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    【大学無償化】多子世帯支援でフリーランスの親が確かめる扶養の数え方と申請時期の目安

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    「多子世帯の扶養の数」を示す図です。申請/進学/確認/見直しを並べています。強調しているのは見直しです。扶養の数で確かめると添えています。

    📘 この記事でわかること

    • 大学無償化と呼ばれる支援の正式な名前と、令和2年4月の開始から令和6年度・令和7年度の拡充までの流れ
    • 多子世帯かどうかを決める、生計維持者の住民税上の扶養する子供の数の条件と、第1子から支援される間のこと
    • 授業料・入学金の減免と給付型奨学金とで収入の扱いが違うことと、上限額の目安、申請の時期

    住民税の申告書類を机に広げ、上の子の大学進学と下の2人の年齢を数え直している場面を考えてみます。大学無償化と呼ばれる多子世帯への支援があると耳にしても、自分の申告で扶養する子が何人になっているのか、すぐには答えられず手が止まります。フリーランスエンジニアの親にとっての不安は、扶養の申告のしかた次第で、多子世帯から外れてしまうのではないかという点でしょう。答えを先に言えば、子どもの人数ではなく、住民税の扶養の数で確かめます。

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    1. 大学無償化の多子世帯支援とは

    通称と正式な名前

    大学無償化は通称で、制度としての正式な名前は高等教育の修学支援新制度です。文部科学省は、この制度を令和2年4月から実施しています1。

    この記事で扱う多子世帯支援は、その制度の中にある支援です。文部科学省のページでは、扶養する子供が3人以上いる世帯である多子世帯への支援が、令和6年度からの拡大として説明されています1。別の新しい制度が用意されたのではなく、修学支援新制度の枠の中で、多子世帯の位置づけが広がってきたと読めます。

    制度の中での位置づけ

    図1:修学支援新制度のなかの多子世帯支援
    国の制度 実施開始 令和2年4月 多子世帯の枠 授業料・入学金の減免 給付型奨学金

    図の作成:Remogu編集部。文部科学省の資料を整理したもので、統計データではありません

    図1が示すのは、多子世帯支援が修学支援新制度の枠の中にあるという関係です。ただし、大学無償化という通称から、すべてが無料になる制度を思い浮かべると、実際の内容とずれます。文部科学省の説明は、多子世帯の学生に対し、国が定める一定額まで、授業料・入学金の減免を行っているというものです1。上限があるのが前提です。

    では、この減免は、いつ、どのように広がってきたのでしょうか。

    2. 令和6年度・令和7年度の拡充の流れ

    時点ごとの変わり目

    修学支援新制度は令和2年4月に始まりました1。令和6年度には、多子世帯や私立の理工農系の学部等に通う学生の中間層へ、支援が拡大されています1。さらに令和7年度からは、多子世帯の学生に対し、所得制限なく、国が定める一定額まで授業料・入学金の減免が行われています1。3つの時点で何が加わったかを、文部科学省の説明に沿って並べると、多子世帯の扱いが段階的に手厚くなってきたことが分かります。

    時点内容
    令和2年4月高等教育の修学支援新制度の実施開始1
    令和6年度多子世帯や私立の理工農系の学部等に通う学生の中間層への支援を拡大1
    令和7年度多子世帯の学生に対し、所得制限なく、国が定める一定額まで授業料・入学金を減免1

    令和7年度の変化の中身

    令和6年度の拡大は、多子世帯と、私立の理工農系の学部等に通う学生の中間層という、2つの対象にまたがっていました。

    一方、令和7年度の変更は、多子世帯の学生だけに向けた内容です。所得制限なく、国が定める一定額まで、大学等の授業料・入学金が減免されます1。多子世帯にとっては、収入の多い少ないで対象かどうかが分かれる仕組みではなくなりました。

    対象を決める物差しは、世帯の所得ではなく、扶養する子供の数です。多子世帯とは、扶養する子供が3人以上いる世帯のことです1。では、その扶養する子供の数は、どの書類の、どの扶養で数えるのでしょうか。

    3. 多子世帯の判定は住民税上の扶養

    判定に使う2つの条件

    文部科学省のリーフレットによると、多子世帯支援の対象は、学生が生計維持者の住民税上の扶養に入っており、かつ生計維持者の住民税上の扶養する子供の数が3人以上の場合です2。

    条件は2つに分けて読めます。1つは、学生本人が生計維持者の住民税上の扶養に入っていること。もう1つは、その生計維持者の住民税上の扶養する子供の数が3人以上であることです。数えるのは、住民税上の扶養に入っている子供の数であり、同居しているかどうかや、子どもの総数ではありません。

    図2:多子世帯と判定される条件
    生計維持者 扶養する子 扶養する子 学生 扶養に入る 3人以上で対象

    図の作成:Remogu編集部。文部科学省のリーフレットを整理したもので、統計データではありません

    フリーランスの申告と結びつく点

    判定の物差しが住民税上の扶養である以上、自分が住民税の申告で扶養する子をどう書いているかが、判定に関わる部分です。これは資料の文言からの読み取りで、リーフレットが申告のしかたまで説明しているわけではありません。申告の具体的な手続きには、この記事は立ち入りません。

    だからこそ、冒頭の不安は、子どもの人数を数えるだけでは消えません。手元の申告書類で扶養する子が何人になっているかを、先に確かめる必要があります。

    3人以上いる間は第1子から

    リーフレットは、子供の数が3人以上いる間は、第1子から支援されると説明しています2。つまり、上の子から順に進学する場合でも、第1子の進学から対象になります。

    では、対象になったとき、所得はどう扱われるのでしょうか。

    4. 所得制限がないのは授業料・入学金

    授業料・入学金は収入制限なし

    リーフレットによると、多子世帯は、授業料・入学金について収入制限なく、上限額まで支援を受けられます2。文部科学省のページも、多子世帯の学生に所得制限なく、授業料・入学金の減免を行っていると説明しています1。

    ただし、給付型奨学金は扱いが別です。収入に応じた支援額が支給され、その幅は満額から4分の1の額までです2。

    支援ごとの収入の扱い

    多子世帯の学生が受ける支援は、授業料・入学金の減免と、給付型奨学金の2つに分けて読む必要があります。授業料・入学金は収入制限がなく、国が定める上限額まで支援されます。給付型奨学金には、収入に応じた支援額が決められていて、満額から4分の1の額までの幅があります。所得制限がないという言葉を、すべての支援が同じ額で受けられるという意味に広げてしまうと、実際の支給額とずれるため、支援ごとに分けて確かめます。

    支援収入の扱い
    授業料・入学金の減免収入制限なく、上限額まで2
    給付型奨学金収入に応じた支援額(満額〜1/4額)2

    所得制限なくという言葉が当てはまるのは、授業料・入学金の減免です。給付型奨学金までを含めた言葉ではありません。次は、授業料と入学金について、国が定める上限の目安を確かめます。

    5. 支援の上限の目安

    国公立と私立の年額

    授業料・入学金の支援には、年額の上限があります。文部科学省のリーフレットの表によると、国公立は授業料が54万円、入学金が28万円、私立は授業料が70万円、入学金が26万円程度です。金額は単位未満を四捨五入した値として載っています2。

    図3:授業料・入学金の支援の年額(上限)
    授業料・入学金の支援の年額(上限) 国公立・授業料 54万円 国公立・入学金 28万円 私立・授業料 70万円 私立・入学金 26万円

    出典:文部科学省「高等教育の修学支援新制度(2027年度進学予定者向け)」(2026年2月)の表をもとにRemogu編集部が作図。単位未満は四捨五入2

    上限の読み方

    図3の4本の棒は、それぞれ支援の上限です。実際に学校へ納める金額そのものではなく、国が定める範囲で支援される年額の目安にあたります。表から読み取れるのは、授業料の上限が国公立より私立のほうが大きく、入学金の上限は国公立のほうがわずかに大きいという点です。

    ただし、この表が示しているのは授業料と入学金の上限だけです。教科書代や通学の費用、住まいの費用などは、この記事では扱いません。進学先の学校が示す金額を、上限の表と並べて確かめることになります。

    上限がある支援なので、申請しないまま入学の日を迎える状況は避けたいところです。次は、申請の時期と、進学後に申請する場合の流れを確かめます。

    6. 申請の時期と、進学後の申請

    入学前の申請期間

    2027年度の進学予定者向けのリーフレットによると、入学前の申請期間は2026年4月下旬から7月末までです。学校ごとに締切日が異なるため、期間の終わりの日付は進学先に合わせて確かめる必要があります2。

    また、多子世帯で授業料等減免のみが対象となる人も、申込みが必要です2。対象になるかどうかと、申し込むかどうかは別の話で、条件を満たしていても申込みがなければ支援は始まりません。

    進学後に申請する場合

    同じリーフレットは、進学後に申請しても4月分からの支援を受けられると説明しています。ただし、支援が始まるのは申請から数か月後になります2。入学前に申請した場合との違いは、支援が始まる時期にあります。

    時期内容
    入学前(2027年度進学予定者)2026年4月下旬〜7月末が申請期間。学校ごとに締切日が異なる2
    進学後申請しても4月分から支援を受けられる。支援の開始は申請から数か月後2
    授業料等減免のみ対象の多子世帯申込みが必要2

    申請が済んだあとも、確認は続きます。次の節では、毎年の確認と、フリーランスの親が手元で確かめることを整理します。

    7. 毎年の確認と、フリーランスの親が確かめること

    進学後の毎年の確認

    リーフレットによると、進学後は学業成績や世帯収入が引き続き基準を満たしているかを、毎年確認します2。一度申請して終わりの制度ではなく、進学してからも続く確認があるということです。

    図4:申請から毎年の確認までの流れ
    申請から毎年の確認までの流れ 入学前の申請 4月下旬〜7月末 進学後の申請 4月分から 毎年の確認 成績・世帯収入

    図の作成:Remogu編集部。文部科学省のリーフレットを整理したもので、統計データではありません

    手元の申告書類で確かめること

    この項は、資料の文言をもとにした書き手の整理です。リーフレットが個々の申告のしかたまで述べているわけではなく、推論を含みます。

    多子世帯の判定は、生計維持者の住民税上の扶養する子供の数で決まります2。そのため、フリーランスの親が最初に手に取るのは、住民税の申告での扶養の記載です。扶養する子が何人として扱われているかを、申告書類で見直すことになります。

    収入の変動については、支援ごとに分けて考えられます。授業料・入学金は収入制限がなく2、収入が変わっても対象の条件に直接は関わらないと読めます。一方、給付型奨学金は収入に応じた支援額が支給されるため2、収入が変わったとき気にかけるのはこちらです。報酬が月ごとに動きやすい働き方では、毎年の確認で世帯収入が見られる点を、あらかじめ頭に置いておきたいところです。

    働き方の選択肢とあわせて

    進学の準備と毎年の確認が重なる時期に、仕事の場所や時間を自分で組み立てられると、書類を集める日を確保しやすくなります。Remogu(株式会社LASSIC運営)は、案件の90%以上がフルリモート可能です3。

    冒頭の場面に戻ります。住民税の申告書類を広げた手が止まったとき、確かめる物差しは、子どもの人数ではなく、住民税の扶養の数でした。扶養する子が3人以上いる間は第1子から支援される2という説明を手がかりに、まずは手元の申告書類で扶養の数を数え直してみてください。その数が分かれば、次に動く先は進学先の学校の窓口です。

    8. よくある質問

    多子世帯なら所得に関係なく対象になりますか

    授業料・入学金の減免については、収入制限なく上限額まで支援を受けられます2。文部科学省も、令和7年度から多子世帯の学生に所得制限なく、国が定める一定額まで授業料・入学金の減免を行っていると説明しています1。ただし、給付型奨学金は収入に応じた支援額が支給され、満額から4分の1の額までの幅があります2。

    2027年度に進学する場合、申請期間は過ぎていますか

    リーフレットが示す2027年度進学予定者の入学前の申請期間は、2026年4月下旬から7月末までで、学校ごとに締切日が異なります2。この記事の公開時点では、その期間の日付はすでに過ぎています。ただし、進学後に申請しても4月分からの支援を受けられると説明されています2。申請の受け付け状況は、進学先の学校に確かめてください。

    上の子が卒業して扶養する子が2人になったらどうなりますか

    リーフレットは、子供の数が3人以上いる間は第1子から支援されると説明しています2。3人以上いる間が、支援の前提です。扶養する子が2人になった後の扱いは、資料に記載がないため、この記事では断定しません。進学先の学校か、文部科学省の案内で確かめてください。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」(2026年9月・2026年10月確認)
    *2 文部科学省「高等教育の修学支援新制度(2027年度進学予定者向け)」(2026年2月・2026年10月確認)
    *3 Remogu(株式会社LASSIC運営)公開情報:扱う案件の90%以上がフルリモート可能