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    Salesforceの副業|「設定の単発」と「保守の継続」で変わる受け方の違い

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    明るいダイニングテーブルで、白い無地のカードを1枚の山と数枚の山に分けて置く手

    📘 この記事でわかること

    • 設定の単発で終わる依頼と、保守として続く依頼を、連絡の頻度と期間から見分ける考え方
    • 総務省の調査から読み取れるクラウド利用の広がりと、そこから見立てる外部の手を借りる余地
    • 設定の単発として受けるときの仕事の形と、保守を継続して受けるときに引く線の位置

    知人の会社から、Salesforceの入力画面に項目を1つ増やしてほしいと頼まれました。30分で終わる設定だと思って業務委託で引き受けると、翌週には「この帳票も」「権限も」と連絡が続きます。副業で受けた仕事が、本業の時間に入り込んでこないか気になっていませんか。連絡が止まらないのは、設定どうしがつながっていて、1つ変えると次の依頼が出てくるからです。Salesforceの副業は、1回で終わる設定か、続く保守かを最初に分けます。

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    1. Salesforceの副業が続く仕事になりやすい理由

    画面を1つ変えると次の依頼が出てくる

    書き手の見立てでは、Salesforceの副業が続く仕事になりやすい理由は、設定どうしのつながりにあります。入力画面、帳票、集計、権限は、それぞれ別の設定です。ところが現場では、1つの業務の流れとして使われています。

    たとえば入力画面に項目を足すと、その項目を使った帳票がほしくなります。帳票ができれば、それを見る人の権限を整える話に移ります。1つ目の依頼は30分で終わる設定でも、2つ目以降は別の作業で、使い始めた人が気づいた順に連絡が届きます。

    一方、受ける側が「ここで終わり」という形を決めないまま始めると、最初の依頼がどこまでだったのかが曖昧になります。本業と並べるうえで困るのは、作業の量そのものより、連絡がいつ来るか読めないことです。

    連絡の頻度と期間で3つに分ける

    そこで、依頼を連絡の頻度と期間で3つに分けて考えます。1つ目は設定の単発で、納品の時点で連絡が落ち着きます。2つ目は機能の追加で、追加の作業が続く間だけ連絡があります。3つ目は保守の継続で、契約が続く限り問い合わせが入ります。

    図1:依頼の種類ごとの連絡の続き方
    依頼の種類ごとの連絡の続き方 設定の単発 連絡は納品まで 機能の追加 追加のたびに連絡 保守の継続 契約の間ずっと連絡 期間の長さ

    図の作成:Remogu編集部。連絡の続き方に関する書き手の見立てを整理したもので、統計データではありません

    副業の入口で見分けたいのは、依頼がこの3つのどれに当たるかです。最初は設定の単発に見えても、頼む側が続きを望んでいれば、機能の追加や保守へ変わっていきます。そのため、引き受ける前に「ここで一度終わります」と区切りを言葉にしておくと、本業の時間と重なる場面を減らせます。

    では、Salesforceのようなクラウドサービスを使う企業は、どの程度いるのでしょうか。総務省の調査で確かめます。

    2. 業務でクラウドを使う企業は8割を超える

    調査で分かるクラウド利用の広がり

    総務省の企業調査である「令和7年通信利用動向調査の結果」では、クラウドサービスを利用している企業は8割を上回り、増加傾向が続いています1。

    Salesforceもクラウドサービスの1つです。ただし、この数字はクラウドサービス全般を使う企業の割合です。Salesforceを使う企業の割合ではなく、副業の依頼がどれだけあるかを示す数字でもありません。背景として読むのが、調査の範囲に合った読み方です。

    同じ調査では、テレワークを導入している企業の割合が50.1%となり、前年より増加したと公表されています1。これは企業の制度の話です。副業を受けられる人の数や、リモートで進められる仕事の量を表す数字ではありません。

    調査の結果と読み方の範囲

    クラウド利用は企業の利用状況、テレワークは企業の制度を測った数字です。2つの数字は別々の項目の結果なので、同じ母集団の割合として並べて比べることはしません。どちらも副業の需要や人数を直接示すものではないため、読み方の欄まで合わせて見ると、本記事の主張が調査のどこまでに支えられているかが分かります。調査から言えるのは、業務でクラウドを使う企業が多数派になっている、という背景までです。

    項目結果読み方
    クラウドサービスの利用企業8割超で、増加傾向が続いています1クラウド全般の利用状況で、Salesforceの利用率ではありません
    テレワークを導入している企業50.1%で、前年より増加しました1企業の制度の話で、副業の数ではありません。クラウド利用の割合とは別の項目です

    クラウドを使う企業が広がると、その運用を誰が担うのかが次の問いになります。この点は、次の節で書き手の見立てとして述べます。

    3. クラウドを使う理由と外部の手を借りる余地

    窓際の白い打ち合わせ机で、2人が並んで座り、1台のノートパソコンを前に1人が机を指して説明する

    拡張性を理由に選ぶ企業

    総務省の同じ調査には、クラウドサービスを利用する理由を尋ねた項目があります。その中で、前年からの増加が最も大きかったのは「システムの拡張性が高いから(スケーラビリティ)」でした1。

    ここで示されているのは、前年からの増え方です。割合の高さではないので、拡張性がいちばん多い理由だとは書けません。読み取れるのは、システムを広げやすいことを理由にクラウドを選ぶ企業が増えている、という変化までです。

    背景の1つとなる選択肢

    理由の選択肢には、「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」もあります2。選択肢の1つとして載っているもので、この理由を選んだ企業の割合は、本記事では扱いません。

    書き手の見立てでは、拡張性への関心と、この選択肢のような背景は、外部の手を借りる余地につながります。システムを広げたいときに、設定や運用の一部を社外の人に任せる形が考えられるからです。ただし、これは調査の結果ではありません。

    図2:2つの理由から見立てる外部の手の余地
    2つの理由から見立てる外部の手の余地 拡張性の重視 保守体制を社内に持たない 外部の手を借りる余地

    出典:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」などをもとに作成。右の箱は書き手の見立てで、調査の結果ではありません

    この余地があるとして、副業の依頼はどんな形で来るのでしょうか。まず、区切りをつけやすい設定の単発から見ていきます。

    4. 設定の単発で受ける仕事の形

    区切りをつけやすい4つの作業

    設定の単発で受ける仕事は、作業の数を最初に数えられるものが中心です。項目の追加、画面の調整、レポートの作成、権限の見直しが当てはまります。どれも「何を何件直すか」を依頼の時点で決められるので、納品の日を置きやすくなります。

    書き手の見立てでは、副業の最初の1件は、この中から選ぶと本業の時間と重なりにくくなります。納品までの作業が平日の夜や土日に収まるかどうかは、作業の数が決まっていれば自分で見積もれるためです。

    作業ごとの区切りの付け方

    仕事の形ごとに、どこで区切るかを次に並べます。区切りは、作業の数と、終わったと言える確認の方法の2つで決まります。依頼を受ける前にこの2つを書き出しておくと、頼む側と受ける側の認識がそろいます。

    仕事の形区切りの付け方
    項目の追加追加する項目と載せる画面を決め、反映を確かめた時点で終わりにします
    画面の調整調整する画面の数と、並び順や表示条件の変更内容を最初に決めます
    レポートの作成作るレポートの本数と、集計の条件を決めて渡します
    権限の見直し見直す対象のユーザー区分を決め、変更後の見え方の確認までを範囲にします

    単発でも続きの連絡が来る場面

    設定の単発でも、納品のあとに連絡が来ることはあります。多いのは、納めた項目や帳票を使い始めた人から、表示や集計への追加の希望が出る場面です。この連絡を、最初の依頼の続きとして無償で受けるのか、新しい依頼として扱うのかは、あらかじめ決めておけます。

    そのため、設定の単発として受けるときも、納品のあとの連絡をどう扱うかまで話しておきます。ここが曖昧だと、単発のつもりの仕事が、気づかないうちに保守へ近づきます。続く連絡を受けると決めたなら、次はどこに線を引くかの話です。

    5. 保守を継続して受けるときの線引き

    夕日の差す自宅の机で、卓上カレンダーの横にスマートフォンを伏せて置く手

    問い合わせの窓口を1つに絞る

    書き手の見立てでは、保守を継続して受けるときに最初に決めたいのは、問い合わせの窓口です。利用者が思い思いにメールやチャットで連絡してくると、いつ何が来るのかを自分で把握できません。窓口を1つに絞れば、連絡の入口が1か所になり、本業の合間に見る場所も1つで済みます。

    窓口は、頼む側の社内にいる取りまとめ役を通す形が分かりやすくなります。利用者の声を取りまとめ役が整理してから渡す形にすると、同じ内容の問い合わせが重ならず、優先順位も頼む側で付けてもらえます。受ける側は、その順に作業を進めればよくなります。

    対応する時間帯と月あたりの範囲

    次に決めるのは、連絡に応じる時間帯です。冒頭で触れた不安は、問い合わせが平日の日中に次々と届き、本業と重なることでした。たとえば「返信は平日の夜と土日にまとめて行う」と最初に伝えておけば、日中の連絡にその場で応じる必要はなくなります。

    もう1つが、月あたりの範囲です。1か月に受ける作業の量に上限を置き、上限を超える依頼は別の依頼として相談する形にします。上限がないと、保守は少しずつ膨らみます。範囲を決めておくことで、頼む側も追加の作業を依頼として切り出しやすくなります。

    図3:保守を継続して受けるときに引く3本の線
    保守を継続して受けるときに引く3本の線 問い合わせの窓口 入口を1つ 頼む側の取りまとめ役 対応する時間帯 夜と土日 日中の返信は求めない 月あたりの範囲 作業量に上限 超えた分は別の依頼

    図の作成:Remogu編集部。保守を受けるときの線引きに関する書き手の見立てを整理したもので、統計データではありません

    3つの線は、頼む側に伝えて初めて意味を持ちます。伝え方と、受ける前に決める項目の全体を、次の節で整理します。

    6. 受ける前に決めておくこと

    4つの項目を依頼の前に書き出す

    設定の単発でも保守の継続でも、受ける前に決めておく項目は共通しています。作業の範囲、追加の依頼の扱い、連絡の時間帯、本番環境の権限の4つです。書き手の見立てでは、この4つを依頼の前に書き出しておくと、本業と並べたときの食い違いの大半を先に減らせます。

    たとえば作業の範囲を決めないまま始めると、冒頭の場面のように「この帳票も」という連絡が最初の依頼の一部として扱われます。範囲が文章になっていれば、その連絡は「範囲の外の新しい依頼」と整理できます。

    決めること例
    作業の範囲追加する項目の数、作る帳票の本数、見直す権限の区分を書き出します
    追加の依頼の扱い範囲の外の依頼は新しい依頼として相談し、合意してから着手します
    連絡の時間帯返信は平日の夜と土日にまとめて行い、日中の即時対応は含めません
    本番環境の権限変更できる範囲を管理者と決め、本番への反映は事前に連絡してから行います

    本番環境の権限は最後に絞る

    4つのうち、見落とされやすいのが本番環境の権限です。Salesforceでは、本番の設定を変えると利用者の画面や集計にすぐ影響が出ます。変更できる範囲を最初に決め、反映の前に管理者へ連絡する手順を置けば、設定の誤りが利用者の業務に及ぶ場面を減らせます。

    追加の依頼の扱いも同じです。口頭で「次回もお願いします」と言われたとき、範囲の外であることを文章で返せるように、受ける前の合意を書面に残します。これらをそろえたうえで、本業と並べる順番を決めます。

    7. 本業と並べるための受け方

    調査から言える背景と、見立ての境目

    総務省の調査から言えるのは、クラウドサービスの利用企業が8割を上回り、増加傾向が続いていることです1。利用の理由では、システムの拡張性の前年からの増加が最も大きく1、選択肢には保守体制を社内に持つ必要がないことも含まれます2。テレワークを導入している企業の割合は50.1%でした1。

    一方、これらの数字は、Salesforceの利用率でも副業の依頼の数でもありません。外部の手を借りる余地があること、保守が続く仕事になりやすいことは、書き手の見立てです。調査は背景を示し、受け方の判断は、自分の本業の時間と照らして決めることになります。

    受け方の順番

    本業と並べるなら、順番は次の4段です。まず依頼が設定の単発か継続かを分け、次に作業の範囲を決めます。そのあとで窓口と時間帯を決め、最後に契約として文書に残します。範囲より先に契約へ進むと、あとから線を引き直す交渉になります。

    図4:副業を受けるまでの4段の順番
    副業を受けるまでの4段の順番 単発か継続か 区切りを言葉に 作業の範囲 作業の数を決める 窓口と時間帯 連絡の入口を絞る 契約 文書で残す

    図の作成:Remogu編集部。受け方の順番に関する書き手の見立てを整理したもので、統計データではありません

    最初の1件の選び方

    最初の1件は、設定の単発を選ぶと、ここまで書いた線引きを試しやすくなります。納品の日が決まっていれば、本業の時間と重なるかどうかを自分で見積もれます。続けたいと感じたときに、保守の継続へ進む形です。

    Remogu(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク案件特化のエンジニアマッチングで、案件の90%以上がフルリモート可能です。まず登録して、自分の経験に合う条件を確かめてみてください。範囲や時間帯を決めやすい案件かどうかを、案件の条件から見比べられます。

    知人から頼まれた項目の追加が、翌週の帳票や権限の連絡に変わる場面は、最初に区切りを決めておけば避けられます。Salesforceの副業は、1回で終わる設定か、続く保守かを最初に分けます。

    8. よくある質問

    アドミニストレーターの経験だけでも副業は受けられますか

    書き手の見立てでは、受けられる仕事はあります。項目の追加、画面の調整、レポートの作成、権限の見直しは、設定の範囲で進められる仕事だからです。コードを書く開発の依頼は、別の経験が求められます。最初は、自分の経験の範囲で完結する依頼を選び、範囲の外に出る内容は断るか、別の依頼として相談します。

    土日だけで受けられる仕事はありますか

    設定の単発なら、土日で区切りやすい仕事です。作業の数を最初に決められるので、土日にまとめて進めて納品する形が組めます。一方、保守の継続は平日の問い合わせが入りやすくなります。土日だけにしたいときは、返信を土日にまとめることを、受ける前に頼む側へ伝えて合意します。

    Apexの開発を副業で受けるときの注意は何ですか

    書き手の見立てでは、作業の範囲とテストの扱いを先に決めたい点です。Apexの開発は、コードを書く量より、どこまでを動作の確認に含めるかで作業量が変わります。確認の方法と、納品後に不具合が見つかったときの対応を、受ける前に文書で合意しておきます。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」(2026年5月29日・2026年10月確認)
    *2 総務省「令和7年 通信利用動向調査報告書(企業編)」(2026年5月29日・2026年10月確認)