による記帳と確定申告書をe-Taxで送信すれば、最大65万円の特別控除が受けられます6。課税所得400万円・税率20%のフリーランスであれば、65万円の控除により所得税と住民税を合計で約19.5万円(65万円×30%)削減できます。freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトを使えばほぼ自動化できます。まだ実施されていない方は最優先で取り組んでください。

    ②③小規模企業共済とiDeCoは「老後資金×節税」の二重効果

    小規模企業共済は、個人事業主の方の退職金制度として機能します。毎月1,000〜70,000円の掛金を支払い、廃業・引退時に共済金を受け取ります。掛金は全額所得控除の対象で、年間最大84万円の控除が可能です。

    iDeCoは個人型確定拠出年金で、個人事業主の方の場合は月68,000円(年81.6万円)まで拠出でき、拠出額全額が所得控除になります7。両制度を最大限活用すると、年間165.6万円の控除が可能です。

    ④必要経費:フリーランスエンジニア特有の経費をもらさず計上する

    • ソフトウェア・開発ツールのサブスクリプション費用(GitHub、JetBrains、Adobe等)
    • 技術書・専門書・オンライン学習サービス(Udemy、Coursera等)
    • クラウドサービス(AWS・GCP・Azureなどの業務利用分)
    • 在宅勤務用のPCや周辺機器(10万円未満または減価償却)
    • 自宅を事務所として使う場合の家賃・光熱費の按分
    • 通信費(スマートフォン・インターネット回線の業務利用分)
    • 打ち合わせ・勉強会への交通費

    6. 2026年・AIを活用した確定申告の効率化

    freee×ChatGPTで「税理士の回答」に即アクセス

    2026年2月、freeeはChatGPT上で動作する「freee確定申告」アプリの提供を開始しました9。特徴は、AIが独自に回答を生成するのではなく、税理士・公認会計士などが実際に回答した1万件以上のQ&Aデータベースから類似事例を検索・提示する点です。ChatGPT内で「@freee確定申告」と入力し、質問を送るだけで使えます。

    ツール・手法特徴実用度主な用途
    会計ソフトのAI機能(freee・マネーフォワード)取引明細を読み込み勘定科目を自動分類★★★★★日常の記帳・仕訳
    freee確定申告(ChatGPT向けアプリ)税理士回答1万件超のDBから事例を提示★★★★勘定科目・控除の疑問解消
    e-TaxのAI自動入力(マイナポータル連携)控除証明書を自動取得・申告書に自動反映★★★★年末調整・確定申告書の作成8
    AI-OCRレシート読み取りスマホ撮影で日付・金額・科目を自動データ化★★★領収書の記帳効率化
    ChatGPT・Claude等への相談勘定科目・控除条件の整理に活用★★★疑問の事前整理(最終確認は必須)

    AIで効率化しつつ、専門家へのタイミングを見極める

    AIは「典型的な疑問への即答」に優れています。一方で、「ご自身の状況に合わせた税務判断」や「税務調査への対応」は専門家に委ねる方が安全です。年収500万円を超えてきた、法人成りを検討している、インボイス登録の判断に迷っているといった節目では、税理士への相談をご検討ください。顧問料を必要経費に計上できる点も、個人事業主ならではのメリットです。

    まとめ

    • 個人事業主が納める主な税金・保険料は6種類です。所得税・住民税・国民健康保険料の3つで負担が大きくなりやすく、独立前に年収別の目安金額を把握することが重要です
    • 所得税は課税所得5%〜45%の累進課税です。「経費と控除で課税所得を下げる」ことが節税の基本です
    • 2025年分(令和7年分)から基礎控除が最大95万円に引き上げられましたが、所得123万円超655万円以下の高額控除は令和7年・8年分の暫定措置です。令和9年以降は58万円に戻る予定です
    • インボイス2割特例は2026年9月30日で終了し、10月以降は3割特例(予定)へ移行します。消費税の納税計画を今から見直してください
    • 青色申告特別控除(65万円)・小規模企業共済(最大84万円)・iDeCo(最大81.6万円)を組み合わせれば、年間200万円超の控除を狙えます

    税金の仕組みを知ることは、報酬を最大化するための「守りの武器」です。より高単価な案件で収入を増やしながら、節税で手取りも守る。その好循環をつくるための第一歩を、今日から始めてみましょう。

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    よくある質問

    個人事業主は年収いくらから確定申告が必要ですか?

    個人事業主の方は、事業所得が所得控除の合計額を超えた時点で所得税の申告・納税義務が生じます。2025〜2026年分は基礎控除が最大95万円(所得132万円以下の場合)に引き上げられたため、従来の「48万円ライン」から基準が変わりました。ただし赤字の繰越(最大3年)や還付を受けるために申告した方が有利なケースも多く、事業を行っている方は原則として申告されることをおすすめします。

    青色申告と白色申告の違いは何ですか?

    最大の違いは「青色申告特別控除」の有無です。e-Tax送信の場合は65万円、紙申告の場合は55万円が控除できます。白色申告には控除がありません。また青色申告では赤字を最大3年間繰り越せる「純損失の繰越控除」が利用でき、専従者報酬(家族への報酬)も経費計上しやすくなります。事業実態があれば、青色申告を選ばない理由はほとんどありません6

    インボイスに登録しないとどうなりますか?

    法律上、登録しなければ取引できないわけではありません。ただし取引先が課税事業者の場合、2026年10月以降は仕入税額控除の割合が縮小するため、単価交渉や取引条件の見直しを求められる可能性があります。主要クライアントが法人の場合は特に影響が大きくなりうるため、取引先の構成を確認したうえで判断されることをおすすめします5

    個人事業主のiDeCoの上限額はいくらですか?

    個人事業主(国民年金第1号被保険者)のiDeCo拠出上限額は月68,000円(年81.6万円)です7。これは会社員(月23,000円)より高く設定されており、退職金制度がない個人事業主の方が老後の資産形成と節税を両立できる重要な制度です。60歳まで原則引き出しできない点と、将来の受取時の課税には注意が必要です。

    国民健康保険料は経費になりますか?

    国民健康保険料は「経費(必要経費)」には計上できません。ただし「社会保険料控除」として所得控除の対象になります。確定申告の際に、国民健康保険料の支払い金額を所得控除に計上することで課税所得が下がり、所得税・住民税が軽減されます。支払い金額は市区町村から送られる納付書や通知書で確認できます。

    出典・参考情報

    1 国税庁「No.2260 所得税の税率」(2025年)
    2 厚生労働省「令和7年度国民健康保険料の賦課限度額の改定」(2025年)
    3 国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」(2025年)
    4 弥生株式会社「個人事業主のかんたん税金計算シミュレーション」
    5 財務省「令和8年度税制改正大綱」(2025年12月)および国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」(2025年6月改訂)
    6 国税庁「青色申告特別控除」(2025年)
    7 国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」(2025年)
    8 国税庁「令和7年分 確定申告特集」(2026年)
    9 freee株式会社「ChatGPT向けアプリ『freee確定申告』提供開始」(2026年2月)
    10 弥生株式会社「AIで確定申告をラクにする」(2026年3月)