【税理士に頼めること】フリーランスが記帳代行と分けて確かめる業務の範囲と注意点
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

📘 この記事でわかること
- 税務代理・税務書類の作成・税務相談の3つが税理士業務であることと、それを行える人の範囲
- 税理士でない人が有償・無償を問わず税理士業務を行うと第52条違反になることと、申告書の作成を頼む相手の線引き
- 帳簿付けを頼むときに依頼先と確かめる点と、にせ税理士のおそれを避けるために相手を確かめる順番
案件が立て込んだ年明け、領収書の束を前にして、申告まで丸ごと誰かに頼めないかと検索したことはないでしょうか。税金の手続きを任せたくても、誰に何を頼めるのかの線引きが分からず、手が止まってしまう場面です。頼める相手が法律で決まっている業務もあれば、そうでない作業もあります。頼む前に、頼む中身が税理士業務かどうかを分けます。
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1. フリーランスが税理士に頼めることを確かめる理由
税理士制度のねらい
国税庁のタックスアンサーによると、税理士制度は昭和26年に設けられました。税務の専門家である税理士が、独立した公正な立場から納税義務の適正な実現を援助し、申告納税制度の適正かつ円滑な運営に資することが目的です1。
案件ごとに報酬の入り方が変わるフリーランスは、帳簿付けから申告までを自分で抱えがちです。人に任せたくなったとき、頼む相手の資格と頼む中身の組み合わせを、先に確かめておきます。
この記事で使う資料と扱う範囲
この記事は、国税庁が公表している3つのページだけをもとにしています。税理士制度のページ、にせ税理士への注意を促すページ、確定申告書等作成コーナーのよくある質問です。資料に書かれていないことは断定せず、依頼先と確かめる点として示します。費用の水準は扱いません。
まず、税理士業務とは何を指すのかから確かめます。
2. 税理士業務の3つ
納税者の依頼を受けて行う業務
国税庁は、納税者からの依頼を受けて行う税務代理、税務書類の作成、税務相談の3つを税理士業務としています1。申告書を書くことだけが税理士業務なのではなく、依頼を受けて行う3つの業務がそろって対象です。
この3つを行えるのは、税理士、税理士法人、国税局長に通知をした弁護士と弁護士法人に限られます1。頼む相手を探すときは、この4つのどれに当たるかが出発点です。
業務ごとの担い手と資料での扱い
3つの業務は、納税者の依頼を受けて行うという点も、担い手が限られるという点も共通しています。表では、資料が業務ごとに述べている内容だけを並べました。税務書類の作成については、確定申告書等の作成が当たると国税庁が説明しています2。税務代理と税務相談の細かな範囲は資料に書かれていないため、頼む内容が当たるかどうかは依頼先に確かめます。
| 業務 | 資料に書かれていること | 頼む前に確かめる点 |
|---|---|---|
| 税務代理 | 納税者の依頼を受けて行う。担い手は税理士・税理士法人・通知をした弁護士・弁護士法人に限る | 頼む内容が税務代理に当たるか |
| 税務書類の作成 | 同じ範囲に限る。確定申告書等の作成が当たる | 申告書の作成まで頼むのか |
| 税務相談 | 同じ範囲に限る | 金額の扱いなどの相談まで含むか |
3つの業務と担い手の対応
図の作成:Remogu編集部。国税庁の資料を整理したもので、統計データではありません
税務の線引きがついたら、次は本業の案件です。Remogu(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク案件特化のエンジニアマッチングで、案件の90%以上がフルリモート可能です3。
では、税理士でない人が税理士業務を行うと、どうなるのでしょうか。
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3. 税理士でない者は行えない
有償・無償を問わない規定
国税庁は、税理士等以外の個人や法人が、有償か無償かを問わず税理士業務を行うと、税理士法第52条違反として罰せられることになると説明しています4。報酬を受け取らない場合でも、この点は変わりません。
そのため、知人が好意で引き受けるという形でも、税理士業務に当たる内容なら同じ線引きの内側にあります。頼む側が見るのは、相手との関係の近さではなく、その相手が行える側に入っているかどうかです。
確定申告書の作成を頼む場合
確定申告書等の作成は、税理士業務である税務書類の作成に当たります。国税庁の確定申告書等作成コーナーのよくある質問は、税理士又は税理士法人等でない者が業として行うことはできないとしています。第52条に違反した場合は、2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処せられる場合があります2。
ただし、資料が述べているのは、業として行う側への規定です。依頼する側に何が起きるかは、この資料には書かれていません。申告書の作成を頼むときは、相手が行える側に入っているかを先に確かめます。
図の作成:Remogu編集部。国税庁の資料を整理したもので、統計データではありません
では、帳簿付けを頼むときは、どこで線を引けばよいのでしょうか。
4. 帳簿付けを頼むときの分け方
資料に書かれていないこと
国税庁が税理士業務として挙げているのは、税務代理、税務書類の作成、税務相談の3つです1。このうち帳簿付けそのものは、資料に挙がっていません。
そのため、帳簿付けは誰に頼んでもよいとも、税理士でなければならないとも、資料からは言えません。言えるのは、帳簿付けと一緒に申告書の作成や金額の扱いの相談まで頼むなら、その部分は税理士業務に当たりうるということです。
頼む内容ごとの確かめ点
表は、頼みたい内容を4つに分け、それぞれで依頼先に確かめる点を並べた、記事の整理です。資料が示す区分ではありません。領収書の整理や仕訳入力のような作業は、資料に挙がる3つの業務のどれに及ぶかを、依頼する前に尋ねます。申告書の作成は税務書類の作成に当たるため、行える側の相手かどうかを先に確かめます2。
| 頼む内容 | 税理士業務に当たるかを確かめる点 |
|---|---|
| 領収書の整理や仕訳入力 | 申告書の作成や、金額の扱いの相談まで含まれていないか |
| 申告書の作成 | 税務書類の作成に当たる。相手が税理士等かを確かめる |
| 税務署への手続きを任せる | 依頼を受けて行う業務が、税務代理に当たるかを依頼先に尋ねる |
| 金額の扱いを尋ねたい | 税務相談に当たるかを依頼先に尋ねる |
次は、税理士でない相手に頼んだときに起こりうることです。
5. にせ税理士に頼んだときのおそれ
国税庁が挙げる2つのおそれ
税理士でないのに税理士業務を行っている人は、いわゆるにせ税理士と呼ばれます。国税庁は、にせ税理士に依頼した場合、不測の損害を受けたり、あとあとまで税務上のトラブルの原因となるおそれもあると説明しています4。
資料が挙げているのは、不測の損害と税務上のトラブルの2つです。損害の中身や金額、トラブルの具体例は書かれていないため、この記事でも事例は挙げません。資料から言えるのは、おそれがあると国税庁が注意を促している、という範囲までです。
頼む側が先にできること
資料は「あとあとまで」と書いており、依頼した時点で終わらない問題として扱っています。申告書を一度作ってもらえば済む、という見方はしていません。
一方で、税理士等以外の個人や法人が税理士業務を行えば、有償・無償を問わず第52条違反です4。違反の問題は、業として行う側に生じます。頼む側にできるのは、依頼する前に相手が行える側に入っているかを確かめることです。
では、相手が税理士かどうかは、何を手がかりに確かめるのでしょうか。
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6. 税理士かどうかの確かめ方
税理士名簿への登録が手がかり
税理士として税理士業務を行うには、税理士となる資格を有する者が、日本税理士会連合会に備える税理士名簿への登録を受けなければなりません1。名簿への登録は、相手が税理士かどうかを考えるときの手がかりです。
ただし、名簿をどこでどのように調べるかは、国税庁の資料に書かれていません。調べ方は、依頼先本人や税理士会に尋ねて確かめます。
税理士以外の担い手の場合
税理士業務を行えるのは、税理士のほかに税理士法人、国税局長に通知をした弁護士と弁護士法人です1。相手が税理士法人なら法人としての区分を、弁護士なら国税局長への通知の有無を、それぞれ尋ねます。
確かめる点は、相手の区分、名簿への登録、通知の有無の3つです。3つのどれにも当たらないのに税理士業務を引き受けるという相手は、にせ税理士のおそれにつながります4。
図の作成:Remogu編集部。国税庁の資料を整理したもので、統計データではありません
では、この確認を、頼む前のどの順番で進めればよいのでしょうか。
7. 頼む前に確かめる順番
4つの確認の並べ方
確認の順番は、頼みたい中身、税理士業務に当たるか、相手が税理士か、任せる範囲を書面にするか、の4つです。先に中身を決めておくと、相手に何を尋ねるかが定まります。表の4行目は、資料に書かれた区分ではなく、記事の整理です。任せる作業と任せない作業を文書に書き分ける、という点を加えました。
| 順番 | 確かめること | 資料での手がかり |
|---|---|---|
| 1. 頼みたい中身 | 申告書の作成か、帳簿付けか、金額の扱いの相談か | 確定申告書等の作成は、税務書類の作成に当たる2 |
| 2. 税理士業務に当たるか | 税務代理、税務書類の作成、税務相談のどれに及ぶか | この3つが税理士業務1 |
| 3. 相手が税理士か | 税理士名簿への登録を受けた税理士か、税理士法人等か | 名簿への登録が必要1 |
| 4. 任せる範囲を書面に | 任せる作業と任せない作業を書き分ける | 記事の整理で、資料の区分ではない |
順番を入れ替えないわけ
相手を探す前に中身を決めるのは、中身によって尋ねる内容が変わるからです。申告書の作成まで頼むなら、相手が行える側かどうかが最初の関門になります2。領収書の整理だけなら、申告書の作成や金額の扱いの相談に及ばないかを尋ねる形になります。
図の作成:Remogu編集部。国税庁の資料を整理したもので、統計データではありません
領収書の束の前に戻る
年明けの領収書の束を前に、丸ごと誰かに頼めないかと迷う場面に戻ります。頼む前に、頼む中身が税理士業務かどうかを分けます。申告書の作成や税務相談に及ぶ部分は、行える側の相手に頼みます。及ばない作業は、依頼先と範囲を確かめたうえで任せます。
税務の手続きの線が引けたら、本業の案件選びに力を戻せます。Remoguに登録して、リモートで参画できる案件の条件を確かめてみるのは、その次の一歩です。
8. よくある質問
確定申告書の作成を知人に頼めますか
知人が税理士や税理士法人、通知をした弁護士などの行える側に入っているかで変わります。確定申告書等の作成は税務書類の作成に当たり、行える側でない者が業として行うことはできません2。有償か無償かを問わない点も、国税庁が示しています4。
帳簿付けだけを頼むときも税理士でないといけませんか
資料からは、どちらとも言えません。国税庁が税理士業務として挙げるのは税務代理、税務書類の作成、税務相談の3つで、帳簿付けは挙がっていません1。申告書の作成や金額の扱いの相談まで一緒に頼むなら、その部分は税理士業務に当たりえます。頼む範囲を依頼先に伝えて、確かめます。
費用の負担が難しいときの相談先はありますか
税理士会は、経済的な理由で税理士に依頼できない納税者に対して、無償または著しく低い報酬で行う税理士業務などの事業を行っています1。利用できる条件は資料に書かれていないため、詳しくは税理士会に尋ねてください。
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出典・参考情報
*1 国税庁「No.9203 税理士制度について」(2026年・2026年10月確認)
*2 国税庁「税理士等でない方が他人の確定申告書等を作成することは法律で禁止されています」(2026年・2026年10月確認)
*3 Remogu(株式会社LASSIC運営)公開情報:扱う案件の90%以上がフルリモート可能
*4 国税庁「No.9204 にせ税理士にご注意」(2026年・2026年10月確認)