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    【Swift】副業はアプリの改修から|スマホ法の全面施行で見る受け方の手順

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    夜のリビングで、丸テーブルのノートパソコンの前に座り、スマートフォンを横向きに両手で持つ人

    📘 この記事でわかること

    • アプリの副業が新規開発で重くなりやすい理由と、改修・保守運用で締切や対応の頻度がどう違うか
    • 2025年12月18日の全面施行から、仕様変更に十分な期間と開示を求める義務までの流れ
    • 変更の知らせから期限までを1つの仕事として区切る考え方と、本業と並べるための受け方の手順

    知人から「アプリの規約が変わったらしい。うちのアプリは何か直す必要があるのか」と相談され、Swiftを書いている本業を持つ人が資料を読み始めました。変更の中身と期限さえ分かれば、直す作業は区切って見積もれます。副業でアプリの仕事を受けるとき、本業の時間まで食われないかという不安は、新規開発の重さよりも、知らせが届いてから期限までの慌ただしさに向いているのではないでしょうか。この記事では、スマホ法の全面施行を材料に、Swiftの副業を受ける単位を考えます。

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    1. アプリの副業が重くなりやすい理由

    新規開発に締切が集まる構造

    アプリの新規開発は、リリースの日に向けて作業が積み上がる仕事です。設計、実装、テスト、審査への提出と続き、どの段階も最後の日付に結びついています。本業と並べるなら、その日付に近づくほど副業の側に時間を割く場面が増える、と見るのが自然です。これは記事の書き手の見立てで、案件ごとに実際の進め方は異なります。

    ただし、新規開発が副業に向かないと決まるわけではありません。締切と対応の頻度が事前に分かっていれば、本業の繁忙期を避けて受けるかどうかを決められます。つまずきやすいのは、日付が後から動く形の依頼です。何が動くと日付が動くのかを、受ける前に聞いておくことが判断の材料になります。

    改修と保守運用の時間の使われ方

    一方、公開済みのアプリに手を入れる改修は、締切の置かれ方が違います。新しい機能の完成日ではなく、外から決まる変更の期限に合わせて作業が始まるからです。保守運用はさらに性質が異なり、決まった日付よりも、細かな対応が間を置きながら続く形になります。仕事の種類によって、時間の使われ方が変わると考えると整理しやすくなります。

    図1:仕事の種類と、時間の使われ方の違い
    仕事の種類ごとの時間の使われ方 新規開発 締切:リリース日に集中 頻度:開発期間に集中 改修 締切:変更の期限に連動 頻度:変更のたびに発生 保守運用 締切:決まった日なし 頻度:細かく継続

    図の作成:Remogu編集部。仕事の種類ごとの一般的な傾向を整理したもので、統計データではありません

    この3種類のうち、副業として区切りやすいのはどれでしょうか。次の節では、外から決まる変更の代表例として、スマホ法の全面施行を見ていきます。

    2. スマホ法の全面施行と遵守報告書の公表

    2025年12月18日の全面施行

    スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律は、通称をスマホソフトウェア競争促進法といいます。この法律は、2025年12月18日に全面施行されました1。アプリを作る側から見ると、スマートフォンのOSやアプリストアといった土台のルールを定める側に対して、法律が義務を課す仕組みです。

    実際、日付がはっきりしている点は、副業の受け方を考えるうえで助けになります。施行日が決まった法律は、あとから「いつから」の議論が起きにくいからです。変更の知らせから期限までを区切る発想の入口として、まず日付の確かな出来事を押さえます。

    遵守報告書の提出と公表の日付

    全面施行の日には、指定事業者から法第14条第1項の遵守報告書がそれぞれ提出されました。公正取引委員会は、この報告書を2026年2月17日に公表しています1。指定事業者とは、法律の義務を負う側として定められた大手の事業者を指します。個別のアプリ事業者や、副業を受けるエンジニア個人が提出するものではありません。

    日付出来事
    2025年12月18日スマホソフトウェア競争促進法が全面施行された1
    2025年12月18日全面施行の日に、指定事業者から遵守報告書がそれぞれ提出された1
    2026年2月17日公正取引委員会が遵守報告書を公表した1

    日付のうえでは、全面施行から報告書の公表までに時間差があります。この間に何が決まり、アプリを作る側に何が及ぶのかを、次の節で義務の中身から確かめます。

    3. 仕様変更に十分な期間と開示を求める義務

    白い壁のボードに並んだ6つの枠の1つに、手が黄色い付箋を貼る場面

    第13条が定める3つの義務

    公正取引委員会の概要資料によると、指定事業者には、OS・アプリストア・ブラウザの仕様や利用条件を変更するときなどに、十分な期間の確保、理由などの情報の開示、苦情処理の体制の整備が義務づけられています2。条文でいえば第13条にあたります。義務の中身は、変更を決めた側が、知らせる時間と理由を用意するという点に絞られています。

    さらに概要資料は、説明文の中で、十分な期間の確保や情報の開示がされないと、個別アプリ事業者やウェブサイト事業者が円滑に対応できず、消費者へのサービスの提供ができなくなる可能性に触れています2。これは条文の義務そのものではなく、義務が置かれた背景の説明です。

    図2:義務を負う側と、影響を受ける側の関係
    指定事業者の義務とアプリ事業者の関係 指定事業者 十分な期間の確保 理由などの開示 苦情処理の体制 アプリ事業者

    出典:公正取引委員会「スマホソフトウェア競争促進法 概要資料」をもとに作成

    義務を負う側と、受け取る側

    注意したいのは、義務を負うのが指定事業者だという点です。個別のアプリ事業者や、副業でアプリの仕事を受けるエンジニアが、この条文の義務を負うわけではありません。アプリを作る側は、この義務のもとで知らせを受け取る立場にあります。

    では、仕様や利用条件が変わるたびに、アプリ側に作業が生まれるのでしょうか。資料が示しているのは義務の中身と趣旨までで、仕事の量がどう変わるかは書かれていません。そのため、改修が必要になる場面がある、と見ることもできます、という程度にとどめるのが妥当です。

    4. 変更の知らせから期限までを1つの仕事にする

    知らせから期限までを区切る考え方

    Swiftの副業は、変更の知らせから期限までを1つの仕事にします。冒頭の相談のように、規約が変わったらしいという話から始まっても、中身と期限が分かれば、直す範囲と時間を見積もれるからです。仕事の始まりが知らせ、終わりが期限と決まっていれば、本業の予定の中にも置きやすくなります。

    この単位の利点は、依頼する側と受ける側で、完了の基準がそろうことです。新規開発のように完成の形が広がりやすい仕事と違い、変更への対応は、期限までに必要な範囲が収まったかどうかで判断できます。こうした区切り方は書き手の考えで、実際の契約は案件ごとに協議して決めます。

    1つの仕事に含める4つの作業

    1つの仕事の中身は、影響の確認、改修、審査への提出、公開後の確認の4つに分けると見通しが立つ、というのが書き手の見立てです。各作業の中身は次の表に並べました。どれも、変更の知らせを起点にして、期限までの間に収まる作業です。

    仕事の単位内容
    影響の確認変更の中身を読み、自分が受けるアプリのどこに関わるかを洗い出す
    改修洗い出した範囲に絞って、コードを直す
    審査への提出直したアプリを提出する。差し戻しがあれば対応する
    公開後の確認公開したあと、動作に問題がないかを確かめる

    次の節では、この単位の前提になる、遵守報告書と情報提供の窓口を取り上げます。

    5. 遵守報告書と情報提供の窓口

    明るいラウンジの机で、開いたノートの横の白いカードにペンで書き込む手元

    指定事業者の見解を示す報告書

    遵守報告書は、指定事業者が法律を守るための取り組みを書いたものです。公正取引委員会は、公表された報告書の内容について、指定事業者の見解を示すもので、公正取引委員会の見解を示すものではないと説明しています1。報告書を読むときは、書かれているのが誰の言葉なのかを分けて受け取る必要があります。

    この点は、副業で変更の知らせを読むときの姿勢にも通じます。報告書に書かれた内容は、変更の中身を知る手がかりにはなります。ただし、公正取引委員会が内容を認めたものとは限りません。受ける前の協議では、どの資料を根拠に影響の範囲を決めたのかを、依頼する側と共有しておくと話が進みます。

    取引の実態を集める情報提供フォーム

    一方、公正取引委員会は、指定事業者とアプリ事業者等との取引実態などを把握するため、ウェブサイト上に情報提供フォームを設置しています1。報告書が指定事業者の側から出された資料であるのに対し、フォームは取引の実態を外から集めるための窓口です。

    図3:報告書の公表と、実態を集める窓口の位置づけ
    遵守報告書と情報提供フォームの位置づけ 遵守報告書の公表 指定事業者の見解 情報提供フォーム 取引実態の把握

    出典:公正取引委員会「スマホソフトウェア競争促進法に基づく遵守報告書の公表について」をもとに作成

    フォームの対象は、指定事業者とアプリ事業者等との取引です。副業で受ける個々の仕事がどう扱われるかは、この資料には書かれていません。そのため、変更への対応で困りごとが起きたときの相談先は、依頼する側との協議の中で先に決めておくのが現実的です。

    次の節では、受ける前に自分で決めておくことを整理します。

    6. 副業で受ける前に決めておくこと

    契約の前に話しておく4つの項目

    変更の知らせから期限までを1つの仕事にしても、範囲が曖昧なままでは本業の時間を守れません。そこで、受ける前に決めておく項目を4つに絞ります。これは資料に書かれた決まりではなく、書き手の見立てです。実際の条件は、依頼する側と協議して決めます。

    決めること例
    対応する変更の範囲どの変更を1つの仕事に含め、どこから別の仕事にするか
    審査の差し戻しの扱い差し戻しがあった場合に、どこまでを同じ仕事の中で対応するか
    公開後の不具合の連絡連絡の手段と、返事をする時間の目安
    稼働の時間帯本業の予定と重ならない曜日や時間

    本業の時間を守る決め方

    たとえば、審査の差し戻しの扱いは、後から揉めやすい項目です。差し戻しの回数や内容は、提出してみないと分かりません。だからこそ、最初の対応は仕事に含め、それを超える分は別に協議する、という分け方を提案しておく価値があります。

    稼働の時間帯も同じです。本業の繁忙期に変更の期限が重なる場合に備え、受けられない時期を先に伝えておけば、依頼する側も別の手を考えられます。時間帯を決めることは、断る範囲を決めることでもあります。

    では、この4つを決めたうえで、実際にはどの順で話を進めればよいのでしょうか。

    7. 本業と並べるための受け方の手順

    知らせを読んでから契約まで

    手順は4つの段階に分けられます。まず、変更の知らせを読み、中身と期限をつかみます。次に、自分が受けるアプリのどこに関わるのかを確かめます。そのうえで、対応する範囲と期限を依頼する側と決め、最後に契約として形にします。

    図4:受ける前に踏む4つの段階
    副業で受けるための手順 知らせを読む 影響を確かめる 範囲と期限を決める 契約

    図の作成:Remogu編集部。書き手の見立てを整理したもので、統計データではありません

    冒頭の相談に戻って

    知人の相談に戻ります。規約が変わったらしいという話は、中身と期限が分かった時点で、直す範囲と時間を見積もれる仕事に変わります。スマホ法の全面施行は2025年12月18日で、指定事業者には十分な期間の確保や理由などの開示が義務づけられています1。知らせを受け取る側は、その知らせから期限までを区切って考えられます。

    Swiftの副業は、変更の知らせから期限までを1つの仕事にします。新規開発のように完成の形が広がる仕事より、本業の予定の中に置きやすい形です。まず、自分の経験に合う条件を確かめてみるところから始められます。Remogu(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク案件特化のエンジニアマッチングで、案件の90%以上がフルリモート可能です。Swiftの案件を見ながら、受けられる範囲を具体的に考えてみてください。

    8. よくある質問

    KotlinやObjective-Cの経験でも同じように受けられますか

    この記事の受け方は、変更の知らせから期限までを区切る考え方なので、使う言語に左右されません。影響の確認、改修、審査への提出、公開後の確認という4つの作業は共通です。ただし、案件ごとに求められる言語や経験は異なるため、依頼する側との協議の中で、自分の経験がどこまで当てはまるかを確かめます。

    新規アプリの開発は副業で受けられますか

    難しいかどうかは、締切と対応の頻度で決まる、というのが書き手の見立てです。新規開発はリリース日に作業が集まりやすいため、本業の繁忙期と重なるかどうかが判断の分かれ目になります。日付が後から動かないことを確かめられれば、受ける選択肢になります。

    スマホ法でアプリ事業者に新しい義務ができましたか

    公正取引委員会の概要資料によると、仕様や利用条件を変更するときなどの義務を負うのは指定事業者です2。個別のアプリ事業者に新しい義務ができた、とは資料には書かれていません。概要資料は、十分な期間の確保や情報の開示がされないと、個別アプリ事業者が円滑に対応できなくなる可能性に触れています2。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 公正取引委員会「スマホソフトウェア競争促進法に基づく遵守報告書の公表について」(2026年2月17日・2026年10月確認)
    *2 公正取引委員会「スマホソフトウェア競争促進法 概要資料」(2025年・2026年10月確認)