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    フリーランスエンジニアに向いている人とは?独立した人の実態から見る判断基準

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    明るい机で、2列のマス目を描いたノートにペンで印を付ける手元、左に閉じたノートパソコン

    📘 この記事でわかること

    • 性格診断の結果ではなく、今の職場での仕事の進め方から「向いているか」を確かめる4つの判断基準
    • 業種を問わず開業した人の動機と満足度の調査から読める、独立後に満足と不満が分かれる場面
    • 収入の波と取引条件を自分で確かめる観点と、当てはまらない項目があるときに副業で試す進め方

    独立を迷っていると同僚に話すと、「自己管理が得意なら向いてるよ」と返ってきました。気になって性格診断を3つ試しても結果はばらばらで、フリーランスエンジニアに向いている人かどうかは決まりません。業務委託で働く自分を思い描くほど、性格の答えを待っていても前に進まないと感じます。向いているかは、性格より今の仕事の進め方に出ます。

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    1. 向いている人を性格で分けない理由

    自己評価に頼ると答えが揺れる

    「自己管理が得意」「一人が好き」「人付き合いが苦手でも平気」。フリーランスエンジニアに向いている人の特徴として、こうした言葉をよく目にします。どれも自分の感じ方で答えるものなので、質問の聞き方や、その日の仕事の忙しさで答えが変わります。

    たとえば納期前の週に診断を受ければ、「自己管理は得意ではない」と感じるかもしれません。余裕のある週なら逆の答えになります。同じ人が測っても結果が動くものを、独立という大きな判断の根拠にするのは心もとないと考えます。

    今の仕事の進め方なら確かめられる

    一方で、今の職場での仕事の進め方は、感じ方ではなく行動として振り返れます。担当した仕事を社外の人に説明できたか。作業の順番を自分で決めた場面はあったか。こうした問いなら、直近の数か月を思い出せば答えが出ます。

    そのため本記事では、性格を測る代わりに、仕事の進め方で確かめる4つの判断基準を使います。どちらの軸が自分に答えを返してくれるかを、図1で並べました。

    図1:向いているかを測る2つの物差し
    性格の軸 自己管理が得意 一人が好き 人付き合いが平気 仕事の進め方の軸 経験を説明する 進め方を自分で決める 収入の波を引き受ける 条件を自分で確かめる

    図の作成:Remogu編集部。判断の観点を整理したもので、統計データではありません

    4つの判断基準の位置づけ

    4つの判断基準は、経験を説明できるか、進め方を自分で決めたいか、収入の波を引き受けられるか、条件を自分で確かめられるか、の4つです。これらは調査が示した「向いている人の条件」ではなく、書き手の見立てです。

    根拠にするのは、独立した人たちの実態を調べた公的な調査です。数字から読めるのは「独立した人は何を求め、何に満足し、何に引っかかったか」までで、そこから先は、判断の観点として使える形に直して示します。まずは独立した人が何を求めて始めたのかを見ます。

    2. 独立した人が求めて始めたもの

    調査の対象は業種を問わない開業者

    日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」は、新しく事業を始めた人にアンケートをとったものです。対象は全業種の開業者で、ITエンジニアやフリーランスに限った数字ではありません。

    そのため、これから示す割合を「フリーランスエンジニアの何%」と読むことはできません。独立して事業を始めた人が、何を求めていたのかの手がかりとして使います。

    開業動機と事業を決めた理由

    開業動機は三つまでの複数回答で、「自由に仕事がしたかった」が59.7%で最も高い回答でした1。別の設問である現在の事業に決めた理由では、「これまでの仕事の経験や技能を生かせるから」が43.8%で最も高くなっています1。動機と理由は別の設問なので、割合を足したり、同じ人の答えとして重ねたりはしません。

    設問いちばん多かった答え割合
    開業動機(三つまでの複数回答)自由に仕事がしたかった59.7%
    現在の事業に決めた理由これまでの仕事の経験や技能を生かせるから43.8%

    調査から読めること

    独立を選んだ人の多くが求めていたのは「自由」で、事業を決める軸にしていたのは「これまでの経験や技能」でした。この2つは、そのまま2つの判断基準に結びつきます。自分で進め方を決めたいか、経験を言葉にして示せるか、という見立てです。

    もっとも、この調査は「自由を求めた人が独立後に自由に働けている」ことまでは示していません。満足度は別の設問で、後の節で見ます。次の節では、この2つを今の職場で確かめる問いに直します。

    3. 判断基準1・2 経験の説明と進め方の自己決定

    窓際のカフェで、横一列に並べた無地のカード5枚の最後の1枚を置く手

    判断基準1:経験を説明できるか

    独立した人が事業に決めた理由の最多は、これまでの経験や技能を生かせることでした。業務委託では、クライアントとの最初の打ち合わせで、何ができる人なのかを自分の言葉で伝える場面があります。経験を持っていても、説明できなければ、相手には伝わりません。

    今の職場で確かめるなら、担当した仕事を社外の人に通じる言葉で3分で説明できるかが目安になります。社内だけで通じる略語やチーム名を使わずに、何を作り、自分は何を決め、何が変わったかを話せるかを試します。

    判断基準2:進め方を自分で決めたいか

    開業動機で最も多かった「自由に仕事がしたかった」は、自分で決める範囲が広がることでもあります。広がる範囲には、作業の順番や使う道具だけでなく、仕事の範囲や進める時間帯も含まれます。

    ただし、決める範囲が広がれば、決めなければならないことも増えます。誰かが決めてくれた手順に従うほうが落ち着く人もいるはずです。確かめる問いは、作業の順番や道具を自分で決めたいと思う場面が、今の職場で多いかどうかです。

    図2:基準1と2を今の職場で確かめる問い
    判断基準1 経験を 説明できるか 今の職場での問い 社外に通じる言葉で 3分の説明 判断基準2 進め方を 自分で決めたいか 今の職場での問い 順番や道具を 自分で決める場面

    図の作成:Remogu編集部。判断の観点を整理したもので、統計データではありません

    2つの問いで見える現在地

    2つの問いは、どちらも性格ではなく、直近の仕事で実際に起きたことを思い出して答えます。3分で説明できなかった場合は、独立に向かないという意味ではありません。説明の練習が先に要る、という現在地が分かるだけです。

    では、独立したあとの満足は、どこで高く、どこで低くなっているのでしょうか。同じ調査の数字で見ていきます。

    4. 独立後に満足と不満が分かれるところ

    項目別の満足度

    同じ調査では、開業後の満足度を項目別に聞いています。「かなり満足」と「やや満足」を合わせた割合は、仕事のやりがい(自分の能力の発揮)が84.4%、ワークライフバランスが54.7%、事業からの収入が28.3%でした1。いずれも全業種の開業者への調査です。

    図3:開業の項目別満足度
    仕事のやりがい 84.4% ワークライフバランス 54.7% 事業からの収入 28.3%

    出典:日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」(2025年12月5日)をもとに作成。「満足」はかなり満足とやや満足の合計。全業種の開業者への調査です

    やりがいと収入の差

    棒の長さを比べると、やりがいの満足は8割を超え、収入の満足は3割に届いていません。ワークライフバランスはその中間で、半分を少し超える水準です。独立した人は、自分の能力を発揮している手応えには満足しやすく、収入に満足している人は一部にとどまる、という差が読み取れます。

    ただし、収入の満足が3割に届かないことは、「収入に不満がある人が7割」という意味ではありません。満足の合計以外の回答には、「どちらともいえない」も含まれます。数字が示すのは、満足と答えた人の割合が低いところまでです。

    数字の読み方

    自由を求めて独立した人が多く、満足の差が収入の項目に出ている。この2つを並べると、独立してから決めることが増えるのは仕事の中身だけでなく、収入の見通しも含まれる、と読めます。この見立てが、次の判断基準3につながります。

    次の節では、収入の満足が低い時期と、労働時間の長さを、自分が引き受けられるかを確かめる問いに直します。

    5. 判断基準3 収入の満足が低い時期と長い労働時間

    収入の満足が低い時期を引き受けられるか

    事業からの収入に「かなり満足」「やや満足」と答えた開業者は28.3%でした1。業種を問わない調査ですが、独立した人にとって収入は、やりがいに比べて満足を得にくい項目だったと読めます。業務委託でも、報酬が入る時期と使う時期にずれが出る場面は想定しておきたいところです。

    今の職場で確かめられるのは、収入の波が来たときに備えがあるかどうかです。数か月分の生活費の備えがあれば、案件の合間や支払いを待つ期間にも、落ち着いて次の仕事を選べます。何か月分が適切かは、家計によって変わるため、ここでは数字を置きません。

    週50時間以上の週を受け止められるか

    同じ調査で、開業者の1週間当たりの労働時間が「50時間以上」だった割合は49.8%でした1。業種を問わない開業者の約半数にあたります。エンジニアに限った数字ではなく、組織に所属する人の労働時間との比較もできません。

    とはいえ、自分で仕事を回す立場では、作業時間が伸びる週が出る可能性は考えておく必要があります。今の職場で、納期前に週50時間以上の週が続いたとき、どう感じ、どう立て直したかを思い出してみてください。

    営業と事務を自分で回せるか

    独立すると、開発の時間とは別に、見積りや請求の作業が自分の仕事になります。調査にはこの作業の負担を示す数字がないため、見立てとして扱います。確かめる問いは、今の職場で見積りや請求にあたる作業を、後回しにせず期日どおりに片づけているかどうかです。

    引き受けることと確かめる問い

    判断基準3は、収入の波・長い労働時間・営業と事務の3つを引き受けられるかです。表2では、調査から読める数字と、今の職場で確かめる問いを並べました。数字があるのは前の2つで、3つ目は書き手の見立てです。

    引き受けること調査から読めること今の職場で確かめる問い
    収入の満足が低い時期事業からの収入に満足した開業者は28.3%1数か月分の生活費の備えがあるか
    週50時間以上の週がある業種を問わない開業者の49.8%が週50時間以上1納期前の長い週を、どう立て直したか
    営業・事務を自分で回す調査の数字はありません(見立て)見積りや請求の作業を後回しにしていないか

    3つとも「今すぐ引き受けられる」と答えられなくても、判断を急ぐ必要はありません。次の節では、判断基準4にあたる、離れた場所での進め方と取引条件の確かめ方に進みます。

    6. 判断基準4 離れた場所での進め方と取引条件

    机で無地の書類の束を両手で揃え、左にノートパソコンとヘッドセット

    離れた場所で一人で進める働き方

    国土交通省の令和7年度テレワーク人口実態調査では、自営型就業者のうちテレワーカーの割合は、情報通信業が73.5%で業種別に最も高くなりました2。自営型の情報通信業では、テレワークを経験している人が高い割合で見られる、という意味です。

    この数字はフルリモートで働く人の割合ではなく、テレワークの頻度を示すものでもありません。この分野の自営型就業者の多くが、一度は離れた場所で仕事をした経験を持つ、という手がかりとして使います。自分は連絡と合意を言葉で積み重ねて進められるか、が確かめる点です。

    報酬の支払期日と契約の範囲

    公正取引委員会のフリーランス法特設サイトによると、発注事業者は、フリーランスへの報酬を給付を受領した日から60日以内に支払わなければなりません3。これは発注事業者に課された義務で、フリーランスの側が守る規則ではありません。

    フリーランスの側からは、この期日が契約の条件として分かる形になっているかを確かめる観点として使えます。あわせて、作業の範囲、成果物、連絡の時間帯が書面で書かれているかも確かめたい項目です。これらは書き手の見立てで、確かめるのは契約を結ぶ前です。

    困ったときの相談先

    契約や仕事のことで困ったときの窓口として、厚生労働省は「フリーランス・トラブル110番」を令和2年(2020年)11月から設置しています。弁護士に無料で相談できる窓口です4。相談件数や内容の内訳は、手元の資料にはありません。

    窓口の存在を知っておくと、条件で迷ったときに一人で抱えずに済みます。確かめる問いは、困ったときの相談先を、独立する前に自分で調べられるかどうかです。

    取引条件の確かめる項目

    表3は、判断基準4で確かめる4つの項目です。テレワークの割合と支払期日と相談窓口は出典のある事実で、契約の範囲は見立てです。

    確かめること内容
    テレワーカーの割合自営型就業者のうち、情報通信業が73.5%で業種別に最も高い2
    報酬の支払期日発注事業者は、給付を受領した日から60日以内に支払う義務があります3
    契約の範囲作業の範囲・成果物・連絡の時間帯が書面で書かれているか(見立て)
    困ったときの相談先フリーランス・トラブル110番(弁護士に無料で相談できる窓口。令和2年11月から)4

    4つの判断基準がそろったので、次の節で自分の今の状態に当てはめます。

    7. 4つの判断基準で自分を見る

    4つの問いを順に見る

    4つの判断基準は、独立した人の実態から組み立てた、書き手の見立てです。1つ目は、担当した仕事を社外に通じる言葉で説明できるか。2つ目は、作業の順番や道具を自分で決めたいと思う場面が多いか。3つ目は、収入の波と長い週を引き受けられるか。4つ目は、取引条件を自分で確かめられるかです。

    4つとも、答えの材料は性格診断ではなく、今の職場で直近に起きたことにあります。順に当てはめて、当てはまらない項目があれば、それは弱点ではなく先に試す課題です。

    図4:4つの問いを順に確かめる流れ
    判断基準1 経験を説明できるか 判断基準2 進め方を自分で決めたいか 判断基準3 収入の波を引き受けられるか 判断基準4 条件を自分で確かめられるか 独立を検討 当てはまらない項目あり 副業で試す

    図の作成:Remogu編集部。判断の観点を整理したもので、統計データではありません

    当てはまらない項目があるとき

    4つのうち、今の職場でも確かめられない項目が多いときは、すぐ独立するより、副業で試す選び方があります。小さな業務委託の仕事なら、経験の説明も、条件の確かめも、負担の小さい形で練習できます。

    一方、4つとも「今の仕事でできている」と答えられる人は、独立後の仕事の探し方に進めます。Remogu(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク案件特化のエンジニアマッチングで、案件の90%以上がフルリモート可能です。登録して、自分の経験に合う条件を知るところから始められます。

    性格診断の結果が揺れても

    性格診断を3つ試して結果がばらばらでも、迷う必要はありません。独立を考えるなら、性格の答えを探すよりも、今週の仕事で経験を説明できたか、進め方を自分で決めたか、条件を自分で確かめたかを振り返るほうが、次の一歩につながります。

    向いているかは、性格より今の仕事の進め方に出ます。4つの問いを手がかりに、自分の現在地を確かめてみましょう。

    8. よくある質問

    フリーランスエンジニアに向いていない人はどんな人ですか

    性格で向いていない人を決めることはできません。本記事の見立てでは、4つの判断基準のうち、今の職場でも確かめられない項目が多い場合は、すぐ独立するより副業で試すほうが安全です。

    人付き合いが苦手でもフリーランスエンジニアになれますか

    なれます。問われるのは人付き合いの得意さより、仕事の範囲や条件を言葉で確かめられるかです。リモートで進める場合も、連絡と合意は欠かせません。

    独立する前に副業で試すことはできますか

    試せます。まず今の職場の就業規則で、副業がどう扱われているかを確かめます。そのうえで、業務委託の小さな仕事から始めると、契約の範囲や支払期日の確かめ方を、負担の小さい形で練習できます。

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    Remoguは、株式会社LASSICが運営するITエンジニア・デザイナー専門のリモートワーク案件紹介サービスです。フルリモート・ハイブリッドの案件から、スキルに合うものを探せます。

    フリーランスに向いているかは、性格ではなく今の仕事の進め方で判断できます。フルリモートの業務委託案件を眺めて、自分の経験が通じる仕事があるかを確かめてみてください。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」(2025年12月5日・2026年10月確認)
    *2 国土交通省「令和7年度 テレワーク人口実態調査」(2026年3月・2026年10月確認)
    *3 公正取引委員会「フリーランス法特設サイト」(2026年10月8日・2026年10月確認)
    *4 厚生労働省「フリーランス・トラブル110番」(2026年3月30日・2026年10月確認)