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    【フリーランスエンジニア】振替納税の手続きと引き落とし日|延納の条件と利子税

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    「振替納税の引き落とし日」を示す図です。申告と依頼書/納期限/振替日を並べています。強調しているのは振替日です。口座からと添えています。

    📘 この記事でわかること

    • 所得税等や消費税等が決められた振替日に自動で引き落とされる仕組みと、振替日が納期限よりも後に来る年分ごとの日程
    • 振替依頼書を確定申告書と一緒に納期限までに提出する手順と、一度出せば翌年以降は提出が不要になる点
    • 残高不足で延滞税がかかる場合があることと、税額の2分の1以上を納めれば残りを延納できる制度

    去年の確定申告では、納期限の間際になって金融機関の窓口に並び、所得税を納めました。案件の納品と申告の時期が重なり、気づいたときには期限ぎりぎりになっていたからです。今年も納品と申告が重なりそうで、同じことは繰り返したくないと思いました。確定申告書と一緒に出しておけば、納付を口座からの引き落としで済ませられる書類があります。

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    1. 振替納税の仕組み|振替日に口座から自動で引き落とし

    決められた振替日に自動で引き落とされる所得税等と消費税等

    まず、振替納税がどのような納め方かを見ていきます。振替納税を利用すると、所得税等や消費税等が、国税庁の定める振替日に、自分の預貯金口座から自動で引き落とされます1。窓口に並んで納める手順が、口座からの引き落としに置き換わります。

    そのため、こちらでやることは、振替日の前日までに、残高や他の引き落とし予定を確かめることだけになります1。確定申告の作業が案件の納品と重なる時期でも、納付のために窓口へ並ぶ手順はなくなります。

    使える税目は所得税等と個人事業者の消費税等だけ

    一方で、振替納税を使える税目には範囲があります。対象になるのは、所得税等と、個人事業者の消費税等だけです1。

    贈与税や源泉所得税などは対象に含まれません1。これらの税は、ダイレクト納付などのキャッシュレス納付で納めます1。

    使える税目を確かめたら、次に必要なのが申し込みです。利用するには、税務署へ書類を提出する必要があります1。

    対象の税と手続きの流れの一覧

    対象になる税、引き落としの仕組み、申し込みの方法という3つの観点を、表で並べます。

    次に、申し込みの具体的な手順と、振替日そのものについて、それぞれ詳しく見ていきます。

    項目内容
    対象の税所得税等と、個人事業者の消費税等1
    引き落とし国税庁が定める振替日に、預貯金口座から自動で引き落とし1
    申し込み振替依頼書を、税務署へ提出1

    2. 振替依頼書の税務署への提出

    e-Taxか書面での振替依頼書の提出

    冒頭で触れた書類の名前は、振替依頼書といいます。振替納税を利用するには、この振替依頼書を、e-Taxか書面で所轄の税務署へ提出します1。

    振替依頼書は、確定申告書とは別の書類として用意します。

    令和7年分は納期限までに確定申告書と一緒に提出

    令和7年分の確定申告で振替納税を利用するなら、納期限までに提出します。納期限は、所得税等が令和8年3月16日、消費税等が令和8年3月31日です1。

    実際には、確定申告書と振替依頼書を一緒に提出する形になります1。申告書と一緒に出しておけば、納付のために窓口へ並ぶ必要はなくなります。

    一度提出すれば翌年以降は不要

    もっとも、この提出が毎年必要になるわけではありません。一度、振替依頼書を提出すれば、翌年以降の提出は不要です1。

    そのため、今回の確定申告で提出しておけば、来年からは振替依頼書を用意する必要がありません1。

    申し込みから引き落としまでの流れは、図1のとおりです。

    図1:振替依頼書の提出から引き落としまでの流れ
    振替依頼書の提出から引き落としまでの流れ 振替依頼書を 用意する 納期限までに 確定申告書と 一緒に提出 振替日に 口座から 引き落とし

    図の作成:Remogu編集部。振替依頼書の提出から引き落としまでの流れを整理したもので、統計データではありません

    では、実際に振替日はいつになるのでしょうか。

    3. 納期限より後に決められた振替日

    令和7年分は所得税等が4月23日、消費税等が4月30日

    振替日は、納期限と同じ日ではありません。令和7年分の確定申告では、所得税等の振替日が令和8年4月23日、消費税等の振替日が令和8年4月30日です1。納期限は所得税等が3月16日、消費税等が3月31日なので、振替日はそこから1か月ほど後ろに置かれている形です。

    振替納税を選ぶと、口座からお金が動くのは納期限の日ではなく振替日です。確定申告のあとの資金の流れは、振替日を基準に立てます。

    令和8年分は納期限が3月15日、振替日は4月中旬から下旬

    一方、翌年分になると、日付はまた変わります。令和8年分の確定申告では、所得税等の納期限が令和9年3月15日で、振替日は令和9年4月中旬から下旬です2。日にちは、確定次第掲載されることになっています2。

    個人事業者の消費税等も、令和8年分は納期限が令和9年3月31日、振替日が令和9年4月中旬から下旬です2。年分が変わると、納期限も振替日も変わります。

    納期限と振替日は、年分と税目ごとに次の表のとおりです。

    税目年分納期限振替日
    所得税等令和7年分令和8年3月16日令和8年4月23日
    所得税等令和8年分令和9年3月15日令和9年4月中旬から下旬(確定次第掲載)
    消費税等(個人事業者)令和7年分令和8年3月31日令和8年4月30日
    消費税等(個人事業者)令和8年分令和9年3月31日令和9年4月中旬から下旬(確定次第掲載)

    表のとおり、振替日は年分ごとに動きます2。前の年と同じ日付だと思い込まず、確定申告のたびに、その年分の振替日を確かめます。

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    4. 残高不足で引き落とせない場合の延滞税

    残高不足による引き落としの不成立

    振替納税は、振替日に口座から引き落とす仕組みです1。振替日の時点で預貯金残高が不足していると、引き落としができない場合があります1。

    振替日の前に他の支払いで残高が減ったときも、引き落としができない場合があります。

    引き落とせない場合にかかる延滞税

    引き落としができなかったときは、納期限の翌日から納付する日までの延滞税がかかる場合があります1。振替納税を選んだからといって、延滞税と無縁になるわけではありません。

    そのため、振替日の前日までに、預貯金残高や他の引き落とし予定を確かめておきます1。

    振替日までの流れと、引き落としができなかった場合は、図2のとおりです。

    図2:振替日までの流れと、引き落としができなかった場合
    振替日までの流れと、引き落としができなかった場合 振替日の前日までに 残高を確かめる 振替日に 口座から引き落とし 残高が不足していると 延滞税が かかる場合

    図の作成:Remogu編集部。振替日までの流れと、引き落としができなかった場合を整理したもので、統計データではありません

    では、一度に納めきれないときは、どうすればよいのでしょうか。

    5. 2分の1以上の納付で使える延納

    令和7年分は2分の1以上を令和8年3月16日までに納めれば延納可能

    一方で、確定申告により納付する税金の全額を、期限までにまとめて用意できないこともあります。そのようなときのために、税額の一部を先に納め、残りを後から納める仕組みが用意されています3。

    令和7年分の確定申告では、納付する税金の2分の1以上を令和8年3月16日までに納めれば、残りの額を令和8年6月1日まで延納できます3。振替納税を利用しているなら、振替日に2分の1以上を振替で納めれば、残りを延納できます3。

    令和8年分の延納の納期限は令和9年5月31日

    一方、令和8年分の確定申告では、延納の納期限が令和9年5月31日です2。令和8年分の所得税等の納期限(令和9年3月15日)より、さらに後ろの日付になります2。

    令和7年分の延納の納期限(令和8年6月1日)とは、日付が異なります。確定申告のたびに、その年分の期限を確かめます。

    確定申告書等作成コーナーの延納届出額欄に入力する2分の1以下の金額

    確定申告書等作成コーナーで延納の手続きをするときは、「延納届出額」欄に、「納める税金」欄に表示されている金額の2分の1以下の金額を入力します3。

    ここに入れる2分の1以下の金額が、延納の納期限まで延ばす額です。残りの2分の1以上は、期限までに納めます3。

    延納の流れは、図3のとおりです。

    図3:延納の流れ
    延納の流れ 2分の1以上を 期限までに納める 残りの額を 延納の納期限までに 納める

    図の作成:Remogu編集部。延納の流れを整理したもので、統計データではありません

    2分の1以上を期限までに納め、残りを延納の納期限までに納める、という2段階の流れです3。

    6. 延納期間中にかかる利子税

    延納期間中の利子税

    ただし、残りの額を延納の納期限まで延ばしている間も、負担がないわけではありません。

    延納期間中は、利子税がかかります3。割合は、年7.3%と特例基準割合を比べて、低い方が適用されます3。

    延滞税とは異なる、かかる場面

    振替日に残高が不足していて引き落としができなかったときは、延滞税がかかる場合があります1。

    一方、利子税は、期限内に2分の1以上を納めたうえで、残りを延納している期間にかかります3。

    延納を選ぶなら、確定申告の前に、何を確かめればよいのでしょうか。

    7. 確定申告の前に確かめる3つ

    振替依頼書の提出状況

    1つ目は、振替依頼書です。まだ提出していなければ、確定申告書と一緒に、納期限までに所轄の税務署へ提出します1。ここで出していなければ、今回の納付は窓口や他の方法で行います。

    一方、すでに一度提出していれば、この手続きは終わっています。翌年以降の提出は不要だからです1。あらためて書類を探す必要はありません。

    その年分の振替日

    2つ目は、その年分の振替日です。振替日は納期限より後に来て、年によって日付が変わります1。前年の日付をそのまま使うと、年分によっては実際の日付と異なります。

    振替日が分かったら、前日までに残高や他の引き落とし予定を確かめておきます1。振替日当日に残高が不足していると、延滞税がかかる場合があるからです1。

    延納する場合の2分の1以上の納付

    3つ目は、延納を選ぶときです。納付する税額の2分の1以上を期限までに納めていれば、残りを延納の納期限まで延ばせます3。全額を一度に用意できないときの選択肢です。

    延納の納期限は年分によって違います2。振替納税を選んでいるなら、振替日に2分の1以上を振替で納めれば、同じように残りを延納できます3。延納を選ばないなら、この確認自体が不要です。

    この3つは、確定申告の直前に確かめる点です。振替納税を使えるのが所得税等と個人事業者の消費税等に限られる点1は、すでに確かめました。申し込み先が所轄の税務署である点1も同じです。

    3つの確認事項は、次の表のとおりです。

    確かめること内容
    振替依頼書の提出まだ出していなければ、確定申告書と一緒に納期限までに提出します1
    その年分の振替日年分ごとに変わるため、その都度確かめます2
    延納する場合の納付額2分の1以上を期限までに納めます3

    確かめる順番は、図4のとおりです。

    図4:確定申告の前に確かめる3つの順番
    確定申告の前に確かめる3つの順番 振替依頼書を 確かめる その年分の 振替日を 確かめる 延納するなら 期限内の納付を 確かめる

    図の作成:Remogu編集部。確定申告の前に確かめる順番を整理したもので、統計データではありません

    去年のように、納期限の間際に窓口へ並ぶ場面は、振替依頼書を一度出しておけば繰り返さずに済みます。

    確定申告の納付は、振替依頼書を一度出しておけば1、翌年からも振替日に口座から引き落とされます1。振替日の前日までに、残高を確かめます1。

    8. よくある質問

    贈与税も振替納税で納められますか

    納められません。振替納税は所得税等と個人事業者の消費税等にのみ利用でき、贈与税や源泉所得税などはダイレクト納付などのキャッシュレス納付で納めます1。

    延納届出額の欄には、いくら入力しますか

    確定申告書等作成コーナーでは、「納める税金」欄に表示されている金額の2分の1以下の金額を入力します3。

    延納の利子税は、どの割合でかかりますか

    延納期間中は、年7.3%と特例基準割合のうち、低い方の割合で利子税がかかります3。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 国税庁「確定申告の納付は『振替納税』」(2026年2月・2026年10月確認)
    *2 国税庁「主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日」(2026年・2026年10月確認)
    *3 国税庁「税金の延納について」(2026年1月・2026年10月確認)